令和3年度町政執行方針

更新日:2021年10月01日

1.はじめに

令和2年斜里町議会定例会3月定例会議にあたり、新年度予算等の提案に先立ち、町政執行に臨む私の考えを申し上げ、議員の皆さま、そして町民の皆さまの一層のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
私は「情報共有・町民参加・協働」を基本原則とする自治基本条例の精神に則り、「幸せを実感できる住みよいまちづくり」の実現に向け、第6次斜里町総合計画を基軸とした町政を進めてまいりました。新年度も、みんなでつくる「幸せ実感!あったか斜里町」を政治理念に、2期目となった斜里町まち・ひと・しごと創生総合戦略をはじめとした重要施策を着実に実行してまいります。
令和2年度は、瞬く間に世界中に拡散した新型コロナウイルスに翻弄された1年でした。世界各地で都市封鎖が実施され、人影が消えた街並みの映像は、現実とはにわかに信じがたい光景でした。国内においても、感染拡大による二度にわたる緊急事態宣言の発出と、それに伴うさまざまな自粛措置など、感染防止と経済回復という相反する対応をしなければならないというこれまでにない困難な局面を経験しました。
グローバル化が進んだ現代社会において、まん延防止のために求められたさまざまな制限は、世界経済に深刻な打撃を与えただけではなく、日々の暮らし方や人と人との接し方そのものについても、変化を求められました。未だ収束を見通せないパンデミックは、さまざまな意味で社会全体を変容させつつあります。
一方、斜里町においても昨年2月26日に対策本部を設置して以来、まん延防止と経済対策を軸とした対応を行ってまいりましたが、新年度におきましても、最優先課題として国や道とも連携を取りながら町としての役割を果たすべく、対策を進めます。
何よりもまずは感染収束に向けた一歩として、国保病院をはじめ、町内外の医療機関とも連携を取りながら、町民へのワクチン接種に向けて万全の体制を整え、迅速かつ確実な接種を進めてまいります。またワクチン以外の感染防止のための対策や、観光業など疲弊した事業者への経済対策については、特に国や道の制度ではカバーできない部分について、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金等を活用して、必要な対策を講じてまいります。
また今回のコロナ禍で、他国と比較して社会全体のデジタル化対応への遅れが国全体の課題として露呈しました。町内においても国の支援を受けて、未整備地区への光回線整備によるデジタルディバイドの解消とその活用、学校現場における一人一台端末の活用、行政事務のデジタル化対応等を進めてまいります。
その他、さけ・ます資源の減少と漁獲の不安定化、ジャガイモシロシストセンチュウ対策など一次産業をめぐる新たな課題、国保病院の経営改善等の継続的課題については、引き続き緊張感をもって課題解決に向けて取り組んでまいります。
令和2年度の執行方針では人口減少、少子高齢化による社会構造の変化への対応を課題として述べさせていただきましたが、それに加えて新型コロナウイルスの流行は、否応なく社会に大きな変容をもたらし、今後感染収束を迎えても流行以前の社会にはもう戻らないという指摘もあります。変化の時代を迎える中で、今後それに対しどのように対応していくのかが、地域にも問われています。いち早く個人、地域、世代、産業の関係性を組み立てなおし、構造変化が一層進む中でも持続可能な地域社会を再構築する必要があります。
これらの課題、難局を乗り越えるためには、行政のみならず、町民の皆さまのご理解とまちづくりへの積極的な参画なしには実現し得ません。町長就任以来、一貫して町政運営に大切なものは、町民の皆さまとの信頼と考え、町政に対する多くの声をお聴きし対話する中で、協働のまちづくりを進めてまいりました。町民の皆さまと行政がより強くがっちりとスクラムを組みながら、「強い一次産業」、「豊かな自然環境」といった斜里町の強みを生かし、更にその価値を高めてまいります。

2.私のめざすまちづくり

【「幸せを実感できる 住みよいまちづくり」を確実にすすめます。】

(1)命の誕生から始まる、子どもたちの健やかな成長を支援します。
子どもは「地域の宝」「未来を担う宝」であることから、ご家族だけではなく地域住民も一緒に子どもの成長を見守り続け、子育ての喜びと悩みを共有しながら支えていく環境が必要です。これまで取り組んできた各種の子育て支援事業を継続するほか、「妊産婦安心出産支援事業」等に取り組みます。
また、少子化の中で、妊娠・出産、乳幼児期から学童期と子どもに関わる各ステージを通じた切れ目のない多様な相談支援窓口となる子育て世代包括支援センターの設置に向け、通園センターをはじめ、保育、教育、生活支援などに関係する各機関が連携し、障がいを持ったお子様の成長に合わせた支援や子育て環境の充実を図ってまいります。
さらに、保育所や児童館等の人員確保に努め、安定的な運営をめざし、地域や民間での「子ども食堂」開設への相談支援に取り組んでまいります。
学校教育においては、専門的な知識や技術を有する職員を教育委員会や学校現場に配置し、学力や授業力の向上のほか、学校が抱える様々な課題への対策を進めます。
また、児童・生徒の通学環境を整えるとともに、時代に即した「学校ICT化」を計画的に進めるなど、学校力向上の取組の支援や、学校施設の整備・更新に努めてまいります。
社会教育においては、各社会教育施設で行われる生涯学習のための講座、児童・生徒を地域で育む様々な活動、さらには保健福祉との連携や他分野との交流などを通して、子どもたちの健やかな成長と若者の人材育成を進めます。

(2)健康寿命から幸せ寿命に、みんなで健康づくりをすすめます。
「病気にならず、健康寿命が延び、自分は健康である。」と思えることが、「幸せ」を実感できる最も重要な指標であります。
健幸ポイントを導入した「健康意識向上事業」に加え「介護ボランティア健幸ポイント事業」を導入し、自らが健康を守る行動変容につなげて健康寿命を延ばすことを目指すとともに、早期発見・早期治療につなげる健診・検診の受診率の向上、認知症高齢者支援事業を新設し、認知症対策の取組みなど「健康づくり推進事業」を一体的に実施しながら、「第2期斜里町健康増進計画」や「データーヘルス計画」に沿った取り組みを進めてまいります。さらに「健康推進条例」や健康増進施設の活用を引き続き検討していきます。
また、地域住民と共助・協働の中で生きがいを持ち続けながら、「幸せ」を実感していけるようみんなで楽しみながら健康づくりを進めてまいります。

