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平成29年度町政執行方針

1.はじめに

 平成29年第1回町議会定例会にあたり、新年度予算等の提案に先立ち、町政執行に臨む私の考えを申し上げ、議員の皆さま、そして町民の皆さまの一層のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 町民の皆さまからご信託をいただいた2期目の町政も、本年で折り返しを迎えることとなります。
 私の政治理念は、一貫して、みんなでつくる「幸せ実感!あったか斜里町」であり、今後も、人や未来への思いやり、人のつながり、そして人づくりを大切にしてまいりたいと考えております。
 また、この間の町政運営は、「情報共有・町民参加・協働」を基本原則とする自治基本条例の精神に則り、「幸せを実感できる住みよいまちづくり」の実現に向け、第6次斜里町総合計画の着実な推進を図ってまいりました。これらに加え、昨年からは、「斜里町まち・ひと・しごと創生総合戦略」を本格的にスタートさせてきたところであります。
 さて昨年、国内においては各地で自然災害のすさまじい脅威を改めて思い知らされました。
 また、イギリスのEU離脱が決定的となり、アメリカではトランプ大統領が就任し、TPPはじめグローバリズムの経済連携がとん挫するなど、国際情勢は不透明感を増しています。これらが斜里町に今後及ぼす影響は、全く予断を許さない状況が続くと思われます。
 そうした中、平成29年度の地方財政の課題において、国は一億総活躍社会の実現と地方創生の推進、地方財政の健全化、地方行政サービス改革の推進と財政マネジメントの強化を求めているところであります。
 私は、日本社会の人口減少や少子高齢化などの構造的課題に対処するためには、国と地方は、直面する課題に互いに向き合い、今、成すべきことを考え、それぞれが実情に応じ、自主性・主体性を最大限発揮して責任を果たしていく必要があると考えるところです。
 私は、斜里町の強みである「自然」や「知床」をはじめ、この地に蓄積された様々な価値を更に高め、郷土の誇りをもって、次代を担う子どもたちに、その可能性とともに引き継いでいくため、常に前進する姿勢で町政のかじ取りを担う覚悟でございます。
 本年は、自然を大切にする「しれとこ100平方メートル運動」が40周年を迎えます。知床の持っている「美しい自然、豊かな自然、おいしい自然、そして楽しい自然」を多くの人に提供できるよう頑張ってまいります。
  町長就任以来、一貫して町政運営に大切なものは、町民の皆さまとの信頼と考え、町政に対する多くの声をお聴きし対話する中で、協働のまちづくりを進めてまいりました。本年度も時代の趨勢とまちの将来を見据え、あくまでも町民本位で、タイミング良く、スピーディに、そして丁寧に、を基本として、「幸せを実感できる、住みよいまちづくり」実現のために、努力してまいります。

2.私のめざすまちづくり

【「幸せを実感できる 住みよいまちづくり」をすすめます。】

〇健康づくりと安心の医療・福祉で、いきいき暮らせる環境をつくります。
 自分が「健康である。」と思えることが、幸福実感の何よりも重要な指標となるものと考えます。
 そのためには、病気にならない、そして健康寿命を延ばすために、一人ひとりが健康づくりを意識することが大切です。本年度も“健康まつり”を開催するとともに、健診・検診の受診率の向上をめざし「健康づくり推進事業」を実施する中で、「第2期斜里町健康増進計画」を着実に進めてまいります。
 地域医療を取り巻く環境は依然厳しいものがありますが、医療体制の充実は、予防医療とともに、安心して暮らし続けるための大事な要件です。その中核的役割を果たす国保病院の診療体制整備では、外科常勤医師招へいが最優先であり、医療従事者確保に努力するとともに、「新斜里町国民健康保険病院改革プラン」の策定をしてまいります。
 また、人工透析患者の通院支援の拡大、救急搬送のシステムの取り組みなど、広域医療、救急医療の充実・確保に努めます。
 さまざまな福祉の充実も併せて必要です。今後、高齢者の増加に伴い介護を必要とする人の数は、確実に増えていきます。介護サービス従事者のマンパワー確保の支援とともに、「第2期斜里町地域福祉計画」などに基づく施策を推進してまいります。高齢者が住み慣れた地域で安心して生活できるためには、地域の特性に応じた「地域包括ケアシステム」構築が必要です。現在取り組んでいる介護予防・日常生活支援総合事業では、地域ささえあいのための支援推進体制づくりを進めるとともに、健康づくり、医療、介護、福祉の連携を密にしてまいります。

〇自然資源の恵みを活かし、産業振興につとめます。
 斜里町の最大の資源である「自然」の価値を維持するとともに、その恵みを活かし、農業、漁業、観光など産業の振興と基盤づくりに努めます。
 農業については、国営「宇遠別川地区」施設機能保全事業、道営「三井越川地区」「川上大栄地区」「峰浜豊倉地区」の農業基盤整備事業を実施するとともに、施設長寿命化に向けて「多面的機能支払交付金制度」を活用しながら、農業生産性の向上に努めます。
 林業については、森林の永続的な保全のための基盤整備に努めるとともに、持続可能な地域資源として有効な森林の維持に努めてまいります。
 漁業基盤の整備については、ウトロ漁港の特定漁港漁場整備事業の継続、斜里漁港の水産流通基盤整備事業による衛生管理型漁港としての整備を進めてまいります。
 観光については、「観光振興計画」に基づく着実な施策展開に取り組むとともに、本年度は特に、一昨年から進めている知床観光のブランディング事業に引き続き取り組み、様々な媒体を連動させながら、新しい知床のイメージ構築に努めるほか、冬期観光振興の強化、観光スポットの整備・検討、マーケティング調査などを、関係者とともに積極的に展開し、知床の価値と知床観光の魅力を広くPRしてまいります。
 また、公園内の適正利用と環境学習の拠点機能を強化するため、知床自然センターの改修事業を引き続いて実施してまいります。商工業につきましては、小規模企業振興条例の制定と、同条例に基づく振興策の策定に向けて、商工会や商工事業者とともに積極的に協議を進めるほか、創業支援策の検討や、知床しゃりブランドの販売支援、特産品開発支援を強化し、町内の消費拡大や域内循環に努めてまいります。

