令和 8 年度町政執行方針
1.はじめに
令和 7 年斜里町議会定例会 3 月定例会議にあたり、町政執行の基本的な方針と主要施策について、私の所信を申し上げ、町議会議員並びに町民の皆さまのご理解とご協力を賜りたいと存じます。
我が国の社会経済情勢は物価上昇の影響が続く中、少子高齢化と人口減少により担い手不足が各分野で深刻化しています。斜里町においても、農林漁業、商工観光、医療・福祉、建設など幅広い分野で人材確保が難しくなっており、持続可能な地域づくりの前提条件として受け止める必要があります。
世界に目を向けると、各地で紛争や政治的混乱が続き、米国の関税政策の動きも含め、エネルギーや物流、物価を通じて地域の暮らしにも影響が及んでいます。加えて気候変動が進行し、異常気象は食料生産に影響を与えるとともに、海から山へ連なる生態系にも変化をもたらしています。
こうした内外の情勢は本町の産業と暮らしに直結しています。昨年は漁業、とりわけサケ・マスの漁獲高は大きく減少し、資源の維持確保への課題が浮き彫りとなりました。農業でも高温・干ばつにより収量・品質が低下し、生産資材価格の高止まりと相まって厳しい経営を余儀なくされました。観光は全国的にインバウンド需要が拡大しオーバーツーリズムが課題となる一方、国際関係の変化による需要の揺らぎもあり、本町では回復の兆しが見られるものの、遊覧船事故以降の低迷が続いているなど、安全・安心を基盤に地域価値を高める観光振興を進める必要があります。
こうした状況の中、令和 7 年度は、町内の厳しい医療体制に対応するため副町長を 2 名体制とし、そのうち 1 名を新設の「斜里町国保病院・地域包括医療支援室」室長に任命して、行政と医療現場、関係機関の連携を強めました。また、各自治会のご協力のもと、要望のあった自治会に町長・副町長が伺う「車座ミーティング」を行い、現場の声を直接伺う広聴活動に取り組んだところです。
あわせて全国の皆さまから、ふるさと納税という形で多くの応援をいただいています。ご寄附に込められた斜里町への思いを確実にまちづくりに生かすため、令和 8 年度は関連財源を61事業に組み入れ、地域課題の解決と将来への投資につなげます。限られた財源と人員の下、事業の必要性と効果を点検し、優先順位を明確にしたうえで選択と集中を進めます。あわせてDXの活用や広域連携、民間との協働により、行政サービスの質を高めつつ持続可能な行財政運営を図ります。また、気候変動への適応、一次産業の安定、生態系の保全を両立させるため、国・道・関係機関と連携し、科学的知見を踏まえた取り組みを進めます。
令和 8 年度の実施事業は、これまでと同様、第 7 次総合計画の 6 つの基本目標に沿って整理します。
施設関連では、新学校給食センターを令和 9 年度の供用開始を目指し、 2 か年で建設します。保育と療育の機能統合に向けた子育て支援施設整備では設計業務に取り組み、斜里市街地における保育・療育環境の向上を図ります。
長寿命化では、ゆめホール知床の改修工事を進めるほか、斜里小学校アトリウム屋根改修を実施し、オホーツク斎場は改修に向けた実施設計を進めます。あわせて、ウナベツスキー場リフト更新、エコクリーンセンター第 2 期最終処分場整備の設計を進め、新たな温浴施設は、経営や運営に欠かせない官民連携の可能性も含め検討を深めます。
産業振興では、魚種変化への対応としてふぐ処理者認定試験費用助成を新規に実施します。地場産品振興では、地場産品のPR強化、事業者の商品販売力の向上、新規商品開拓、商品価値の向上を支援します。関係人口の創出と移住・定住に向け、情報発信と体験事業を継続し、少しずつ出始めてきている成果を更に前進させ、地域の活性化につなげます。
防災・減災では、消防団車両の購入を含め消防資機材の更新、耐震性貯水槽の整備、消火栓の順次更新などを計画的に進めていきます。
子育てでは、こども家庭センターを立ち上げ、相談支援体制の一体的な整備をするほか、福祉では重層的支援体制整備事業を継続し、医療では開業した個人病院と国保病院、二次医療との連携を支援して、持続可能な医療体制づくりを進めます。
知床は国立公園指定60周年、世界自然遺産登録20周年という節目を経て、令和 9 年には「しれとこ100平方メートル運動」が50年を迎えます。令和 8 年度は節目に向かう準備の一環として記念誌発行事業を開始し、この運動の歴史を振り返りながら次の50年に向けて歩みを進めていきます。