(3)みんなから頼られる病院づくりをすすめ、安全安心な福祉社会をめざします。
地域医療を取り巻く環境には、依然として多くの課題が山積しており、その中でも特に顕著なのが慢性的な人材不足と高齢化の進行であります。2025年には団塊の世代が75歳を迎え、医療や介護の需要は今まで以上に高まっていくことが予想され、医療機関では限られた資源をより効果的・効率的に活用していくことが求められています。
国保病院があることにより町民が住み慣れた地域で安心して暮らせることにつながり、「病院がある」ということそのものが地域の財産でもあります。地域にとって「なくてはならない病院」として存続していくためにも「経営改善に向けた緊急的な取り組み」の基本目標であります「適正規模・業務効率化(タスクシフティング)・適正配置」の達成に向けた取り組みを着実に進めるとともに、町民から「頼られる病院づくり」、かかりつけ医として「選ばれる病院づくり」に引き続き努めてまいります。
また、令和2年4月に設置をしました「地域連携室」を中心として、北網圏域内の医療機関・介護施設などとの連携は勿論の事、町民との更なる連携強化に努めてまいります。

(4)光輝く産業の振興、観光地域づくりをすすめます。
斜里町は、知床しゃりの自然の恵みを活かした農業・漁業・観光の3つの基幹産業を中心とする力強い産業構造を築いてきました。国内外問わず熾烈な競争がある中、効率化や合理化、技術革新などにより対応してきましたが、個々の産業分野としては生き残れたとしても、雇用や人口が減少し、地域そのものが衰退していくような情勢となってきました。
このような状況に立ち向かっていくために、個別産業分野の振興・支援を継続しつつも、経済界の総力を挙げた「オール斜里」の体制で、地域資源の魅力や価値を一層引き出し、経済の裾野を広げ、地域全体が活性化するような様々な施策を展開してまいります。
特に第一次産業と商工業・観光産業との連携を一層深め、新たな商品やサービスの開発はもとより、地域振興に資する事業展開の中核となるよう「地域プラットフォーム」の設立の動きを支援してまいります。
農業については、農業・農村振興計画に基づく着実な施策展開、国営事業や道営事業による自然災害に強い農業基盤の構築をはじめ、農作業の省力化や効率化に資する農業機械等の近代化や酪農ヘルパー組合など労働負担軽減に向けた取り組みを支援し、人手不足や高齢化などの生産現場の課題解決に努めてまいります。
また、一昨年、町内で発生が確認された重要病害虫「ジャガイモシロシストセンチュウ」については、引き続き関係機関と連携した緊急防除作業の実施やまん延防止対策に取り組んでまいります。
漁業については、ウトロ漁港における「特定漁港漁場整備事業」を継続させ、安全に効率の良い作業を行うことが出来る漁港環境の整備に努めてまいります。
また、サケ・マス資源については、ふ化放流の推進に加えて、自然産卵資源の増大に取り組み、付加価値向上に向けた取り組みも進めます。
観光については、観光振興計画に基づく着実な施策展開、特にブランディング事業と地域プラットフォームの事業構想づくりに取り組み、個人型・体験型・滞在型・国際型観光地への円滑な移行を進め、観光地の魅力の向上に取り組んでまいります。
また、これら施策をより確実に展開するため、宿泊税の導入に向け北海道をはじめとする関係機関との協議を進めるとともに、条例の制定やその財源を活用した投資ビジョンの作成と共有に努めます。
商工業では、商工業振興計画に基づき、小規模事業者の経営環境をサポートする体制を拡大させ、事業承継や創業に結び付くような取り組みを進めてまいります。

(5)人と自然が共生する豊かな環境づくりをすすめます。
斜里町の豊かな自然環境は、町民生活や基幹産業の基盤となるものであり、その価値を損なうことなく次の世代に引き継ぐ必要があります。そのためには、保全と利用の調和を図りながら、持続的に活用できるように必要な手立てを講じていかなければなりません。世界自然遺産を有する町として、町民はもとより、多くの知床ファンの共感を得られるような施策を講じてまいります。
水環境の保全は町民の暮らしや基幹産業に密接に関係します。河畔林の保全など、流域全体の河川環境の保全のためのしくみづくりを関係機関と連携しながら進めます。
野生生物と住民の生活、産業との軋轢を軽減するために、地元猟友会や関係行政機関とも連携をとりながら、予防を重視した被害対策、安全対策を進めてまいります。
国立公園内においては、リニューアルされた自然センター及び周辺の幌別地区の活用やカムイワッカ地区での試行事業の検討など、関係行政機関・団体と協力を行い、国立公園内の新たな魅力の発掘や底上げを図り、自然環境への影響に配慮したエコツーリズムの普及を進めます。
また、知床五湖園地への一極集中による混雑緩和と利用者の利便性や満足度の向上のため、自然センターをハブとした魅力的なシャトルバスの運行等、MaaS(Mobility as a Service = 交通手段による移動を一つのサービスと捉える新たな概念)の発想を取り入れた移動サービス提供を関係機関と連携して取り組んでまいります。

(6)安全・安心・快適なまちづくりをすすめます。
斜里町地域防災計画が、より現場実態に則したものとなるよう見直しを行うほか、補完する各種計画などの整備を進めます。また、引き続き避難行動要支援者支援体制の整備に向け取り組んでまいります。
町の防災拠点である総合庁舎については令和2年度に耐震化工事が完了し、非常用発電機の設置とともに災害対応施設としての機能を果たすものとなりました。今年度はウトロ香川の送水ポンプ場に非常用発電機設置に必要な建屋を建設するほか、町民への防災意識向上のためのより実践的な総合防災訓練実施に取り組みます。

(7)「地域創生」を継続し、まちの応援団=「関係人口」を増やします。
知床世界自然遺産を有し、自然環境に恵まれた斜里町は、しれとこ100平方メートル運動といったこれまでの実績もあり、関係人口をさらに拡大しうる可能性を秘めているといえます。国の総合戦略においても、「地方へのつながりを築き、地方への人の流れをつくる」ことが基本目標として掲げられ、さらにコロナ禍によって分散勤務やテレワークが注目されています。
第2期総合戦略においても重点施策としている「観光ブランディング強化事業」、「テレワーク推進事業」をさらに発展させるとともに、新たに拡充したふるさと納税を通じた寄附者とのつながりも大切にしながら、新たな関係人口の創出、拡大を模索します。
また、地方創生拠点施設整備事業交付金を活用して整備を終えた産業会館の有効な活用を図るべく、町内外の事業者の連携の機会を増やし、新たなまちづくりの発想やその担い手が生まれる場として活用してまいります。

