文化団体の暗中模索

更新日:2022年03月12日

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コロナの影響を大きく受けている文化団体は、もがきながらも、試行錯誤の
活動を続けています。
そこで今年度1年間のおじろ通信では、「文化団体の暗中模索」をシリーズに
して活動の様子や思いを伝えます。

コロナ禍では「不要不急」の行動制限が求められます。文化活動は「不要ではない」との理解はすすみ ましたが、「不急でしょ」と言われると思いとどまることもしばしばです。
「暗中模索」のコーナーで挙げた団体・サークルの中には、会員の入れ替わりや、子どもたちの成長、 そしてチャンスはその時限りとなれば、「今の代替え」はなく、「今は今しかない」と焦り揺れ動き活動する ところがありました。
コロナ3年目に突入しましたが、文化活動の先送りにできない今を応援したいものです。

12) 斜里ジュニアバンド

今年度4月から「文化団体の暗中模索」コーナーでは、 コロナ禍で苦慮しながらも活動を続ける団体の様子 を紹介してきましたが、トリを飾るのは「斜里ジュニア バンド」。町内小学3年生から6年生まで26人が在籍し ています。顧問の先生方に話を伺いました。


ゆ)
コロナの影響を受ける中、子どもたちのモチベー ションはどのように維持してこられたのですか?

顧)
今年はコロナの波をすり抜けるように、年間予定 していた演奏会やコンクールに出場することがで きました。去年はほぼ全てが無くなり我慢の年だ ったことを考えると、今年は幸せだと子どもたちと 話しています。

ゆ)
コロナ禍の逆境を経験している子どもたちに、変化や成長を感じることはありますか?

顧)
今年の新入部員は14人いました。先輩たちは皆、去年の辛い経験をしています。コロナで予定していた本番が中止になっても、気持ちを切り替え、心折れずに前に進む力は、教員の心配をものともしませんでした。また今年の6年生はチームワークがとても良く、何か問題が起きた時は、自主的に話し合って解決しています。さらに子どもたちは練習が大好きで、休みになると「なんで休みなの?」とブーイングです。子どもたちのヤル気が私たちの原動力ですね。


取材した日は卒業演奏会の「通し稽古」。曲のおさら いをしながら、演出や出ハケ、お辞儀のタイミングまで 細かく確認していました。
練習を始める前に先生が子どもたちにかけた言葉 が印象的です。「本番前に自分の唇がどんなふうにな るか体験しておいた方がいいよね」と。演奏会は約 1時間。息切れしないかしら、唇は痛くならないかしら。 未知の演奏体験に、全力で臨もうとする子どもたちを 前に胸が熱くなりました。
コロナ禍で子どもたちが身に着けたという、気持ち の切り替えと前に進む力。いつまで続くのだろうと憂う 大人は恥ずかしくなります。
今はただ2月末の卒業演奏会が無事開催できること を願うばかりです。(2月10日 記)

11) ヒップホップダンスグループ  DRIFT  ICE

ゆめホールの舞台にとって1月といえば、第7回まで続いてきた「シレトコドリームダンス」が、ビッグイベントの一つでした。しかし令和元年(2020年)開催後、コロナの影響で2年連続中止に追い込まれました。
ゆめホールで活動するヒップホップダンスグループドリフト  アイス代表の久野夫妻に話を伺いました。


ゆ)
文化祭の集客勢いはすごかったですね。

久)
文化祭が久しぶりのステージだったので、親も祖父母も兄弟姉妹も、観たい人がいっぱいでした。発表できる場があるかどうかというのは大きい。
コロナ1年目、臨時休校時は活動できず、再開した時は集まって踊れるだけでも良かったのですが、やっぱり子どもは本番がうれしいです。メイクして衣装着て、観てもらうことが一番です。
2月の発表会はグループごと踊りの持ち時間が長く、ソロの踊りもあります。発表の機会があるとそれに向けてダンスを創っていくので、今の子どもたちのやる気は上がっています。

ゆ)
ダンスを創る?決まった踊りがあるのでは?