斜里町は、世界に誇れる自然環境と共生しながら営まれてきた農林漁業をはじめ、商工観光業が息づくまちです。未来を生きる次世代へ、先人が築いてきた斜里町を自信と誇りをもって引き継げるよう、町民の皆さまと斜里町に思いを寄せる多くの皆さまとともに努力していきます。
以下、令和 8 年度の執行方針について具体的に示します。
2.令和 8 年度の事業展開
基本目標 1 「自然と人が共生する豊かな環境づくりの推進」についてでありますが、
1 点目の「自然と人が共生する豊かな環境づくりの推進」については、
1977年にスタートした「しれとこ100平方メートル運動」が、2027年で開始から50年を迎えます。脈々と受け継がれる知床の大地の息吹と寄付者をはじめとする関係者の思いが寄せられる場として、令和 9 年度に記念事業を想定しながら、その準備を令和 8 年度に進めます。
知床はヒグマの高密度生息地であり、市街地への侵入やその対応が話題となる中、状況変化に応じた適切な対応が必要です。緩衝地帯造成のための草刈りや電気柵の適切な維持更新を図り、知床財団や地元猟友会とも連携し予防策を進めます。
また、野生動物への餌付けや接近行為等の危険性を啓発し、人と自然の適正な関係性の構築に取り組みます。野生動物の誘因につながるサケ・マス釣りの「ローカルルール」を関係機関と連携し、引き続き普及定着に向けた取り組みを進めます。
2 点目の「持続的発展が可能な脱炭素社会づくりの推進」については、
脱炭素社会の実現に向けて、町立学校児童を対象に環境教育に取り組むほか、事業所向けの省エネ相談会の開催など、各種イベント等において、地球温暖化や脱炭素の現状と課題について周知・啓発を進め、取り組みの拡大を目指します。
ごみ処理に関しては、斜網地区 1 市 5 町の枠組みによる一般廃棄物広域処理施設整備の建設位置が決まり、いよいよ本格化していきます。既存の中間処理施設においては、最終処分場の延命と第 2 期計画を進めますが、広域施設の完成までは計画的な修繕を行い、安定稼働できるよう努めます。
基本目標 2 「産業が安定しつづけるまち」についてでありますが、
1 点目の「魅力と活力にあふれた次世代農業の実現」については、
JAと民間企業による冷凍加工施設の稼働は令和11年度に延期の見込みとなりましたが、引き続き地域農業の発展につながるよう関係機関と連携し準備を進めます。あわせて、多面的機能支払制度や新規就農者育成総合対策による担い手支援、地域計画に基づく農地利用の最適化と担い手への農地集積を推進します。さらに、道営事業を活用した農道改修や排水路整備など、災害に強い農業基盤の整備を進め、持続可能で競争力のある農業の確立を目指します。
また農業関係としては引き続き安定した農業経営に向けて、多面的機能支払支援や新規就農者の育成に努めるほか、新たな「地域計画」に基づき、担い手への農地流動化対策を円滑に進め、優良農地の確保と計画的な土地利用を推進します。また、道営事業を活用して課題となってきた斜里峰浜 1 号道路の改修工事に着手するほか、美咲および以久科地域の農業排水路について災害被害が懸念される箇所の改修を進めます。
2 点目の「豊かな自然環境とともにある漁業と林業」については、
漁業では、「鮭、日本一のまちPR事業」「ふぐ処理者認定試験費用助成事業」や漁業協同組合が実施する鮮度保持施設整備への支援等により、漁獲物の付加価値向上と安定した流通体制の構築を図ります。また、サケ・マス資源の保護と回復に向け、斜里海浜サケ・マス釣りルールの運用、水産資源の増養殖調査試験、自然産卵環境の改善など、広域連携も含めた資源管理の取組みを継続します。さらに、林業では町有林の計画的な森林施業を進めるとともに、森林環境譲与税を活用した民有林整備や木育活動の推進、林業就労者の育成支援を行い、持続可能な森林管理と林業の担い手確保を図ります。
3 点目の「魅力的で持続可能な選ばれる観光地づくりの推進」については、
「第 2 次斜里町観光振興計画」に基づき、旅行者・地域住民双方にとって魅力ある観光地づくりを進めます。観光動態・マーケティング調査によりデータに基づく施策を展開するとともに、知床しゃりアクティビティサポートセンターへの支援やSNS等を活用した魅力発信により、自然体験の安全性と満足度の向上を図ります。あわせて、カムイワッカ園地周辺の利用促進に向けた基本構想の策定、観光施設の修繕、知床斜里駅多目的スペースの環境整備、知床八景等の案内看板整備を進めるほか、ウナベツスキー場索道施設の改修により、安全で快適な利用環境の確保に取り組みます。