(8)行政改革をすすめ、「ほめられる役場」をめざします。
幸せを実感できる町政をめざして、常に町民本位、町民のためのという意識と行動を日々の業務において徹底するとともに、町民との対話に基づいた情報共有、現場重視の姿勢を大切にし、開かれた町政を推進します。
また、昨年の秋には、町民懇談会を開催し、第6次斜里町行政改革実施計画アクションプランで具体的な改革プランをお示しさせていただきました。今後も逐次町民の皆さんと情報共有の機会を持ちながら、行政改革を進めてまいります。
さらに、第6次斜里町総合計画のめざす「幸せを実感できる住みよいまちづくり」を実現するためには、斜里町にかかわる全ての人や団体が主体的にまちづくりに参画していただき、それぞれの立場を乗り越えて力を合わせて取り組む必要があります。その仕組みとして「無作為抽出の公募委員登録制度」を活用し、行政活動全般における町民参画の機会づくりを進めてまいります。

3.令和3年度の事業展開

令和3年度の事業展開については、第6次斜里町総合計画の7つの基本目標に沿って申し上げます。
第1は、「自然と共に生きることができる住みよいまちをめざす」についてであります。
斜里町は、「みどりと人間の調和を求めて」を一貫したまちづくりの基本理念として掲げ、町政運営を進めてきました。世界自然遺産地域を有する恵まれた自然環境の保全は、地元自治体としての責務であり、農業・漁業・観光といった基幹産業を持続的に発展させる上でも重要です。
このような観点から、斜里町の環境施策を総合的かつ計画的に推進することを目的として、「斜里町環境基本計画」に基づき、行政、事業者、町民が一体となって、これまで以上に環境面に配慮した施策を確実に推進します。

それでは、この分野の具体的な事業展開について、以下大きく2点に分けて申し上げます。

1点目の「人と自然が共生する豊かな環境づくりの推進」について、
自然環境の保全と適正利用の推進では、「100平方メートル運動の森・トラスト」について、これまで以上に運動参加機会の浸透を図り、国立公園内の開拓跡地の自然再生を着実に進めます。
「知床自然センター及び周辺整備」については、リニューアルによる施設の有効活用を図り、世界自然遺産・知床の魅力と価値、保全のためのルールとマナーを広く発信するほか、幌別園地からカムイワッカ地区も含めた移動体系の最適な運用方法のあり方を関係機関・地域と連携協力して進めてまいります。
野生生物の保護管理の推進では、知床財団と地元猟友会を主体に予防原則に基づいた対策を進め、野生動物との距離をとる重要性を伝える普及啓発活動を関係機関と連携し、ヒグマやエゾシカをはじめとする野生動物と観光客・地域住民とのあつれきの軽減に努めてまいります。
生活環境の保全では、私たちの暮らしや基幹産業に密接に関係する水源の保全のため、河川環境の保全や普及啓発を関係団体と連携を図りながら進めてまいります。町民一人ひとりが環境負荷の軽減を常に心がけ、日頃の事業活動や生活の中で実践していくことも大切であり、町民と行政が一体となって良好な生活環境の保全に取り組みます。

2点目の「持続的発展が可能な循環型社会づくりの推進」について、
地球温暖化防止対策の推進では、再生可能エネルギー等の積極的な活用や、エネルギー使用の効率化によって、温室効果ガスの排出量を削減していくことが必要です。「斜里町地球温暖化防止実行計画」に基づき、町内の公共施設のほか、公用車等においても二酸化炭素排出量の削減に努めます。また、その他の再生可能エネルギーに関する情報収集に努め、住宅用太陽光発電システムの設置補助事業など、町民の取り組みに対する支援を継続して進めてまいります。
ごみの減量・資源化の推進では、町民一人ひとりの協力を得ながら、ごみの減量化とごみ排出量の抑制に取り組む必要があります。町民の皆さんへの分別の徹底と、生ごみ水切りのお願い、ごみ分別のルールの理解などを進めることで、環境負荷の少ない循環型社会の実現をめざします。
適切なごみ処理の推進は、町民生活を快適なものにするうえで極めて重要です。発生するごみを適切に受け入れ、できる限り資源として循環させる取り組みを進めていく必要があります。エコクリーンセンターの各設備の保守点検・修繕を計画的に実施しながら、バイオ燃料の安定的な利用先確保に努め、安定稼働に向けて課題解決の取り組みを全力で進めてまいります。また、一般廃棄物処理基本計画の策定に向けた取り組みにおいては、将来の広域的なごみ処理についての検討も進めてまいります。

第2は、「足腰の強い産業をめざす」についてであります。
斜里町の経済は、恵まれた自然環境の恩恵を受けた農業・漁業・観光業という3つの基幹産業を中心に、商工業を合わせて、今後も更なる発展が求められています。
今後も人口減少や少子・高齢社会と相まって、国内市場の規模縮小が予想されているなか、町内経済、産業の発展のためには、確実な基盤整備と資源の持続的活用が求められています。
このような中で、「斜里町まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づく地域ブランド「知床しゃり」のイメージ戦略を中核とした産業連携を深め、新たな付加価値の創造と、町内外の企業との連携などによる新たな事業展開の構築が重要です。