久)
ソロの踊りは子どもたちが自分で考えます。小学2年生以上は自分たちで創って発表します。

ゆ)
そんな低学年からあの複雑なステップとキレのある踊りを考える?! 子どもの力はすごいですね!


若い頃、給食センターの駐車場で夜な夜な踊っていた久野堅太郎さん。ヒップップかヒップップか当時学校の先生に尋ねたと笑います。今は間違う人はいません。子どもたちの憧れです。今後文化連盟にも加盟し、斜里の文化振興に努めたいと語っていました。

 

10) 知床手打ちそばやろう会

コロナ禍では、料理・試食を伴うサークルは活動に大きな影響を受けています。10月に緊急事態宣言が明け、活動を再開した「知床手打ちそばやろう会」さんの例会(月2回隔週)にお邪魔しました。


ゆ)
マンツーマンで教えあうんですね。

ソハ゛)
第1水曜日の例会は研修会で、少しでも上手になりたい人や、段位を目指す人が研修する日。第3水曜日は打って食べる日。打たなくても食べるだけの人もOKだから、そば好きが皆来ますよ。

ゆ)
打たざる者食うべからずじゃないんですね(笑)。例会ができない時は家で打っていたのですか。

ソハ゛)
そうだねえ。腕を鈍らせるなよって言いますよ。皆10月の活動再開を待ち焦がれていました。

ゆ)
2年連続産業まつりが中止で、腕の見せどころがなかったのは残念ですね。

ソハ゛)
以前は高齢者施設を訪問しましたが、今はそれもできません。しかし今年は2年ぶりに斜里高校のフードデザイン学習ができ、15名の生徒は真剣に初めてそばを打ち、試食では手打ちの美味しさを感じ喜んでくれました。
このまま例会が続けられることを願っています。


この日の”研修生”は4人。”先生”が傍らに付き、そばの状態と手さばきをじっと見つめながら、ここはというところで手本を見せます。研修生から時々「ハイっ」という返事が聞こえました。両者はとてもいい雰囲気で、尊重尊敬しあう理想の「師弟関係」。「そば愛」がいっぱいです。

9) 西川悟平コンサート実行委員会

「西川悟平コンサート実行委員会」が、12月12日(日曜日)の公演準備を進めています。
ゆめホールが実行委員長の上元いづみさんから、「西川さんのコンサートをしたいのですが…」と相談されたのは9月の半ばです。緊急事態宣言の真っ只中で、その先の公演を企画することはとても勇気がいることです。
ご自身にとって初めてづくしの公演主催。奔走する上元さんに話を伺いました。


ゆ)
「(公演を)やれたらいいなあ」が、「やる!」にかわった決め手は何ですか?

上)
東京で公演を観て感動し、実際に西川さんとお話をして、その人柄が親しみやすく、斜里でもコンサートができたらいいなあと思いました。その後、パラリンピックの閉会式で西川さんが演奏されるのを見たとき、東京でお会いしたご縁は、「私に斜里で公演をしろと言っているんだ」と、思えてしまったんです。

ゆ)
天の声が聞こえたわけですね。それにしても思い立ってから3か月。超スピード公演ですね。

上)
コンサートは特に中高生に聴いてほしいと思っていますが、雪の1月2月、そして3月は受験生にとって忙しくなるので避けたいと考えていた時、12月のホールに急きょ空きができました。西川さんのスケジュールも都合よく、全てがいい方向に進みました。

ゆ)
声をあげてから周りの反応はいかがですか?

上)
娘たちは「いいことだから協力するよ」と言ってくれました。

ゆ)
コンサートは子どもたちに聴いてほしいというお気持ちが強いですが、それはどうしてですか?

上)
西川さんのピアノは「奇跡の響き」と言われますが西川さんのお話を聞くと、それが決して奇跡ではないことがわかります。想像をはるかに超える努力で、「無理」と言われ続けたことを1つ1つ叶えてこられた結晶です。


斜里の子どもたちは、これからどんなことでも世界にはばたいていけます。自分で限界を決めず、可能性がいっぱいの未来へはばたいてほしいと思っています。 西川さんの生き方にはきっと勇気づけられるでしょう。ぜひ聴いてください。

8) 音楽部

「音楽部」? 初めて耳にする名前です。学校の部活動を思わせるストレートな名前ですが、いったいどんな活動をしているのでしょう。
「音楽部」は今年、文化連盟に新しく加盟し、町民文化祭に初出演します。会員の固定化や高齢化が課題となっている単位会が多い中、若いメンバーで新たに入る団体は貴重な存在です。代表の菅野勉さんに話を伺いました。


ゆ)
「音楽部」というネーミングは、ひとむかし前の「軽音グループ」をイメージしますが、どんな音楽を演奏されるのですか?