〇素晴らしい自然環境を残し、暮らしやすい生活環境をつくります。
 町内には知床に代表される豊かな自然環境があり、その下で、私たちは生活し生業を営んでいます。その自然と人との良好な関係を維持させるために、「斜里町環境基本計画」の着実な進行管理を行い、行政の施策全般にわたってこの計画が描く「環境のまち」実現に努めてまいります。
 このため、二酸化炭素総排出量の削減を図る地球温暖化防止実行計画の実践や野生鳥獣対策を実施するほか、環境のまちづくりに配慮した事業を展開していきます。
 エコクリーンセンター“みらいあーる”については、施設全体の安定稼働に努めるとともに、バイオ燃料の安定的な利用先確保と余剰生成物の処理に向けて取り組んでまいります。
 また、住環境の整備・確保については、新光北団地の町営住宅建替えや新望岳団地・かえで東団地・ウトロ高原団地の改善事業など、年次的に進めてまいります。また、民間住宅の建設促進では、快適住まいのリフォーム事業を推進してまいります。

〇子どもたちが、健やかに育つ環境づくりと教育をすすめます。
 子どもは斜里の未来を担う宝です。子どもを生み、育てる希望をかなえ、町民全体で支援する気運の醸成のために、これまで取り組んできた各種の子育て支援事業を継続するほか、妊産婦安心出産支援事業や出産お祝い事業を実施します。
 昨年、機能拡充とともに運営体制構築に取り組んだ児童館は、子育て拠点施設としての増改築工事を実施し、同じく昨年町内3ケ所となって利用年齢も拡大した仲よしクラブの環境整備を進めます。また、通園センターをはじめ、保育、教育、生活支援などに関係する機関が連携し、障がい児の成長に合わせた支援の充実を図ってまいります。
 学校教育においては、指導主事をはじめ、スクールソーシャルワーカーの継続配置、教育活動支援講師、35人学級臨時教員の配置などの事業に加え、不登校児童生徒対策としての適応指導教室を設けるなどの支援事業を継続実施します。
 さらに、昨年から大幅に強化したスクールバス運行体制を継続し、小学校統合後の児童の通学環境を確保するとともに、時代に即した学校ICT化を進めます。また、教育課程検討委員会を中心に進める各種活動の拡充や、土曜授業の本格実施のほか、知床ウトロ学校へのコミュニティ・スクール導入など、学校力向上の取組みを支援するとともに、斜里中学校においては外構整備への着手とグランド整備に向けた調査設計を行います。
 社会教育においては、各社会教育施設で行われる活動や生涯学習活動のための講座、地域で児童・生徒を育む様々な活動、さらには保健福祉との連携や他分野との交流などを通して、子どもたちの健やかな成長と若者の人材育成を進めます。

〇「総合戦略」を実行し、魅力ある地方創生をすすめます。
 人口減少への対応については、斜里町の特徴を捉えた将来展望である「人口ビジョン」と、それを踏まえ町民と一緒になって策定した、「斜里町まち・ひと・しごと創生総合戦略」がより実効性を持つよう、計画・実行・評価・改善というPDCAを繰り返すとともに、それぞれの施策・事務事業を着実に実行してまいります。
 その中に掲げた3つの政策である、「雇用創出・交流・ブランディングによる地域創造戦略」、「結婚・子育ての希望をかなえ、誰もが輝ける地域創造戦略」、「住み続けたいまちづくりをめざす地域創造戦略」の実現につながる事業を展開してまいります。
 特に、地域公共交通については、地域協議会による巡回バス「しゃりぐる」運行に改良を加えて実施します。また、「観光ブランディング強化事業」・「テレワーク推進事業」を積極的に展開するほか、地域の雇用、人材の確保につながる必要な施策に取り組みます。
 また、地域の子育て拠点としての一層の充実を図るべく、繰越事業である国の地方創生拠点整備交付金を活用し、(仮称)生涯アクティビティセンター(児童館)の増改築工事を実施します。