それでは、この分野の具体的な事業展開について、以下大きく3点に分けて申し上げます。

1点目の「力強い産業基盤の構築」について、
産業基盤の整備は、農林水産業における生産基盤をはじめ、商業や観光などでも力強い産業基盤を構築していくために、多様な資源の適正利用を図り、資源を枯渇させない再生力を高めることが重要です。
農業については、国営「宇遠別川地区」施設機能保全事業による基幹排水路整備や、道営事業による農地基盤整備、農道保全整備を推進し、生産性の向上と農作業の効率化を図るとともに、既存の農業水利施設等について、基幹水利施設維持管理事業や多面的機能支払交付金を活用した、適切な維持管理、保全活動の推進に努めてまいります。
斜里右岸地域から飽寒別地域にかけての農業排水対策については、国営かんがい排水事業の早期着工をめざし、国の地区調査事業への協力と調整に努めてまいります。
また、斜網地域畑地かんがい施設の維持管理費軽減を図るため、緑ダムの包蔵水力を活用した小水力発電施設の整備を関係市町とともに進めてまいります。
林業については、森林が有する公的機能の維持と森林資源の循環を図るための整備を計画的に進めていくことが重要となっています。
町有林の管理については、町有林管理調査結果に基づいた森林施業を進め、適期に主伐と植栽、下刈、間伐の森林施業が出来るように森林サイクルを継続してまいります。
また、民有林の振興については、森林環境譲与税を活用した「斜里町みどり豊かな森林環境整備促進事業」を創設します。森林環境譲与税を活用して、従来の植栽や徐間伐、下刈り事業に冬季施業や境界調査を加えた補助を行うこととし、さらに国や道の予算に左右されない安定した仕組みとすることで、森林整備の促進を図ってまいります。
漁業については、ウトロ漁港において「特定漁港漁場整備計画」による静穏度対策等の漁港整備を促進するとともに、不足している用地や船揚場の整備に向けて、関係機関との調整に努めてまいります。
斜里漁港と知布泊漁港については、老朽化している施設が多いことから、機能保全計画による施設の長寿命化対策を推進してまいります。
サケ・マス資源については、ふ化放流事業への支援を行うとともに、関係団体等と連携しながら、自然産卵環境保全拡大事業にも引き続き取り組んでまいります。また、「鮭日本一のまちで、鮭が遡る川を復活させたいプロジェクト」として、ガバメントクラウドファンディングでのふるさと納税の呼びかけも行ってまいります。
商工業については、商工業振興計画を踏まえ、令和元年度に開始した小規模事業者への経営支援策であるビジネスサポート事業を拡大させ、商工会や金融機関はもとより、札幌の支援機関と連携した経営相談体制の充実に取り組みます。
また、地域プラットフォームの事業構想づくりにも参画し、公益的・共益的な商工事業のあり方を模索し、円滑な事業実行体制の構築を支援してまいります。
観光については、観光振興計画に基づく事業展開を加速させるため、道内情勢を踏まえつつ宿泊税の導入検討を急ぎ、その新財源に基づく投資ビジョンを描き、早期の円滑な制度導入と事業執行に向けた準備作業に取り組んでまいります。
また、商工業同様に、プラットフォーム形成を全面的に支援し、満足度の高い観光地域づくりや新たなサービス開発に取り組んでまいります。

2点目の「知床しゃりの展開」について、
雄大な自然環境の中で育まれる、安全安心のクリーンな産業イメージを追求していくことが重要です。
農業については、引き続きジャガイモシロシストセンチュウのまん延防止対策や関係機関と連携した緊急防除作業に取り組むとともに、適切な情報提供を通じて今後も風評被害防止に一層努めてまいります。
また漁業については、平成30年度から取組みを始めた「鮭、日本一のまちPR事業」を推進し、ホテル等と連携しての食を通じた発信やウトロ鮭テラスの情報発信により、鮭の付加価値向上と漁業の観光資源化に努めてまいります。
商工業については、新たなブランドイメージによる認証品のPRや販売力を強化するほか、企業イメージの向上や付加価値の高い商品開発を支援してまいります。また、農業・漁業と連携して地元食材の魅力の積極的な発信を進め、消費拡大や地産地消の推進に取り組んでまいります。
観光については、ブランディング強化事業を中心に、知床観光のブランド力の向上や、プロモーション力の強化に努めるとともに、エコツーリズムを中心とする体験プログラムの開発と定着を支援し、引き続き連泊滞在の促進に努めてまいります。
そして、マーケティングやブランディングに基づく戦略的な地域づくりをめざして、産業連携を基盤とした地域プラットフォームの事業構想づくりを支援してまいります。

3点目の「担い手の育成と確保」について、
ほぼ全ての産業分野で人手不足が深刻化してきていることから、雇用環境の変化への対応と、町内事業所の円滑な人材確保を図るため、ハローワークの求人情報の提供や、町内事業所への情報提供、合同企業説明会の開催などに引き続き取り組んでまいります。
農業については、国の経営所得安定対策への対応をはじめ、各種制度資金の活用や農畜産物の生産振興に向けた経済団体の取組支援を引き続き実施していくほか、認定農業者等が主体性と創意工夫を発揮しながら経営発展できるよう生産施設の近代化や農業機械の導入を支援してまいります。
また、労働力不足や経営規模拡大に対応したスマート農業の普及、担い手対策に取り組んでまいります。

第3は、「快適なまちをめざす」についてであります。
斜里町では、これまで様々な社会資本整備を行い、快適な町民生活の実現に取り組んでまいりました。
しかし、一方では道路・橋梁などの老朽化が進んでおり、これらの社会資本の長寿命化を図るための計画的な維持管理に努める必要があります。
また、人口減少と高齢化による空き家の増加といった課題や、高齢者に配慮したまちづくりも求められています。

それでは、この分野の具体的な事業展開について、以下大きく2点に分けて申し上げます。

1点目の「快適に暮らせる住環境の整備」について、
高齢社会に配慮したまちづくりや防災の視点から町内における都市機能の整備が求められており、地方道路長寿命化事業については、都市計画区域内の7路線の整備をはじめ、老朽化した公園施設の整備については、中斜里農村公園の木製遊具と滑り台の更新を進めてまいります。
また、民間住宅の整備については、快適住まいのリフォーム事業を継続し、令和2年度から新たに追加された中古住宅購入に合わせたリフォームを行うことで、空き家の利活用の推進を図るとともに、従来の情報提供にも努めてまいります。
町営住宅については、町営住宅等長寿命化計画に基づき、ウトロ香川団地の解体やかえで東団地の改修事業を進めてまいります。

2点目の「快適に暮らせる社会基盤の整備」について、
町道の整備については、羅萠道路及びウトロ環状道路の整備をはじめ、産業用道路としての中斜里6号道路の整備に着手するとともに、道路ストック総点検に基づいた計画的な保全対策を行い、道路性能の回復を図ってまいります。
また、老朽化した橋梁についても引き続き、橋梁長寿命化修繕計画に基づいた計画的な事前補修として、東富士橋の修繕を引き続き実施するとともに、損傷が著しく現在通行止めとなっている三井橋の改修を進めてまいります。
冬期道路交通の確保については、降雪状況に応じた効率的な除排雪に努めるとともに、国道、道道の各管理者との連携強化に努めてまいります。