菅)
ジャンルは決まっていません。呼ばれて演奏することが多いので、その主催者の意向や、聴いてくださるお客さん層によって選曲します。

ゆ)
呼ばれるとは?

菅)
今はコロナの影響で出演は無いのですが、ウトロのホテルの立食パーティーやイベントの余興に呼ばれて、30分くらい時間をいただいて演奏していました。

ゆ)
すごい!プロ並みですね。メンバーは?

菅)
ギター1人、サックス2人、ベース1人、そして私はドラムです。他にマリンバが加わることがあります。それぞれ仕事があるので、メンバーは固定ではなくタイミングが合えばいっしょに演奏します。

ゆ)
「音楽部」結成のきっかけは何ですか?

菅)
私が中学生の時にゆめホールが建ったのですが、高校生になって友達とバンド活動をしていたとき、無料でリハーサル室を使わせてもらったり、公民館ホールでライブをしました。高校生だったのですごくありがたかったです。その後、私は札幌で音楽を学び、斜里に戻ってからは、町に恩返しがしたいと思って仲間と音楽活動を始めました。メンバーはそれぞれ教えられる技量をもっているので、大人でも子どもでも、音楽に興味をもってもら
えたら、いっしょに活動したいと思っています。

ゆ)
ゆめホールの存在が菅野さんの音楽活動の根幹にあって、恩返しをしたいと言ってくださるのはホール冥利に尽きます。今年はまだコロナの影響で例年より出演者が少ないそうです。音楽部の演奏で、文化祭を盛り上げてください。


 

7) 斜里町文化連盟

今年第62回を数える町民文化祭は、年に一回の開催なので、62年前に始まったと計算すれば簡単ですが、実はそうではありません。
斜里町文化連盟(以下文連)周年記念誌によると、昭和23年、24年に「産業文化展覧会」の名前で、生け花や盆栽、ストーンサークルの出土品、書画骨董などの品々を展示したことを、文化祭の始まりとカウントしています。
その後13年間空白があり、「文化祭」と銘打って復活したのは昭和37年。以来毎年開催されています。ということで、文化祭は第62回といっても、昭和23年から実に74年、長い歴史を紡いできたことになります。
この大切な文化の糸を、たかだか2年のコロナウイルスで途切れさせるわけにはいきません。昨年の文化祭は展示部門のみの発表でしたが、今年は舞台部門もそろって開催したいと準備を進めています。
文連事務局の本宮さんに話を伺いました。


ゆ)
コロナの影響がこれほどまで長く続き、文連に加盟する単位会さんの活動の変化をどのように感じていますか?

本)
コロナ禍でも展示部門の単位会は比較的活動ができている様子ですが、舞台系では集まることさえなかなかできない単位会もあります。
しかし、町民のワクチン接種も一段落したので、不安だらけだった1年前とは違い、明るい兆しを感じます。ただし、コロナ前のようには戻らないかもしれません。活動方法の見直しなど、気持ちの切り替えが必要なのだと思います。

ゆ)
まさに模索中の文化祭について課題は?

本)
町民文化祭は日頃から精進されている各単位会の貴重な発表の場だと思っています。年に一度の参加を楽しみにされている人も多いので、なんとか実施したい。
しかしながら、昨年は客席と舞台裏でのコロナ対策に割く人手を確保できず、展示部門のみの開催となりました。今年度は可能な範囲で舞台発表も行いたいと考えていますが、舞台裏の人手の確保が課題です。

ゆ)
文化祭でオンライン配信を活用することに、期待はありますか?