〇安全・安心なまちづくりで暮らしを守る、「ほめられる役場」をめざします。
 役場と地域との協働によってはじめて、高齢者の見守り、各種防災体制の再点検と自助・共助による地域防災力強化を図っていくことができます。地域防災計画に基づき、災害に備えた安全で安心なまちづくりを進めるために、モデル地区の「避難行動要支援者個別プラン」の作成や当面必要な食糧の備蓄、各種災害援助協定などを進めます。
 また、公用施設・公共施設の公衆無線LAN整備、町の防災拠点である総合庁舎の耐震整備に向けての検討を進めてまいります。 
 幸せを実感できる町政をめざして、町民の役に立つところが役場です。町民本位、町民のために仕事をする意識と行動を徹底するとともに、本年度も町民との対話などによる現場重視の考えを基本とします。また、明るく元気な職場を心がけ、情報共有に努めることにより、開かれた町政を推進してまいります。
 人事評価制度の実施を含め、職員の能力と資質向上のための研修機会を確保し、この間策定された各種計画の進行管理を通じて、職員の意識改革を促し、住民の期待に応えられる人材形成をめざします。
 また、「あ~ったか移動町長室」をフットワーク良く開催して、町民の皆様との対話を深めます。第6次斜里町総合計画がめざす「幸せを実感できる住みよいまちづくり」は、斜里町にかかわる全ての人や団体が自分自身のみならず地域の幸せを考え、ともに力を合わせて、地域を良くしていこうとする活動に参画いただいてこそ実現できるものと考えており、町民参加のための一つの取り組みとして、昨年度において試行した「無作為抽出の公募委員登録制度」の実践を通して、本施行へ向けての環境づくりに努めます。

3.平成29年度の事業展開

このことについては、第6次斜里町総合計画の7つの基本目標に沿って申し上げます。

第1は、「自然と共に生きることができる住みよいまちをめざす」についてであります。

 斜里町は、「みどりと人間の調和を求めて」を一貫したまちづくりの基本理念として掲げ、町政運営を進めてきました。世界自然遺産地域をはじめとする当町の雄大な自然環境や、生活環境を持続的に維持・向上させ、後世に引き継いでいくことが、環境自治体としての責務でもあり、同時に私たちの生活を支える基盤を確保するうえでも重要であります。斜里町の環境施策を総合的かつ計画的に推進することを目的に、「斜里町環境基本計画」に基づき、行政、事業者、町民が一体となって、これまで以上に環境面に配慮した施策を確実に推進していくことが必要です。

 それでは、この分野の具体的な事業展開について、以下大きく2点に分けて申し上げます。

 1点目の「人と自然が共生する豊かな環境づくりの推進」についてでありますが、
自然環境の保全と適正利用の推進については、町の自然保護施策の根幹である「100平方メートル運動」が新・旧運動を通じて40年の節目を迎えますことから、これまでの取り組みを振り返り、課題や方向性を共有する機会とし、みどりの復元に向けて、国立公園内開拓跡地の自然再生を着実に進めてまいります。また、公園内の適正利用を推進し、環境学習の拠点機能である「知床自然センター」の更なる充実を図るため、改修を進め、知床の価値を広くアピールしていきます。

 野生生物の保護管理の推進については、町が設立した知床財団を中心に、これまでに蓄積された調査データ等を活用しながら、関係機関や地元猟友会と連携し、ヒグマやエゾシカをはじめとする野生動物と観光客・地域住民とのあつれきの軽減に努めます。また「ヒグマ餌やり禁止」については、キャンペーンの精神を踏襲し、引き続き協働による啓発を進めるとともに、岩尾別川のヒグマ撮影カメラマン対策にも取り組んでいきます。

 生活環境の保全については、私たちの暮らしを支える豊かな環境を良好な状態に保つためにも、公害発生の未然防止はもちろんのこと、水源地域や河畔林の保全など、流域全体を対象とした総合的な対策が必要です。浄化槽計画区域内については設置補助事業を継続するとともに、町内主要河川の水質検査を実施して、現況把握に努めます。町民一人ひとりが環境負荷の軽減を常に心がけ、日頃の事業活動や生活の中で実践していくことも大切であり、町民と行政が一体となって良好な生活環境の保全に取り組んでまいります。


 2点目の「持続的発展が可能な循環型社会づくりの推進」についてでありますが、
 地球温暖化防止対策の推進については、再生可能エネルギーの積極的な活用や、エネルギーの効率化によって、温室効果ガスの排出量を削減していくことが重要です。平成27年度に策定した「斜里町地球温暖化防止実行計画」に基づき、斜里町の全ての公共施設のほか、昨年から3年間無償貸与を受けた電気自動車の積極的活用とPRにより、公用車等においても二酸化炭素排出量の削減に努めます。また、住宅用太陽光発電システムの設置補助事業などを通じて、町民の取り組みに対する支援を行うとともに、新エネルギー導入の可能性についても情報収集に努めてまいります。

 ごみの減量・資源化の推進については、町民ひとりひとりの協力を得て、ごみの減量化とごみ排出量の抑制に取り組まなければならない課題です。生ごみの搬出にあたっては、水切り徹底などにご協力をいただいておりますが、昨年度から本格導入されている生ごみの生分解性ごみ袋について、新たに小容量の生ごみ袋の規格化に向けて取り組みます。平成27年 7月から開始した「布類」の拠点回収など、分別の徹底によるリサイクル率のさらなる向上により、環境負荷の少ない循環型社会の実現をめざします。

 適切なごみ処理の推進については、町民生活を維持するうえで極めて重要です。毎日発生するごみを適切に受け入れ、できる限り資源として循環させる取り組みを継続的に進めていく必要があります。エコクリーンセンターの各設備の保守点検・修繕を計画的に実施しながら、バイオ燃料の安定的な利用先確保に努め、安定稼働に向けて課題解決の取り組みを全力で進めてまいります。また、ごみのポイ捨てや不法投棄など、不適切な行為の根絶をめざしてまいります。