第4は、「安全安心なくらしをめざす」についてであります。
安全安心な暮らしのためには、生活に欠かせないライフラインを維持し、様々な災害に対する事前の備えができていることが重要です。
特に、町民生活にとって欠かせない上下水道の安定的な維持に努めるとともに、救急救命や防火・防災のための体制強化を図っていかなければなりません。
また、全ての町民にとって交通事故ゼロの願いは特に重要です。交通安全意識の高揚を図り、交通事故死ゼロの取組みを徹底していく必要があります。さらに、町民のみなさんが犯罪や交通事故の加害者、そして被害者のどちらにもならないようにしていくために関係機関とも十分な連携のもと、安全安心なくらしを守る取り組みを進めてまいります。

それでは、この分野の具体的な事業展開について、以下大きく4点に分けて申し上げます。

1点目の「命とくらしを守る防災体制の整備」について、
発災時の被害の縮小や大規模自然災害への対応力強化を図るため、地域の強靭化を目的とした斜里町国土強靭化計画の策定を行ったほか、町の防災拠点となる本庁舎耐震化工事も完了したところです。
さらなる防災体制の構築のため、今後も現場実態に則した斜里町地域防災計画となるよう検討を進めていくことだけでなく、補完する各種計画などの整備を図るほか、引き続き避難行動要支援者支援体制の整備に向け取り組んでまいります。
災害に強い社会基盤づくりでは、避難所機能の強化を図るため、市街地の中心的な避難所であるゆめホール知床に発電機を設置したほか、消防倉庫に段ボールベットや簡易間仕切りなどの備品整備を進めています。また、農地をはじめ市街地域の防災・減災につなげるため、右岸排水機場などの基幹水利施設や設備の適切な維持管理に努めてまいります。
防災対策の充実と意識の向上については、災害に備え被害を最小限にするため、自主防災組織の結成や育成を支援し、また、出前講座などを積極的に活用しながら、日々の防災意識の普及・啓発を図るとともに、あわせてメールやSNSなどによる情報連絡手段の充実に努めてまいります。

2点目の「水を守る安定した上下水道の整備」について、
町民の生活に密接にかかわる上下水道に関しましては、引き続き健全経営に努め、安定的な運営のために必要な整備を進めてまいります。
下水道事業特別会計では、公営企業会計の適用に向け、持続可能なストックマネジメントや料金改定を行う中で基盤整備を図ってまいります。
水道事業では、安全で安定した飲料水の供給を行うため、配水管布設替工事を引き続き実施し、浄水場等施設の適正な維持管理に努めます。また、無水地区における飲料水安定確保のため、各戸の生活用水施設に必要な支援をしてまいります。
汚水処理事業については、公共下水道未整備地区の解消工事を実施するとともに、処理場等施設の適正な維持管理に努めます。また、合併浄化槽の普及促進についても設置に必要な支援策を継続してまいります。

3点目の「命を守る消防救急体制の充実」について、
消防施設・設備と組織の充実については、災害対応の拠点施設となる消防庁舎及び、災害情報の収集・発信に必要な通信指令システム、消防救急デジタル無線が整備され、これらの継続した維持管理に努め、更なる効率的な運用、迅速な出動態勢の整備を図ります。
また、消防・救急体制の充実、強化では、火災や多種多様化する災害に対し、迅速かつ的確な対応をするために、各種災害対応資機材を積載した高機能なタンク車が配備され、更に消防水利の少ない地域で長時間の放水活動ができる大型水槽車の配備を行います。
救急体制の充実では、高齢社会の進展や複雑多様化する傷病者の対応を図るため、オホーツク圏の医療機関と連携し、救急救命士に求められる高度で専門性の高い知識、技術の習得に努めます。また、ドクターヘリの有効活用を図り、救命率の向上を目指します。
防火意識・救命知識の向上では、火災発生の抑制、傷病者の苦痛の軽減と救命率の向上が求められていることから、火災予防の啓発や、応急手当の技術研修などに努めてまいります。
また、地域住民に最も身近な存在である消防団を中核とした、地域防災力の充実強化のため、研修や訓練等を通して消防団の重要性を改めて認識していただき、装備などの充実を図り、消防団活動の活性化を進めてまいります。

4点目の「くらしの安全安心の推進」について、
町民のみなさんが安全安心なくらしを維持していくためには、犯罪のないまちづくりと交通事故防止についての取り組みは重要です。
交通事故死ゼロの想いは全ての町民の願いであり、特に幼い子どもたちを交通事故から守るため、「チャイルドシート貸与事業」に取り組みながら交通安全普及にも努めておりましたが、今年度からは、里帰り時など短期間での貸与に限定して運用してまいります。
近年はSNS等を利用した悪質商法、電話などで居住状況を確認したうえでの犯罪など、手口も巧妙化して、悪質な犯罪に結びつく事案なども見られます。子供だけでなく大人も犯罪に巻き込まれる事態でもありますので、犯罪の未然防止のために地域が一体となって見守りや意識啓発の取り組みを関係機関や団体とも連携を強化して進めてまいります。
また、架空請求やカード被害などの事案が増加していますので、消費生活相談窓口の継続、さらに消費者協会とも連携しながら消費者の立場になった相談体制の維持、人権擁護、行政相談員など相談窓口の体制の連携により、町民生活を支援する取り組みを進めてまいります。

第5は、「いきいきと自分らしく健やかに暮らせるまちをめざす」についてであります。
斜里町の高齢化率は34%を超え、3人に1人が65歳以上となる中で「高齢者施策の見直し」等を行いながら、「子育て環境」への施策の充実を目指していきます。さらに高齢者の医療、介護、福祉への需要の増とともに、障がいを持つ方や生活困窮家庭など、高齢者福祉同様に支援策が求められています。障がいを持つ方が住み慣れた地域で安心して暮らすための切れ目ない支援を提供するため、地域生活支援拠点の機能をもつ「基幹相談支援センター」について、斜網地区の1市4町の区域で共同設置を進めます。
町民が健康で住み慣れた地域の中で、いきいきと自分らしく、いつまでも安心して暮らせるまちづくりのため、地域包括ケアシステムの深化・推進及び地域共生社会実現を目指し、医療・介護・福祉における様々な施策並びに施設などの充実と、医師をはじめとする医療従事者、介護従事者等の人材確保と、周辺でサポートする人づくりを進めます。
国民健康保険制度については、北海道の保険料水準の統一に向けて、平準化に努めていきます。さらに、データーヘルス計画に基づく取り組みの推進や生活習慣病の重症化予防など健康増進に努め、医療費の適正化に努めてまいります。