本)
究極のところ、無観客でも舞台発表を配信できるのはメリットなのですが、そもそも「観客」というのは「舞台」を構成するうえで欠かせない要素の一つです。「演者」がカメラの向こう側に居る観客を感じられるのか、僕にはまだわかりません。
ゆめホールに配信機材が導入されるのですから、今年の町民文化祭(有観客で実施予定です)で、ゆめホール側とオンライン配信の在り方を模索していくつもりです。
著作権の問題など課題は多いですが、この先、ゆめホールで発表する皆さんのノウハウの蓄積になればと思っています。

ゆ)
コロナ禍で文連の役割はどのように考えますか?

本)
コロナ禍でも変わらず日常は過ぎていきます。その中で、日々楽しみとしている趣味をコツコツと続けている皆さん、単位会の集合体が文化連盟です。文連が特別何かをできるわけではありませんが、皆さんの活動がいつまでも愉しく続けられるよう、陰ながらお手伝いできたらと思っています。

6)レイ・アロハ・フラ斜里サークル

鮮やかな原色の衣装に花の髪飾り、胸元でゆったりとループを描くレイがフラの象徴です。
事務室前を行き交うサークルの皆さんは、その華やかさが内面から湧いているような、練習前も後も楽しげな足取りです。
レイ・アロハ・フラ 斜里サークルの平賀さんと横山さんに話を伺いました。


ゆ)
ゆめホールを利用する大人のサークルとしては「 若い」 団体で、もっとも勢いがあると感じています。発足して何年になりますか?

レ)
今年10年になりますね。経験年数と子どものクラスに分けて5クラスあります。

ゆ)
昨年12月、コロナ禍で多くの舞台公演が中止となる中、レイアロハさんの発表会は身内のみとはいえ、大きなチャレンジでした。どのような気持ちでしたか?

レ)
一昨年の文化祭で、私たちの踊りにあこがれて入ってきてくれた子どもたちを、踊らせてあげたい気持ちと、大人も1年間練習した曲を舞台で発表してモチベーションをあげたい思いでした。

ゆ)
つい先日7月25日にも観客30名限定で、ホワイエを会場にミニ公演をされました。最高に暑い日でしたね、いかがでしたか?

レ)
楽しかったです。暑くてハワイみたいだと笑われました。今度はもう少し涼しい時期がいいですね。

ゆ)
皆さんをその行動に突き動かすものは何でしょうか。

レ)
舞台発表があることが一番なんです。ドレスを着て非日常の姿になると気持ちが上がります。はじめは人前で踊ることに躊躇しても、お花を付けて踊ってお客さんに喜んでもらうと、皆うれしくてハマってしまいます。
コロナの影響でイベント出演やボランティアで訪問することも無くなってしまい、踊る機会が欲しいです。

ゆ)
皆さんを虜にしたフラの魅力はなんですか?

レ)
いくら踊っても納得のいかない奥深さでしょうか。踊りを覚えても表現が難しい。もともと文字を持たない人たちが踊りで喜びや悲しみを伝えてきたので、意味をわかって感情を伝える難しさが、もっと上手くなりたいという気持ちにさせます。


きれいでゆるい踊りに見えるフラですが、実は中腰で足の筋肉はプルプル、マスクをして練習すれば息があがるそうです。
今の目標は文化祭。舞台発表ができることを願い、もっとフラの楽しさを広めたいと、お二人は輝かせていました。

5) 知床流氷太鼓

例年、町内外のイベントに引っ張りだこの「知床流氷太鼓」ですが、コロナの影響でイベントの中止が相次ぎ、出演オファーもなくなってしまいました。
ゆめホールでの活動が再開した7月上旬、練習にお邪魔したところ子どもたちが息を切らしながら練習。
そこで代表の小澤さんに話を伺いました。


ゆ)
体慣らしのアップとは思えない厳しさですね。10分間叩きっぱなしはきついでしょう。腰を落とした構え足も腕もビンビンに張りそうですね。

小)
そうです、きついですよ。まだまだリズムや音が安定しないので、この基本練習が大事なんです。

ゆ)
文化連盟加盟の単位会が行う「育てる事業」で、知床流氷太鼓体験会に参加した子が、その後もずっとを続けているそうですね。

小)
6年生の時に参加した子が今中学3年生。小学3年生の時参加して中学1年になった子がいます。以前は中学生から受入れていましたが、「育てる事業」で小学3年生以上を対象にしたことが、良い結果になっています。
昔の高校生は部活が終わってからでも、夜の練習に来ていましたが、今は体力がないのかそういう子は少ないです。小学生のうちから、体力や気持ちに合わせ育てています。

ゆ)
今の目標は?