 第2は、「足腰の強い産業をめざす」についてであります。

 斜里町の経済は、農業、漁業、観光業という3つの基幹産業と、恵まれた自然環境の下で、今後も更なる発展が求められております。
 一方で、原油減産による価格の上昇や株価の大きな変動、TPPにおいても国会承認はされたものの、米国の新大統領が就任とともに「TPP離脱」を正式決定するなど、未だ先行きに不安感が残っています。
 さらに、今後も人口減少や少子・高齢社会と相まって、国内市場の規模縮小が予想されています。
 このような中で、町内経済、産業の維持発展のため、確実な基盤整備と資源の持続的活用が求められており、「斜里町まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づく「地域ブランド知床しゃり」のイメージを中核とした産業連携を深め、新たな付加価値の創造と、町内経済を支えていく人材の確保・育成に向けた労働、雇用環境の安定化のための支援が重要です。

 それでは、この分野の具体的な事業展開について、以下大きく3点に分けて申し上げます。

 1点目の「力強い産業基盤の構築」についてでありますが、
 産業基盤整備の推進については、農林水産業における生産基盤をはじめ、商業や観光など、各分野での基盤整備と維持を推進し、力強い産業基盤の構築をめざします。
 農業については、平成26年度より着手した国営「宇遠別川地区」施設機能保全事業により、基幹排水路整備を推進してまいります。
 道営畑総事業は、区画整理や暗渠などの整備を促進しながら、鹿柵整備も行うとともに、道営農道保全事業を進め、生産性の向上と農業経営の安定化を図ってまいります。
 また、斜網地区維持管理協議会で管理している「緑ダム」の維持管理経費軽減のための小水力発電事業を進めるとともに、土地改良施設の長寿命化に向けては、多面的機能支払交付金制度を活用し、維持管理に努めてまいります。
 さらに、本年度から農業振興計画の見直しを行うための、基礎調査と情報のデータ化・システム化を構築してまいります。
 林業については、多種多様な公益的機能を発揮するための森林(もり)づくりは、地球温暖化防止に重要であり、次世代に引き継ぐべき「森林」の管理は今を生きる私たちの大事な役割であります。町有林については森林育成のための除間伐事業を継続するとともに、計画的な森林整備のための調査を行い、適期施業による森林更新に努めてまいります。
 漁業については、衛生管理型漁港として昨年4月に供用開始したウトロ漁港の適正利用に向け関係機関と連携してまいります。斜里漁港については、衛生管理型漁港としての工事が最終年を迎えますので、早期供用開始に向けた漁港整備と併せ、新たに建設される衛生管理型施設について支援してまいります。
 また、近年、多発する漁業被害に対して、関係機関とも連携の上、負担軽減対策を支援してまいります。
 商工業につきましては、小規模企業振興条例の制定や振興策の策定に向けて、商工会や商工事業者とともに協議の場を設置するほか、新たな商品デザイン等のリニューアル事業の支援など、町内の消費拡大や域内循環に努めてまいります。
 観光については、既存観光施設の適切な維持管理に努めるとともに、観光振興計画に基づき、アクセス・域内交通の向上策の検討や、新たな観光スポット整備、訪日外国人旅行者の受入態勢の向上などを進めてまいります。
 また、宿泊施設整備奨励金やウトロ温泉事業組合助成金などにより、宿泊施設や温泉の維持・整備を支援します。
 
 資源の持続的活用の推進については、斜里町の産業は多様な資源の適正利用により成り立っており、資源を枯渇させない再生力を高めることが重要です。
 農業については、家畜伝染予防法に基づき、疾病予防などを図るほか、関係機関と連携した防疫体制の確立に努めてまいります。
 また、多面的機能支払交付金制度等を活用しながら、緑肥による土づくりや農地保全を行い、地力の向上と輪作体系の確立に向け支援してまいります。
 林業については、適切な施業を計画的に行い資源の循環を進める必要があり、民有林については関係機関とも十分連携しながら、森林所有者の意向を踏まえて、各種施業の負担軽減について支援してまいります。
 漁業については、斜里町の基幹漁業であります「さけ・ます定置網漁業」は近年、全道的に来遊量が不安定な傾向でありますが、幸いにも斜里町は市町村別の「さけ」漁獲量は14年連続して日本一を維持しております。これは、長年にわたる「ふ化放流事業」への継続した取り組みの成果でありますので、関係団体との連携を一層強化し、支援を継続してまいります。
 観光業については、歴史・文化や産業といった自然以外の豊富な地域資源の活用を検討してまいります。

 戦略的経営の促進については、まず、事業者や経済団体の経営基盤の強化が重要です。
 特に各種制度資金等の活用や利子助成については引き続き支援していくほか、経済団体等への支援を継続してまいります。
 農業については、低コスト・省力型生産の実現のため、ICTを活用した播種コントラへの支援を図ってまいります。


 2点目の「知床しゃりの展開」についてでありますが、
 イメージ戦略の推進については、雄大な自然環境の中で育まれる、安心安全を念頭にして、クリーンな産業イメージを追求していくことが重要です。
 農業については、環境対策や土壌分析による施肥量低減に向けて、引き続きクリーン農業への支援に努めてまいります。
 漁業については、昨年4月に衛生管理型漁港として供用開始されたウトロ漁港をはじめ、整備中の斜里漁港で水揚げされた、安全安心な水産物のイメージアップに努めてまいります。
 商工業については、知床しゃりブランドの認証制度を継続し、認証品の販売を強化するほか、個々の商品に対してもデザインの見直し支援策を新たに設けて、付加価値の高い商品開発を支援してまいります。
 観光については、ブランディング強化事業や観光イベント等支援事業により、知床観光のブランド力の向上や、プロモーション力の強化に努めるとともに、エコツーリズムを中心とする体験プログラムの開発と定着を支援し、引き続き連泊滞在の促進に努めてまいります。