4 点目の「農林漁業と町民生活を支える自主的で活力のある中核的役割の推進」については、
「第 2 次斜里町商工業振興計画」に基づき、ふるさと応援基金を活用しながら、商工会と連携したビジネスサポート事業及びフォローアップ事業を継続・拡充し、創業支援や新規事業展開、ふるさと納税返礼品の開発など事業者の挑戦を後押しします。また、ふるさと納税においては、地域商社機能を持つ一般社団法人知床しゃりと連携した新たな推進体制を構築し、事業者に対するきめ細やかな伴走支援や戦略的なプロモーションを行うことで、地場産品の販路開拓と商品価値の向上を図ります。さらに、道の駅しゃりの屋外環境整備や各種イベント支援により、中心市街地のにぎわい創出と地域コミュニティの活性化に取り組みます。
5 点目の「将来の斜里町産業の基盤づくりの推進」については、
斜里町の産業界において人手不足や人材の確保が最大の課題となっています。今後、さらに町の労働者人口の減少が確実となる中で、移住定住対策の推進や外国人労働者の受け入れ環境の改善など、町としても部局を横断して取り組んでいきます。
また、一般社団法人知床しゃりとは、経済活動のみならず地域の魅力を向上させ、人を呼び込むためのプラットフォームとして連携を図りながら、産業を支える持続可能な地域基盤の構築に取り組みます。
基本目標 3 「安心して住みつづけられるまち」についてでありますが、
1 点目の「快適に暮らせる住環境の整備」については、
「住まいのリフォーム事業」により既存住宅や中古住宅購入時の改修費用の一部を補助するほか、高齢者世帯の熱中症対策として住宅エアコン設置助成を実施します。また、空き家解体への補助を行い、生活環境の保全を図ります。さらに、ふるさと応援基金を活用し、はまなす公園の遊具修繕や公園トイレの外壁・屋根・設備の改修を行い、利用者が安心して利用できる施設環境の整備を進めます。
2 点目の「快適に暮らせる社会基盤の整備」については、
道路では峰浜 1 号道路、ウトロ環状道路、東豊里道路ほかの改良を進めるとともに、中斜里地区の側溝改修や市街地の街路樹の剪定により、通行安全と生活環境の向上を図ります。橋梁については、長寿命化計画に基づき来運 1 号橋の補修と計画的な点検を実施します。また、老朽化したロータリー除雪車の更新を行い、安定した除排雪体制を確保するとともに、除雪管理システムの活用により作業の効率化と迅速な対応を図ります。
高齢者等の外出支援として、バス・ハイヤーの利用助成や市街地巡回バス事業などに引き続き取り組むほか、「地域公共交通計画(第 2 期計画)」に基づき、各取り組みを進めます。
その他、町営住宅については、エレベーターの設置のないかえで東団地の高層階利用のため、空室の部分修繕を行ない、移住・定住などに向けて住宅供給の促進を図ります。また、建築から30年が経過し、老朽化が進むオホーツク斎場については、施設の維持と安定的な業務の継続のため、長寿命化を目的とする実施設計を進めていきます。
3 点目の「くらしを守る上下水道の整備」については、
上下水道事業とも独立採算を原則とした持続可能な経営に努めるとともに、経営戦略に基づき将来を見据えた料金改定の検討を進めます。
水道事業では、漏水事故の防止と耐震強化を目的とした老朽管の更新として、上水道で 3 路線、簡易水道で1路線の配水管布設替工事を実施するほか、浄水場の制御装置や計装設備、照明設備等の更新を行い、安全で安定した飲料水の供給体制を確保します。
下水道事業では、斜里地区およびウトロ地区において処理場や中継ポンプ場など老朽施設の計画的な更新を進めるとともに、広域的な汚泥処理の検討や、し尿等受入施設の広域化計画の策定など、効率的で持続可能な事業運営に向けた取組みを進めます。
また、合併浄化槽の普及促進についても設置に必要な支援策を継続します。
4 点目の「安全・安心を守る防災体制が充実したまち」については、