それでは、この分野の具体的な事業展開を、以下大きく4点に分けて述べさせていただきます。

1点目の「いつも元気に安心して暮らせるまちの実現」について、
少子高齢化・人口減少が進む中で、「患者の住み慣れた地域や自宅での生活」のための医療、地域で支える「地域完結型」の医療へ重点を移していく必要があります。地域に根ざした国保病院が持っている医療資源を最大限に活用するため、「地域ハブ機能」としての機能を強化します。また町民と医療従事者が地域医療についてともに考える場の設置など、地域に密着した活動に努めてまいります。更に、「網走厚生病院脳神経外科」の運営など斜網地域の二次・北網圏域の三次救急体制を支援してまいります。
国保病院では、医師をはじめとする医療従事者の適正配置に向けて、引き続き旭川医大・北大・札幌医大などの関係機関との連携や民間紹介事業者の活用を図り、救急医療など、安定した「医療サービス」の提供に努めてまいります。
また、令和2年4月に設置をしました「地域連携室」の取り組みを通して、今まで以上に「中核病院・介護施設」などとの連携を強化するとともに、「病院だより」・「病院ホームページ」などにより、積極的に病院情報の提供を行うほか、地域に密着した活動を進めてまいります。
さらに、「人工透析」の安定稼動、「外来患者」の投薬を「院内処方」から「院外処方」に変更するなど、引き続き、安心で安定した「医療サービス」の提供に努めてまいります。
加えて、「経営改善に向けた緊急的な取り組み」に基づき、外来では「診療体制」の適正化、入院では「病床機能・病床数」の適正化に取り組み、「経営」の改善と「医療の質」の向上を目指します。
その他、「健康意識向上事業」として、町民の健康意識向上のため「健幸ポイント事業」などを継続し、各種がん検診の対象者に対する個別勧奨やクーポン券により検診受診率の向上を図ることで、がんの早期発見に貢献してまいります。
これまでの小児への各種ワクチン接種や、高齢者に対する「肺炎球菌ワクチン」等の接種を継続するほか、予防接種法の改正を受けて、「新型コロナウイルス感染症ワクチン」接種に向けた取組を確実に進め、疾病の重症化予防や感染症のまん延予防に努めていくとともに、「データーヘルス計画」に基づき、効果的効率的な保健事業を推進してまいります。
国民健康保険制度については、北海道の定める運営方針に沿って、昨年から着手している賦課方式の見直しを継続し、さらに賦課割合の変更と法定外繰入の解消を行い、統一保険料を目指していきます。
また、高齢者の長寿・健康増進に対する取り組みである「人間ドック助成事業」は、後期高齢者広域連合では廃止されましたが、今年度からは町独自で支援して参ります。

2点目の「気持ちの通う高齢者福祉の充実」について、
高齢化と長寿命化の同時進行に対応して、これまで継続してきた「高齢者施策の見直し」を行いながら、介護予防施策の充実と持続可能な制度への「再構築」を進め、安心して命を守ることにつながる「網走厚生病院脳神経外科」や「救急医療体制整備」など医療体制整備に努めてまいります。
さらに、「認知症初期集中支援チーム」などの認知症対策の取組みを強化し、自治会等で実践されている「いきいき百歳体操」を更に広めるとともに、介護保険事業の健全な運営、介護サービスの充実、「地域おこし協力隊事業」を導入し、介護職場の人材不足の緩和に努めてまいります。
また、「生活支援体制整備事業」を通して、生活ニーズと課題解決に向けた検討を行い、医療施設や介護施設のボランティアをはじめとする地域住民の自主的活動を支援するとともに、児童・生徒向けの福祉・介護体験機会の提供に努めてまいります。

3点目の「一緒に支え合う地域福祉の充実」について、
支援が必要な人に対して地域全体で支え合う、地域共生のまちづくりをめざし、「斜里町民生委員児童委員協議会」が取り組む協力員制度への支援や「斜里町社会福祉協議会」などと協力して地域支え合いを進める仕組みづくりに努めます。
また、地域福祉の充実をめざして「第2期斜里町地域福祉計画」のモデル事業に取り組んで「ふれあいネットワーク」を推進していきます。
障がい者への総合支援を行い、障害者優先調達方針を定めて社会参加を促進し、障がい者への地域の理解を深めるとともに、相談業務の充実により、生活困窮者や障がいのある人が自立した生活を営むことができるよう支援してまいります。

4点目の「希望を持って子育てできるまちの実現」について、
子ども達が健やかに育つことは、町民全体の願いであり、全ての子どもが家庭や地域において、安心し、夢や希望を持って個性豊かにたくましく育っていけるよう、第2期斜里町子ども・子育て支援事業計画の基本理念に沿いながらこれまで取り組んできた各種の子育て支援事業を継続してまいります。
斜里町では近年出生数が減少傾向にはありますが、子育てには多様なニーズが存在し、その一つひとつに丁寧に対応できる支援の形が求められています。子育てに関する各ステージを通じた切れ目のない支援の充実、また子どもの発達に合わせ、能力を最大限に伸ばしてあげられる発達支援への取り組みなど、関係する各機関が連携し細やかなサポートができる体制づくりに努めてまいります。
一方で、安心した子育て環境に不可欠な保育の受け皿については、未満児保育の需要の高まりや保育の安全を確保するための人員配置の必要性が増大しているという状況があります。待機児童が生じることは避けなければならない事態であり、中斜里へき地保育所を通年化し、継続して職員配置に努め、「地域おこし協力隊事業」の導入や「認定こども園保育補助者雇上強化補助事業」に取組み、保育の受け皿確保に努めてまいります。
また、令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響により様々な分野で多くの活動を縮小せざるを得ない状況がありましたが、子ども達の遊びや学びの機会はしっかりと保障されることが必要です。児童館やウトロ子どもセンターが中心となり、地域の方の力もお借りし、安心・安全に配慮しながら学校や家庭とは違う環境の中での子ども達の様々な経験が充実されるよう事業展開を図ります。
合わせて、子ども達が心身共に健やかに成長するためには多くの人との関わりが大切といえます。児童館をはじめとする各種子育て支援の取り組みの中で、まさに地域資源である「ひと」が関わる多世代の交流などを進め、学校や家庭とは違う環境の中で様々な経験をし学びを深める機会を作るなど、子育て・子育ちを総合的に支援してまいります。