 海と大地の恵みの提供については、地場産業活性化チャレンジ事業の積極的な活用を促して、新たな商品開発を喚起するとともに、農水産加工品の付加価値の向上やPR、産業連携を進めてまいります。

 地元食材の消費拡大については、産業団体の協力を得ながら学校給食での積極的活用を進めるとともに、地元食材の魅力の積極的な発信を進め、消費拡大や地産地消の推進に取り組んでまいります。


 3点目の「担い手の育成と確保」についてでありますが、
 雇用の流動的活用の推進では、雇用環境の変化への対応と、町内事業所の円滑な人材確保を図るため、ハローワークの求人情報の提供や、町内事業所の求人広告等掲示などの情報提供と、合同企業説明会の開催などに、引き続き取り組んでまいります。

 就労者の支援については、斜里町の魅力のアピールと、働きやすい環境の整備を進めることによりUターン、Iターンを促すとともに、斜網地域の自治体と連携した通年雇用のためのスキルアップや資格取得等を引き続き支援してまいります。
 また、酪農家への労働負担軽減のため、酪農ヘルパー制度の活用推進と支援に取り組んでまいります。

 担い手確保と技術継承については、農業従事者の高齢化と労働不足が喫緊の課題であり、安定的な農業経営をめざすため、後継者確保対策の支援に努めるとともに、農業生産法人の育成支援にも努めてまいります。

 第3は、「快適なまちをめざす」についてであります。

 斜里町では、これまで様々な社会資本整備を行い、快適な町民生活実現に向けて取り組んでまいりました。しかし、一方では道路・橋梁などの老朽化が進み、これらの財産をどのように将来に引き継いでいくのかが問われています。さらに、人口減少と高齢化による空家・廃屋の増加といった課題や、高齢者に配慮したまちづくり、バリアフリー化への要請も高まっています。
 このような中で、町民生活の基盤となる社会資本を計画的に維持更新することが求められています。

 それでは、この分野の具体的な事業展開について、以下大きく2点に分けて申し上げます。

 1点目の「快適に暮らせる住環境の整備」についてでありますが、
 都市機能の整備では、高齢社会に配慮したまちづくりや防災の視点から町内における都市施設機能の強化が求められており、歩道の再整備を進めます。
 また、老朽化した公園施設の再整備については、公園施設長寿命化計画に基づき、はまなす公園の木製遊具の更新を行います。
 オホーツク斎場については、火葬設備の更新等を引き続き行い、適切な管理に努めてまいりますとともに、オホーツク霊園では、新区画の造成を行ないます。また、合同墓・合葬墓について、アンケートから調査研究を進めてまいります。

 民間住宅の建設の促進については、昨年から制度拡充しました快適住まいのリフォーム事業を継続して進めてまいります。
 また、空き家対策については、実態調査を進めながら、景観上の観点から新たな制度について調査検討をしてまいります。

 公営住宅整備事業の推進については、繰越事業含め、町営住宅等長寿命化計画に基づき、新光北団地の建て替えを継続して進め、改善事業では本年度で完了するウトロ高原団地のほかに、かえで東団地・新望岳団地について、本年度から事業を実施してまいります。


 2点目の「快適に暮らせる社会基盤の整備」についてでありますが、
 道路の整備促進については、国道、道々などの未整備区間の整備促進と、老朽化した橋梁等の早期改修に向けて、国や北海道に対し引き続き要請してまいります。町道の整備では、都市計画区域内の6路線の整備と、羅萠道路など2路線の整備を引き続き実施してまいります。

 道路の適正な維持管理では、道路ストック総点検に基づき、計画的な保全対策を行い、道路性能の回復を図ってまいります。また、橋梁については引き続き、橋梁長寿命化修繕計画に基づいた計画的な事前補修を進めてまいります。

 冬期道路交通の確保については、老朽化した除雪機械を更新し、効率的な除排雪に努めるとともに、国道、道々の各管理者間との連携強化に努めてまいります。

 海岸と河川の保全については、海岸浸食の著しい前浜海岸保全と冬期間における波浪被害について、海岸管理者に整備を要請してまいります。 

第4は、「安全安心なくらしをめざす」についてであります。

 斜里町は、犯罪や事故、災害が、比較的少ないまちですが、生活するうえで、安全安心な暮らしを維持することが大事です。町民生活に欠かせないライフラインを維持し、様々な災害に対する事前の備えができていることが重要です。
 特に、町民生活にとって欠かせない上下水道の安定的な維持に努めるとともに、救急救命や防火・防災のための体制強化を図っていかなければなりません。
 さらに、高齢者の交通事故防止をはじめ、町民の皆さんの交通安全意識を高め、死亡交通事故ゼロをめざすための啓発も必要です。町民の皆さんが犯罪や交通事故の加害者、被害者どちらにもならないようにしていかなければなりません。
 
 それでは、この分野の具体的な事業展開について、以下大きく4点に分けて申し上げます。

 1点目の「命とくらしを守る防災体制の整備」についてでありますが、
 防災計画の充実については、斜里町地域防災計画を補完する各種計画やマニュアルの整備を進めるほか、引き続き避難行動要支援者支援体制の整備に取り組んでまいります。