近年、全国的に大規模な自然災害が相次いで発生している中、地域防災計画の実効性を高めるため、補完する各種計画や実行性のあるマニュアルの整備、見直しを進めます。また、防災備品の整備については、停電断水時も使用可能な災害簡易トイレの拠点避難所への備蓄を順次進め、さらに大型防災設備・機器の広域による共同利用について検討を進めていきます。
5 点目の「消防・救急体制の充実」については、
消防活動の中枢である消防指令システムの更新に向けて、消防組合内で効率的な運用を目指して協議を行い、より迅速かつ確実な出動体制を目指します。
消火栓の計画的な更新整備を図るとともに、耐震性貯水槽をウトロ地区に整備し、震災等に備えます。
また、救急体制の充実については救急隊員の資質向上、医療機関等の関係機関との連携強化を図るとともに、応急手当普及啓発活動として、各種事業所や自治会などを中心に救命講習会を開催し、救命率の向上に取り組みます。
消防組織体制については、コンプライアンスの徹底をはじめ、各種訓練や研修等の参加など職員一人ひとりの資質の向上に努め、組織力の向上を図ります。
災害時の初動対応で重要な役割を担う消防団については、時代に即した組織の再編成や消防車両の購入、消防団員の確保対策、訓練や研修等を実施し、消防団体制の充実強化を図ります。
6 点目の「くらしの安全安心の推進」については、
警察や町内関係団体と連携し、消費者詐欺対策や防犯意識の啓発に努めます。また、高齢者はもとより町民の交通事故防止のため、交通安全旗波作戦など交通安全意識を高める取り組みに努め、安心・安全なまちづくりを進めます。
基本目標4 「自分らしく健やかに暮らしつづけられるまち」についてでありますが、
1 点目の「地域の医療が充実しているまち」については、
暮らしの中で、いつでも適切な医療が受けられる地域医療及び救急体制の維持・確保は、町民の安全・安心な生活を支える上で不可欠なものです。町の基幹病院である国保病院の経営安定化はもとより、町民の「かかりつけ医」として利用されている昨年事業継承された民間開業医、近隣医療機関、さらには二次医療を担う網走厚生病院との連携は欠かすことができません。加えて、斜網地域における「網走厚生病院高度医療機器整備支援事業」の取り組みとあわせ、旭川医大・北大・札幌医大などの医育大学をはじめとする関係機関との連携を一層推進していきます。
また、令和 7 年度に設置した「斜里町国保病院・地域包括医療支援室」の取り組みを継続し、医育大学・関係機関との連携、民間紹介事業者の活用を通じて、医師をはじめとする 医療従事者の安定的な確保と適正配置を図るよう進めます。令和 8 年度には常勤医師 4 名体制を見込んでおり、この体制を安定的に維持するとともに医療従事者の確保と適正配置に努め、地域に必要な医療機能を持続的に提供できるよう、国保病院の経営安定化と医療提供体制の確保に取り組んでいきます。
2 点目の「みんなで健康づくりこころもからだも元気なまち」については、
町民の健康意識を高め、生活習慣を改善できるよう生涯を通じた健康づくりを支援し、不妊治療や妊婦RSウイルス予防接種事業などの助成事業拡充に取り組みます。
また、町民が住み慣れた町で安心して暮らせるように『24時間電話健康相談等事業』を継続運用し、気軽に医療に関する相談や心の相談が受けられる体制を整えます。
3 点目の「お互いを思いやり支えあいながら心かようまち」については、
少子高齢化が進む中、自治会活動等の住民同士が支え合う共助や協働の取り組みが重要であり、重層的支援体制整備事業を推進しながら、「地域共生社会の実現」に向け、取り組みを進めます。さらに、介護保険計画の改定や障がい者計画の改定を取り進めていきます。
4 点目の「未来につなぐ子育て・子育ちのまち」については、
「第3期子ども・子育て支援事業計画」に基づき、子育て支援策を実行していきます。国の推進施策により「こども家庭センター」を開設、「こども誰でも通園制度」の開始のほか、市街地子育て支援施設整備事業に着手していきます。
基本目標5 「生涯を通じて自分らしく学びつづけられるまち」についてでありますが、教育長から「教育行政執行方針」が示されますので、私は教育行政を支援する立場から主要な事項について申し上げます。
それでは、この分野の具体的な事業展開について、以下大きく 2 点に分けて申し上げます。
1 点目の「一人ひとりが輝ける学校教育の推進」については、