第6は、「心豊かにつながり学び合うまちをめざす」についてであります。
町の持続的な発展のためには、未来の斜里を担う子どもたちが健やかに成長できる環境づくりと、社会に通用する人材育成のための教育が極めて重要です。
斜里町でも、少子化、核家族化、共働きなどにより、地域や家庭の教育力の低下が課題となっていることから、行政と地域が一体となってこれらに取り組まなければなりません。
国の教育委員会制度改革にもとづいて設置した「総合教育会議」の場も活用しながら、教育委員会と教育施策の方向性を共有して行政執行にあたります。
教育長から「教育行政執行方針」が示されますので、私は教育行政を支援する立場から主要な事項について申し上げます。

それでは、この分野の具体的な事業展開について、以下大きく3点に分けて申し上げます。

1点目の「地域とつながる学校教育の推進」について、
指導主事をはじめ、学力支援講師、特別支援教育支援員、スクールソーシャルワーカーを継続して配置し、学習環境の改善・向上や不登校児童・生徒に対する取組を支援してまいります。また、学校ICTではデジタル教材の導入を図るほか、引き続き斜里中学校グラウンドの北側通路部の整備を進めてまいります。
さらに、町立学校のコミュニティ・スクールや土曜授業など、地域と学校の関わりをより充実させる取組を支援していくほか、斜里高等学校については、「知床・産業系列」などの特色ある教育活動、遠距離通学者への助成や進学・キャリアアップ事業など、高校の魅力づくりのための支援策を継続してまいります。

2点目の「地域を支え育てる人材の育成」について、
豊かな自然環境やその恵みを受けた産業などの地域の資源を最大限に活用し、各社会教育施設で行われる町民の生涯学習活動を通して、人材育成を進めてまいります。また、親同士の学び合いや仲間づくりの機会の提供など、「親の育ち」を応援する学習機会を確保し、家庭の教育力向上に努めてまいります。

3点目の「地域を育む社会教育活動の推進」について、

公民館における生涯各期に合わせた講座の実施等、生涯学習の充実を図るとともに、「ユースまちづくり委員会」の活動を支援し、若者独自の発想をまちづくりに生かしてまいります。
また、斜里町スポーツ推進計画に基づいた生涯スポーツの推進を図るとともに、各体育施設の修繕や設備更新を進めるほか、健康づくりの意識向上に向けた運動の普及を推進してまいります。
図書館の運営では、引き続き町民参加型の図書館運営を進めるとともに、「交流・憩い・学びの場」として機能させ、町民に親しまれる施設づくりを推進してまいります。
また、博物館における活動や講座を通して、町民をはじめとした多くの方々や子ども達が、地域の自然や歴史の価値を学ぶ取組を推進してまいります。

第7は、「町民が主役になって住みよいまちをめざす」についてであります。
自治基本条例は「情報共有・町民参加・協働」の三つをまちづくりの基本原則としています。しかし、町政に関心はあっても参加が苦手といった方も多く、今後、町民参加の場や機会の拡大を図る上では、人口減少や少子高齢社会といった変化に対応した仕組みづくりや環境整備を進める必要があります。今後とも住民とのパートナーシップによる協働のまちづくりを進めるため、住民と行政が情報を共有できる環境づくりに努めます。
国においては積極的なデジタル化の推進の動きが加速しており、特にマイナンバーカードについては、保険証機能の付与や、今後は免許証との一体化など全ての国民への交付等がされる動きとなっています。
地方行財政を取り巻く環境は、社会構造の急激な変化を背景に、行政ニーズの多様化が進み、変化に即応できる機動性の高い組織が求められています。第6次行革大綱の3つの基本方針、行政サービスの見える化と協働の推進、効果的・効率的な行政運営の推進、歳入及び歳出改革の推進の実現に努めてまいります。

それでは、この分野の具体的な事業展開について、以下大きく2点に分けて申し上げます。

1点目の「地域が輝くつながりのあるまちの実現」について、
情報公開と情報共有の推進については、町民目線に立った適切な情報の提供に取り組むため、広報誌の充実を図るほか、今年度は町ホームページをリニューアルし、必要な情報を得られやすくするための取り組み行うほか、SNS等の活用による積極的な情報発信に努めてまいります。
また、出前講座や「あ~ったか移動町長室」等を通して、住民との情報共有を図り、意見公募手続(パブリックコメント)により、町政に町民の意見や要望を反映させる機会を設け、町民との協働による開かれたまちづくりを推進してまいります。
町民との協働の推進については、住民自治の原点である自治会を中心に、自治基本条例が求める「協働」によるまちづくりを推進し、情報の提供と町民の協働意識の向上と、さらに町民参加機会の拡大を図っていくことが重要です。
自治基本条例の考え方などについて、継続的な普及啓発に努めるとともに、参加意識を醸成する環境整備の取組として、審議会委員等への「無作為抽出による公募委員登録制度」により、町政への幅広い町民参加の実現を目指します。
町民が主役となって主体的な活動を進めていくために重要な自治会活動を積極的に、そして活発に進めていただくために、地域活動の活性化と地域力を発揮できるコミュニティづくりとして「協働によるまちづくり推進事業」を継続してまいります。また、自治会連合会及び各自治会に対しては、それぞれの団体及び活動に対する支援を継続し、連携をさらに強化してまいります。
多様な交流の展開については、姉妹町・友好都市との交流を通じて、歴史や自然・文化・芸能など相互理解を深めるとともに、各地のふるさと斜里会との交流を推進してまいります。