 災害に強い社会基盤づくりについては、農地をはじめ市街地域の防災・減災につなげるため、右岸排水機場などの基幹水利施設や設備の適正な維持管理に努めてまいります。
 また、災害時の避難所である学校等の公共施設等に公衆無線LANを整備し、情報伝達手段の充実を図るほか、防災拠点である総合庁舎の耐震化に向けて、庁内検討組織を設置し検討を進めてまいります。

 防災対策の充実と意識の向上については、災害に備え被害を最小限にするため、町や関係機関の連携はもとより、地域での防災活動が重要であり、自主防災組織の結成や育成を支援するとともに、防災意識の向上に努めてまいります。


 2点目の「水を守る安定した上下水道の整備」についてでありますが、
 水源、水質、水量の安定供給の確保については、安全で安定した飲料水の供給を行うため、引き続き、配水管布設替工事を実施するとともに、浄水場などの適正な維持管理に努めてまいります。
 また、無水地区における飲料水安定確保のため、各戸の生活用水施設に必要な支援をしてまいります。

 汚水処理事業の継続と水洗化普及については、公共下水道未整備地区の解消と浸水被害の解消への検討を進めるとともに、更なる水洗化を促進するため、未接続者に対する接続要請を進め、水洗化普及に努めます。
 また、合併浄化槽の普及促進については、設置に必要な支援策を継続してまいります。

 上下水道事業の健全経営については、安全で安定した飲料水の供給を行うため、先に策定した経営計画のもとで、その状況を見極めながら健全経営を推進してまいります。
 また、施設更新事業などにあたっては、補助金等の有利な財源を確保してまいります。


 3点目の「命を守る消防救急体制の充実」についてでありますが、
 消防施設・設備と組織の充実については、災害対応の拠点施設となる消防庁舎及び、災害情報の収集・発信に必要な通信指令台、消防救急デジタル無線整備事業が昨年度で終了しましたので、今後は効率的な運用を図り、迅速な出動態勢に努めます。

 救急体制の強化については、高齢社会の進展や救急救命士に求められる高度な救急・救命処置拡大のための訓練、医療機関などにおいての再教育と、ドクターヘリの活用など含め、救命率の向上に努めます。

 防火意識・救命知識の向上については、火災を起こさない、また、傷病者の苦痛の軽減と救命率の向上が求められていることから、火災予防の啓発や、応急手当の技術研修などに努めます。


 4点目の「くらしの安全安心の推進」についてでありますが、
 犯罪の防止と交通安全の推進については、犯罪のないまちづくりや、交通事故防止は町民共通の願いであり、近年の子どもや高齢者を狙った犯罪を防止するため、地域で児童生徒の見守り、高齢者への意識啓発を図るなど関係機関や団体と協力して進めてまいります。

 くらしの相談体制の充実については、安全安心なくらしを維持していくため、消費生活については相談員窓口を継続するとともに、消費者被害を未然に防ぐため啓発を推進するほか、人権、行政相談員など関係諸機関、消費者協会など各団体と連携し、町民生活支援に努めてまいります。

 第5は、「いきいきと自分らしく健やかに暮らせるまちをめざす」についてであります。

 斜里町の高齢化率は32%を超え、高齢化が進んできており、医療、介護、福祉への需要の増とともに、障がいを持った方や低所得者家庭など、高齢者福祉同様に支援策が求められています。
 町民が健康で住み慣れた地域の中で、いきいきと自分らしく、いつまでも安心して暮らせるまちづくりのため、医療・介護・福祉における様々な政策並びに施設などの充実と、地域の医療や高齢者、障がい者を支える人材である、医師をはじめとする医療従事者、介護従事者等の人材確保と、周辺でサポートする人づくりを推進するとともに、町民の健康増進と地域全体で子どもや子育て家庭を支えるまちづくりを進めます。
 本年度においては、第6次総合計画と整合性を持った「第2期地域福祉計画」、「第2期斜里町健康増進計画」などに基づく施策を進め、平成29年度で終了する「第6期斜里町高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」、「第4期斜里町障がい者計画・障がい福祉計画(障がい児福祉計画)」の改定を行うこととします。

 それでは、この分野の具体的な事業展開を、以下大きく4点に分けて述べさせていただきます。

 1点目の「いつも元気に安心して暮らせるまちの実現」についてでありますが、
 地域に根ざした国保病院の充実については、内科・外科・産婦人科・小児科の4科診療、救急医療、高齢化社会への対応など斜里町内における役割に加えて、「病院完結型」から「地域完結型」への転換として、2次医療圏であります北網圏域内の役割も期待されているところです。
 この役割を果たしていくためには、医師をはじめとする医療従事者の確保如何にかかっていますことから、引き続き、旭川医大・北大・札幌医大など関係機関との連携並びに民間医師紹介事業者の活用に努めてまいります。
 また、昨年度より発行を再開した「病院だより」の継続発行に加え、本年度においては「病院ホームページ」を更新し、町民に対する病院情報の積極的な提供、さらに医療連携や医師招聘のための情報発信に努め、医療サービスの向上につなげてまいります。
 さらに、国から示されました「新公立病院改革ガイドライン」に基づく「新斜里町国民健康保険病院改革プラン」の策定については、病院としての「基本方針」を早期に取りまとめます。また、その方針に基づいた取り組みを進めていくことにより、健全な病院事業運営につなげ、町民に信頼される病院をめざし、地域医療の中核を担う責任を果たしてまいります。