指導主事をはじめ、教育活動支援講師や特別支援教育支援員のほか、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーなどの専門人材を配置し、教育環境の充実を図ります。あわせて、「教育支援センター」の効果的な運営により、登校しぶりなど児童生徒の困り感に寄り添う取組みを推進します。また、学校DXでは、計画的に学習用端末の更新を進め、情報活用能力の育成とデジタル教材の効果的な活用などにより、学力の向上を図ります。学校施設整備については、児童生徒の安心安全を最優先とした改修及び、教職員住宅の整備を実施します。学校給食では、食材料費高騰分への継続支援に加え、小学生及び義務教育学校前期課程児童の給食費を全額無償化します。また、本年度から 2 カ年計画により新学校給食センターの建設を開始します。
さらに、コミュニティ・スクール活動を推進し、地域と学校の関わりをより充実させる取組みを支援するほか、斜里高等学校については、「知床学」に代表される特色ある教育活動、遠距離通学者への助成やキャリアアップ事業、地域みらい留学など、高校の魅力づくりのための支援策を継続していきます。
2 点目の「つながり学びあう社会教育の推進」については、
豊かな自然環境や産業などの地域資源を最大限に活用しながら、各社会教育施設での生涯学習活動を活性化させることで人材育成を進めます。合わせて、幅広い世代の学び合いや仲間づくりを促進し、『つながり」を意識した交流により、シビックプライドの醸成に努めます。
公民館においては、少年期から高齢期など様々な世代に応じた学習機会や、講座等の開催を通じて、地域の課題を共有し、解決する取組みを図るなど、生涯学習の拠点となる運営を進めていきます。
スポーツ振興では、推進計画に基づき、幅広い世代がスポーツで「つながる活動」を推進するとともに、指定管理者制度の導入を検討し、各体育施設の安定的な管理運営や、健康づくりに向けた取組みを展開します。さらに、学校部活動の地域受け皿となる団体を支援するなど、町全体で支える仕組みづくりを加速させます。
図書館運営では、読書推進はもとより、子どもメンターの任用など、地域とつながる運営を進めるとともに、「学び・憩い・交流の場」として、子どもからお年寄り、外国人の方々まで多くの町民に親しまれる施設づくりを推進します。
博物館運営では、活動や講座を通じて、町内外の方々が、地域の自然や歴史の価値を学ぶなど、町の魅力を再発見できる取組みを推進します。あわせて、ミュージアムコーディネーターの任用による、子どもたちの居場所づくりを進めるとともに、協力会などの町民組織と連携し、地域に開かれた博物館づくりに努めていきます。
基本目標6 「協働と交流で繋がりつづけられるまち」についてでありますが、
1点目の「情報共有、協働と参加でともに築くまち」については、
町民の参加体制推進では、町民憲章の精神である「みんなでまちをつくる」に基づき、幅広い世代によるまちづくりへの参加と協働のための人づくりを推進します。
地域コミュニティ推進では、活動の推進を目的に協働によるまちづくり推進事業などにより、各自治会及び自治会連合会への支援を継続して行います。
2 点目の「国内外との交流、連携で築くまち」については、
大学や企業連携、斜里町独自の強みである「しれとこ100平方メートル運動」等の人的つながりを基盤としながら、戦略的ブランディングを通じた関係人口の拡大を図り、その人的財産を活かした持続可能なまちづくりを進めます。また、増加している外国人住民との共生に向けた実態把握を進めます。
3 点目の「効率的で健全な行財政の運営」については、
行政改革大綱に基づく事務事業の見直しや業務の標準化、見える化を図り、デジタル技術の活用も視野に業務の効率化を目指します。人手不足の顕在化とともに働き方改革が求められており、公共サービスの維持に必要な人材確保を積極的に進め、窓口は総合案内の成熟と、デジタルツールの導入を促進し、町民にも職員にも喜ばれる行政窓口を目指すほか、総合行政システムの標準化やガバメントクラウドへの移行を進めます。
3.令和 8 年度の財政運営
人件費の上昇や様々な品目に対する物価の高騰がどこまで伸長するのか、インフレ基調に転換する中で、町の財政運営を中長期的にどう推し量っていくかが重要になってきています。人口減少社会にあって、公共施設の老朽化対策や物価高騰による固定費の増は、歳出規模を押し上げ、経常経費の抑制もままなりません。デジタル技術の活用も含め、様々な観点から事務事業の効率化を図る必要があります。