2点目の「社会変化に対応できる健康なまちの実現」について、
効果的・効率的な行政運営につきましては、社会情勢の変化や行政需要に的確かつ迅速対応するため、行政改革を一層推進していく必要があります。
行政として基本的でありながら、最も重要な役割を担う戸籍住民窓口においては、マイナンバーカードの交付体制を充実して、素早く効率的な発行ができる取り組みを進めます。
令和元年度から始まった「第6次行政改革」については、自治基本条例の理念に基づいて策定した第6次総合計画の基本テーマである「幸せを実感できる住みよいまちづくり」の実現を確実にするためにも、実施項目の計画的な進行管理を行います。
少子高齢化及び人口減対策につきましては、第2期目となった「斜里町まち・ひと・しごと創生総合戦略」について、第1期からの施策を継続しつつ、交流・関係人口の創出や人材育成などの新たな視点による施策も加えながら、引き続き地方創生の実現に向けた効果的な施策の展開を進めます。
「テレワーク推進事業」につきましては、特にコロナ禍におけるオンラインの働き方や都心の一極集中からの脱却が求められている中で、地方への人材誘致をはじめ、企業のテレワークによる社会貢献につながる仕組みを構築するなど、引き続き取り組みを進め、斜里町と関係する応援人口や応援企業の増加を目指します。
また、JR北海道における釧網線沿線自治体との連携や空港民営化、知床ナンバーなどの広域的な課題や取り組みに向けて、近隣の関係自治体とのさらなる連携強化を図ってまいります。

4.令和3年度の財政運営

斜里町の厳しい財政状況については、昨年の秋以降、第6次斜里町行政改革実施計画アクションプランでお示しし、町民の皆様にも6回にわたり懇談会を開催させていただきました。その後、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化や、過疎地域指定など変動の要因はありますが、持続可能な財政運営に向けた改革の歩みを着実に進める必要があります。
 本年度の一般会計予算は、84億350万4千円で、前年度比較では、5億5,641万5千円、率では6.2%の減額予算となりました。アクションプランに基づき経常的経費の削減に取り組んでいるほか、投資的事業についても庁舎の耐震化工事や、自然センターや産業会館などの事業終了に伴い、総額での抑制を図っております。
次に特別会計は、国民健康保険事業特別会計他4特別会計で、40億1,991万3千円、前年度比較では1,179万3千円、率では0.3%の減額予算となっております。
企業会計では、病院事業会計と水道事業会計で、22億3,981万1千円、率では11.3%の減額予算となったところです。
新年度予算の特徴についてですが、まず町税収入では、新型コロナウイルス感染症に係る景況の悪化に加え、引き続き漁業生産額が低迷しており、課税標準となる所得が落ち込む見込みとなるなど、経済情勢は依然として厳しい状況にあります。
固定資産税は、3年ごとに実施される評価替による下落のほか、新型コロナウイルス感染症に係る減免も見込み、町税全体では、対前年比10.48%減の予算を計上しています。
路線価評価につきまして、令和6基準年度固定資産評価替に向け、標準宅地および路線価について平成9年度以来の大幅な見直しを行い、適正かつ公平な評価及び課税に努めます。
税・料の収納対策につきましては、現年度収入額の確保とともに、納期内納税者との公平性の観点から、これまで同様に不動産や給与、預金などの差押及び換価などの滞納処分を迅速に取り組むことで滞納額の圧縮を図り、収納率の向上に努めてまいります。
加えて、導入時期等については新型コロナウイルス感染症の影響を見極める必要がありますが、自主財源確保の観点から新たな町税として、宿泊税導入に向けた検討を進め、観光施策に特化した安定的な財源づくりを目指します。
最も大きな財源となる「地方交付税」については、国の地方財政計画に基づき積算をしております。計画では、新型コロナウイルス感染症の影響により地方税が大幅に減額となるとともに、交付税財源となる所得税や法人税等も大きく落ち込む見通しですが、地方の財源を確保するため、普通交付税では微増、また臨時財政対策債が大幅な増加が見込まれています。
この計画に前年度交付実績及び町税収入を加味し、前年度交付実績比で0.2%の増額、臨財債と合わせると4.5%の増額で計上しています。
次に、新型コロナウイルス感染症に関する予算についてです。まず、国の令和2年度第三次補正予算に基づく、交付金事業やワクチン接種にかかる事業など、年度当初から取り組みが必要な事業については既に3月補正予算で計上しておりますが、国の予算措置上、繰越扱いとなるものについては、町では今後の補正予算で計上していく予定としていることから、今回の当初予算には反映をしておりません。
また、現在行われている国会会期中に、新たな過疎法案が提出され、4月から施行される見通しであり、今回過疎地域要件が見直される中で、斜里町が「過疎地域」の指定を受ける見込みとなりました。そのため今回の予算の計上にあたっては、指定を前提とし、先行して多くの事業において過疎債の活用を予定しておりますのでご留意をお願いします。なお過疎地域指定に伴い、地域おこし協力隊の地域要件が緩和されることから、制度を最大限に活用し、本予算では11名の雇用を計上しております。
今後の財政運営においても、総合計画実施計画における推計に基づき、行財政改革を進めるとともに、歳入に見合った歳出の計上に努め、引き続き長期的視点に立った健全な財政運営をめざしてまいります。

5.むすびに

以上、令和3年度の町政執行方針を述べさせていただきましたが、これからのまちづくり、斜里町づくりは、役場だけでできるものではありません。町民の皆さまの知恵と力が必要です。
町民憲章と斜里町自治基本条例の趣旨にこだわって、町民の皆さまとともに計画づくりを行った「第6次斜里町総合計画」は、令和3年度で8年次目となります。
計画期間の終盤となり、未達成、あるいは取り組み途中の事案については、計画期間内の目標達成に向けてスピード感をもって取り組むと共に、次期計画の策定も見据えて、この間さまざまな変化によって浮かび上がった新たな課題の整理にも取り掛からなければなりません。
昨年は町民懇談会を開催し、斜里町の将来について直接町民と懇談する機会を設けましたが、引き続き町民との対話を大切にしながら、斜里町の強みを生かし、変化する時代の中でも持続できるまちづくりに取り組んでまいります。
最後に、現在の斜里町を築き上げた諸先輩のご労苦に感謝するとともに、未来に対しても、時機を逸することなく責任ある取組みを進めていきたいという私の思いを、町民と町議会の皆さまにもどうかご理解いただき、町政執行へのご協力を心からお願い申し上げ、私の執行方針といたします。