小)
町民文化祭ですね。他に依頼があればいつでも出られるようにスタンバイしています

ゆ)
オリジナル曲「希望(のぞみ)」を、子どもたちが叩くのは初めて見ました。かっこ良すぎです。子どもたちに期待することは何ですか?

小)
今じゃなく、3年後くらいに花が咲くことですね。体が大きくなり、音の大きさもキレも良くなりますから。
もっと上手くなりますよ。


流氷太鼓練習する子供たち

「希望(のぞみ)」の演奏で、センターポジションに憧れ目標にする子どもたち。
「本番」でお客さんの前で叩く緊張、快感、達成感を味わったら、ますます上達するに違いありません。
彼らの初舞台には大きな拍手を!
小澤さんから「見学や体験は、いつでも大歓迎です」と熱いコールです。太鼓の響き体で感じてみてください。

4)斜里町芸術文化事業協会

斜里町芸術文化事業協会(以下「芸文」)は平成11年に設立し、今でも町外から問合せを受ける斜里町独自の特徴的な仕組みと役割があります。
(「芸文」の制度についてはこちらをご覧ください)

コロナの前は、年度の始めにその1年間に予定される公演を把握し、助成する金額の「心づもり」をしていました。
しかし昨年度から公演は激減しました。今の芸文の状況など、事務局の午来さんに話を伺いました。


ゆ)
芸文は今年度の総会を終えたばかりですね。

芸)
今年度、長い間お世話になった理事が退任し、新しいメンバーを迎えました。若い人に活躍してもらい、人脈を通して芸文の仕組み活用してもらいたいと思っています。

ゆ)
今年度、公演予定はありますか?

芸)
今はありません。申請は3カ月前までとなっていますが、コロナ禍では何カ月も先の公演企画は躊躇してしまいます。3カ月を切っていても支援の検討はしたいと思っているので、遠慮なく相談してほしいです。

芸)
私たちはいかに公演をやってもらうか、町の人たちのための支援なのでいつも応援の気持ちでいます。

ゆ)
ゆめホールのコロナ対応公演基準(客席2分の1使用)をワクチン接種後も継続するか、ゆめホールも協議していますが、芸文は支援基準や対象公演の見直しの考えはありますか?

芸)
今後はオンラインの活用について検討が必要になるのと思います。最優先されるのは町民です。オンライン配信を町民が楽しめるか、遠くの人がオンライン配信のチケットを買って観てくれるからといって、町民が観られなければ意味がないと思います。またその逆で、遠方の公演チケットを買った人が、パブリックビューイング式でゆめホールに集まって観ることも可能なのか、またオンラインコンテストもできるのかなど、検討は多岐にわたります。

芸)
今年度、町のアクションプランにそって支援対象経費から食糧費を削除しました。
町の予算を有効に使っていただくため、芸文の立場として止むを得ないと判断したところであり、厳しい予算の中で事業を実施する団体には頭が下がる思いです。

芸)
芸文は自ら公演を主催する団体ではありませんが、予算に余裕がある場合は主体となって公演を行う場合もあります。
希望する公演等がありましたら、近くの芸文理事さんにお伝えください。


 

3)劇団「みずなら」

「劇団みずなら」は、ゆめホール知床よりちょっと先輩(ゆめホールは今年満23歳)で、発足
から25年が経ちます。ゆめホール知床開館の周年記念公演「斜里町手づりシアター」では無くてはならない存在で、劇団の協力がなければこれまで幕はあがらなかったと言っても過言ではありません。
ゆめホールで活動する人たちの中では、「声」を出すサークルが大きな影響を受けています。
「劇団みずなら」の鹿野さんにコロナ禍で活動の様子を伺いました。


ゆ)
コロナの影響を受けて1年が経ちます。去年と今年では道内演劇界はどのように変わっていますか?