 地域医療体制の充実については、引き続き診療体制及び救急医療体制の確立に向けて、網走医師会への「救急医療体制づくり業務委託」や、人工透析患者の通院などの支援をしてまいります。また、冬期間の吹雪等における人工透析患者への対応や、安心出産エントリーシステム119の取り組みを進めます。

 生涯を通じた健康づくりの推進については、「第2期斜里町健康増進計画」を着実に進め、「健康づくり推進事業」を充実し、町民の健康意識向上を目的として「健康まつり」を継続します。
 「大腸がん検診」、「子宮頸がん・乳がん検診」のほか、新たに「胃がん・肺がん検診」について、対象者に対する個別勧奨やクーポン券により検診率向上を図るとともに、ピロリ菌検査を実施し、がんの早期発見に努めてまいります。
 感染症予防事業では、「小児への各種ワクチン接種」、「成人風しん予防接種事業」、「日本脳炎予防接種」を定期接種として実施します。また、高齢者に対するインフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチン等の接種を継続し、疾病予防に努めてまいります。
 少子化対策としては、出産に係る経済的負担の軽減を図るため、新たに「妊産婦安心出産支援事業」に取り組んでまいります。 


 2点目の「気持ちの通う高齢者福祉の充実」についてでありますが、
 高齢者の生活を支援する取り組みの促進については、高齢化の進行に伴い「ひとり暮らし高齢者」や「高齢夫婦世帯」、「認知症高齢者」が増加し、様々な課題も発生してきておりますことから、地域包括ケアシステムの構築をめざし、「総合事業」、「包括的支援事業」の地域支援事業の取り組みを充実します。
 また、高齢者や体の不自由な方の外出や、生活支援の観点から、引き続き地域公共交通事業を進めてまいります。

 介護保険サービスと介護予防事業の充実については、「第6期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」に基づき、介護保険事業の健全な運営、介護サービスの充実に努めてまいります。また、日常生活圏域ニーズ調査、在宅介護実態調査を踏まえて、「第7期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」を策定してまいります。

 高齢化社会を支える人づくりについては、「介護従事者マンパワー確保事業計画」に基づき、資格取得支援や研修会の開催などを支援してまいります。また、「生活支援体制整備事業」を通じて、ボランティアや地域住民の自主的活動を支援するとともに、児童・生徒向けの福祉・介護体験機会の提供に努めてまいります。


 3点目の「一緒に支え合う地域福祉の充実」についてでありますが、
 地域のネットワークづくりについては、地域全体で支え合うことが重要であることから、「斜里町民生児童委員協議会」や「斜里町社会福祉協議会」などに対して支援してまいります。
 また、地域福祉の充実をめざして「第2期斜里町地域福祉計画」の推進や災害時に対応するための「斜里町避難行動要支援者避難支援プラン全体計画」を推進してまいります。

 障がい者への総合支援と社会参加の促進については、「第4期斜里町障がい者計画・障がい福祉計画」を推進するほか、本年度では「第5期斜里町障がい者計画・障がい福祉計画(障がい児福祉計画)」を策定してまいります。また、障がい者に対する地域の理解を深めるとともに、相談業務の充実を図り、障がいのある人が自立した生活を営むことができるよう支援してまいります。

 福祉相談機能の充実については、ひとり親家庭をはじめとする低所得者などに対して、地域社会から孤立しないように、社会福祉協議会、民生児童委員協議会などと連携を図り、各種制度周知及び相談活動に努めてまいります。


 4点目の「希望を持って子育てできるまちの実現」についてでありますが、
 子育て支援の充実については、短い子育て期を保護者が安心し、喜びを感じながら子育てできるよう支援してまいります。
 これまで子育て支援センターを中心に進めてきた親子の交流や、育児相談などの事業に加え、昨年度より「まち・ひと・しごと創生総合戦略事業」として始めた「みずなら・森のスプーンの贈呈事業」や、ベビーカーなどの「子育て備品貸与事業」などの新たな取組、子育てに関する情報を集めた「子育てガイドブック」の活用により、必要とする情報をしっかりと届け、事業の効果的な運用を進めます。
 児童館、仲よしクラブについては、施設改修や環境整備を行うとともに、学校や地域の方、その他の関係機関と連携しながら質の向上に取り組んでまいります。

 保育の充実については、保育を必要とする保護者が安心して子どもを預けることができるよう保育環境の改善を進めるとともに、多様化するニーズに適切に対応するために、研修等により関係職員の能力・技能向上を図ります。
 また、発達に関する課題については関係機関と連携しながら、子ども達とその保護者が安心して卒園後の次のステップに進むことができるようサポートしてまいります。

 障がい児支援の充実については、特別な配慮が必要な児童が増えていることを踏まえ、関係職員の専門性を高めるとともに「斜里地域子ども通園センター」による早期療育事業やその他関係機関との連携強化により、子どもの成長に応じた適切な支援体制の構築を進めてまいります。


第6は、「心豊かにつながり学び合うまちをめざす」についてであります。

 町の持続的な発展のためには、未来の斜里を担う子どもたちが健やかに成長できる環境づくりと、社会に通用する人材育成のための教育の推進が極めて重要です。
 斜里町でも、少子化、核家族化、共働きなどにより、地域や家庭の教育力の低下が課題となっていることから、行政と地域が一体となって人づくりやまちづくりに取り組まなければなりません。
 国の教育委員会制度改革にもとづいて設置した「総合教育会議」の場も活用しながら、「斜里町教育大綱」を踏まえ、教育委員会と教育施策の方向性を共有して行政執行にあたります。