歳入においては、現年度税収入額の確保はもとより、納期内納税者との公平性の観点から、引き続き滞納額圧縮に向けた滞納処分を迅速に取り組み、更には固定資産税の相続財産清算人制度を活用し、収納率の向上と町税の適正な賦課に努めます。
個人版の返礼品付きふるさと納税は、令和 7 年度に10億円を達成したところですが、原料確保と魅力ある商品造成を追求し、企業版ふるさと納税の拡充とともに、取り組みを進めていきます。
令和 8 年度の一般会計予算は、総額では126億4,305万5千円、前年度比較では5.3%増、 4 特別会計、 3 企業会計を合わせた総額は、194億1,558万7千円(同2.2%増)となりました。
主な投資的事業につきましては、「新学校給食センター整備事業」や「ゆめホール知床長寿命化改良事業」などの工事に着手するほか、「子育て施設整備事業」、「第 2 期最終処分場整備事業」では、設計に関する関係事業費を計上したところです。
次に特別会計は、国民健康保険事業特別会計他 3 特別会計で、31億8,455万円、前年度比較では1,520万3千円、率では0.5%の減額予算となりました。
また、企業会計では、病院事業、水道事業、公共下水道事業の 3 会計で、35億8,798万2千円、前年度比較では2億968万4千円、率では5.5%の減額予算となりました。
新年度予算の特徴については、町民税収入は、個人町民税で8億4,094万2千円(前年度比9,635万7千円減)、法人町民税で1億3,972万1千円(同1,006万1千円増)、固定資産税では7億3,607万4千円(同363万1千円増)を計上しています。
また入湯税は、令和 7 年度途中から新たな観光振興財源として超過課税を導入しましたが、令和 8 年度は入湯税総体で9,295万6千円(同1,752万円増)を見込み、町税全体では20億2,739万9千円(同7,095万9千円、3.4%減)計上したところです。
次に地方交付税についてですが、令和 7 年度当初予算と比較し、「普通交付税」では38億円(同 1億2,000万円、3.3%増)、特別交付税は2億2,750万円(同 570万円、2.4%減)と見込む一方、「臨時財政対策債」は、令和 7 年度に引き続き発行額がゼロとなり、普通交付税と地方交付税の合計では40億2,750万円、前年度比1億1,430万円、2.9%の増を見込んでいます。
財源対策として、財政調整基金の調整資金から4億3千万円と減債資金から9千300万円を繰り入れることとし、前年度比では、1億500万円の減額で計上しています。
繰り返しになりますが、斜里町を取り巻く社会情勢は、流動性、不確実性を増しており、持続可能なまちづくりを行う上でも、安定した財政基盤の確立を着実に進める考えであります。
4.むすびに
以上、令和 8 年度の町政執行にあたる基本的な考え方と主要施策の概要を申し上げました。
本方針で示した取り組みは、第 7 次総合計画を着実に形にし、町民の命と暮らしを守り、地域の産業と自然を次世代へつなぐために欠かせないものです。
一方で、人口減少と担い手不足、物価上昇、気候変動など、町を取り巻く環境は厳しさを増しています。限られた財源と人員のもと、優先順位を明確にし、選択と集中を徹底しながら、事業の効果と必要性を点検し、行政運営の効率化と連携強化を進めます。
また、町民の皆さまの声を丁寧に受け止め、車座ミーティング等も活用し、現場の実感を町政に反映しながら、町民の皆さまとみんなでまちづくりを進めていきます。あわせて、ふるさと納税による全国の皆さまからの応援の思いを大切にし、信頼に応える事業執行に努めます。
結びに、斜里町を築き上げてこられた先輩の皆さまに心より敬意を表し、町政 4 年目を迎えるにあたり、 3 年前に町民の皆さまへお示ししたまちづくりの実現に向け誠心誠意取り組みます。町民の皆さま並びに町議会議員各位の一層のご理解とご協力をお願い申し上げ、令和 8 年度の町政執行方針といたします。
令和 8 年 3 月 5 日 斜里町長 山内 浩彰
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更新日:2026年03月05日