劇)
道内劇団はぼちぼちコロナ対策をしながら活動を再開し、札幌、苫小牧の劇団が公演を行い、江別もこれからというところです。いずれも公演は小規模で、観客は予約制にならざるを得ず、経営的には厳しいようです。

ゆ)
令和2年9月、ゆめホールで開催予定の「北海道演劇祭」はコロナのため中止となりましたが、その後の展望はいかがですか?

劇)
道内の劇団は、経営的に無理でもなんとかやる都市圏と、安全を優先して活動を停止している地方に分かれているのが現状です。
そのため、今年度の演劇祭は無理という判断をしています。

ゆ)
「 劇団みずなら」は、20歳代の団員が増え、2年前に彼らが主役の「みっつの窓からこんにちは」を上演しました。今こんな時期ですが、どんな活動をしていますか?

劇)
昨年その若手たちが仕事上斜里を離れたこともあって、現在はほぼ劇団発足当時のメンバーに戻った感があります。今はゆめホールでの公演を目指す状況ではないので、児童館でのミニ公演や、朗読劇、他の劇団と交流するZoomサロンなどを考えています。

ゆ)
気持ちがほっとするハートウォーミングな芝居が持ち味の「みずなら」さん。劇団のぼりがゆめホールに立つ日を応援しながら待っています。


 

2) 斜里バレエサークル「 シルフィード」

札幌から先生を招く斜里バレエサークル「シルフィード」は、昨年の全国一斉緊急事態宣言と、相次いで
出された札幌との往来自粛の要請によって、練習や行事スケジュールの変更を余儀なくされました。
昨年11月に予定していたおさらい会は急きょ延期。そのため、今月5月9日、半年遅れのおさらい会を行います。
4月、練習中のリハーサル室にお邪魔し、会代表の島津さんに話を伺いました。


ゆ)
子どもたちのマスクは、息が上がると鼻に吸い付いてキツそうですね。

島)
練習中は皆マスクを着けて、本番に踊る時だけ外します。ハァハァなるとマスクは苦しいですよ。でも先生も最大限の注意をして来てくださるし、皆、先生のレッスンの日を楽しみにしています。

ゆ)
先生が来られない間、練習はどうしていましたか?

島)
先生のレッスンは6月に再開しました。それまでの間、大人はレッスン動画を見たり、たんすの引き出しをバー替わりにして、自主練習をしたこともありました。
大人も子どもも体が硬くなって、筋力は落ちたかな…。重力に負けてしまうというか、体を上に引き上げる力が落ちました。

ゆ)
秋には、今年の分のおさらい会をしますか?

島)
いえ、文化祭があればそれが目標になります。
年に一度は子どもたちを舞台に立たせてあげたいです。

1) 斜里吹奏楽団

令和3年3月6日に行われた斜里吹奏楽団の「レギュラーコンサート2021」は2年越しの公演でした。
入場者は144人。 お客さんは「待ってました!」の気持ちでした。
公演前に石川団長と佐々木団員に話を伺いました。


ゆ)
1年前、「レギュラーコンサート2020」中止時の様子は?

団)
公演日2週間前に中止を決めました。緊急事態宣言を受けて学校が臨時休校になったことが決定打でした。学校関係者が多いのでしかたがないです。
いただいた協賛金はお返しし、そこまでの経費は赤字でしたねえ・・・。

ゆ)
その後の活動は?

団)
6月に活動を再開しましたが数人しか集まらず。イベントもコンクールもなく、個人の練習場所が無い人も いました。やる気を無くしていました。

ゆ)
今回、レギュラーコンサートを行うという最終決定は1月末でしたね。団員の気持ちは?

団)
前は公演前週に4~5回練習していたのに、今回は週1~2回。やりたいけど、コロナのため、家族のため家を出づらいのです。
公演開催に半信半疑の人もいましたが、 2度の中止は団存続の危機感がありました。バッタバタの準備でしたが、長年培った力が自然に出てきましたね。
来年は今回出場できなかった人も含め、出演者を増やしさらに頑張ります!


 

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