 教育長から「教育行政執行方針」が示されますので、私は教育行政を支援する立場から主要な事項について申し上げます。


 それでは、この分野の具体的な事業展開について、以下大きく3点に分けて申し上げます。

 1点目の「地域とつながる学校教育の推進」についてでありますが、
 教育内容の改善と向上については、指導主事をはじめ、少人数学級のための臨時教員や学力支援講師、特別支援教育支援員を継続して配置します。また、幼保・小・中・高のつながりや、学力・体力の向上を推進するために教育委員会が設置する教育課程検討委員会や、特別支援教育連携協議会などの活動を支援します。

 教育環境の向上については、スクールソーシャルワーカーを引き続き配置するとともに、不登校の児童・生徒に対する適応指導教室の運営を支援します。
 斜里中学校では外構整備に着手するほか、グランド整備に向けた調査設計を進めます。
 学校統合にともない運行体制が強化されたスクールバスについては、引き続き8路線での運行を継続し、児童・生徒の安全・安心な通学環境の確保に努めます。
 学校給食の提供については、老朽化した設備の更新に加えて、食物アレルギーをもつ児童・生徒の安全を最優先にした体制を継続します。
 また、斜里中学校吹奏楽部や斜里ジュニアバンドの楽器更新を計画的に進めるほか、知床ウトロ学校と斜里中学校にICT教育機器を配置し、より効果的・効率的な学習環境を整えます。

 地域と学びあう学校教育の推進については、「土曜授業」の本格実施のほか、知床ウトロ学校へのコミュニティ・スクール導入など、地域と学校の関わりをより充実させる取り組みを支援します。また、世界遺産学習をはじめ、知床の自然や文化を知り大切にする「ふるさと学」の振興など、特色ある教育活動を支援します。
 斜里高等学校については、「知床・産業系列」など、特色ある教育活動への町職員の講師派遣のほか、遠距離通学者への交通費助成や進学・キャリアアップへの支援の拡充、部活動の全国大会出場経費助成制度の創設など、総合学科の魅力ある学校づくりのための支援策をさらに強化します。


 2点目の「地域を支え育てる人材の育成」についてでありますが、
 地域資源を生かした交流活動の充実については、豊かな自然環境やその恵みを受けた産業を最大限に活用し、各社会教育施設で行われる町民の生涯学習活動など、様々な交流の場面を生かした人材育成を進めます。

 生活習慣を育む家庭教育力の向上については、親同士の学び合いや仲間づくりの機会の提供など、「親の育ち」を応援する学習機会を確保します。


 3点目の「地域を育む社会教育活動の推進」についてでありますが、
 公民館を活用した生涯学習の充実については、子育て中の親子向けから高齢者対象まで、生涯各期に合わせた講座等を幅広く展開し、地域を支え育てる人材の育成に取り組みます。特に昨年度に組織された「斜里ユースまちづくり委員会」の活動を支援し、若者独自の発想をまちづくりに生かしていきます。

 健康づくりとスポーツ活動の推進については、子どもの体力・運動能力向上のための幼児期からの教室を実施するなど、斜里町スポーツ推進計画に基づいた生涯スポーツ推進を図るとともに、各体育施設の修繕や設備更新を進めます。なお、老朽化の著しいウトロスキー場の圧雪車を更新します。また、保健福祉分野との連携により、介護予防の観点に立った運動の普及を推進します。

 暮らしに寄りそう魅力的な図書館の運営については、利用者数が大幅に増加した新図書館をより魅力的な施設とするため、引き続き町民参加型の図書館運営を進めるとともに、「交流・憩い・学びの場」として機能させ、町民に親しまれる施設づくりを推進します。また、学校図書室との一層の連携強化を図ります。

 自然と歴史を守り、学ぶ博物館活動の推進については、博物館活動や講座を通して地域の自然や歴史に興味を持つ子ども達の育成を図ります。
 また、老朽化した館外施設に分散保管している収蔵資料等については、旧朱円小学校への集約化を計画的に進め、保管環境の改善に努めます。
 「チャシコツ岬上遺跡」は、地域の歴史資源としての活用を図るため、オホーツク文化期の竪穴住居跡の学術発掘調査成果を取りまとめ、国指定の史跡登録を目指します。


 第7は、「町民が主役になって住みよいまちをめざす」についてであります。

 自治基本条例は「情報共有・町民参加・協働」の三つを基本原則として、まちづくりを進めるとしています。しかし、町政に関心はあっても参加が苦手といった方もおり、今後、町民参加の場や機会の拡大、環境づくりを行政活動の、どの分野でも行っていく姿勢が必要です。
 町民が主役となったまちづくりを進めるには、もっとも身近な組織である自治会をはじめ関係団体の主体的で自主的な活動が必要であります。今後とも住民とのパートナーシップによる住民との協働のまちづくりを進めるためにも、住民と行政が情報を共有できる環境づくりが重要です。
 地方行財政を取り巻く環境は、めまぐるしく変化する社会経済情勢を背景に、行政ニーズの多様化が進み、機敏に対応できる機動性の高い組織が求められております。効果的・効率的な行政運営と足腰の強い財政基盤があってこそ健康なまちをめざすことができることから、第5次行革大綱の基本方針である「地域力・組織力・財政力」の向上をめざしてまいります。

 それでは、この分野の具体的な事業展開について、以下大きく2点に分けて申し上げます。

 1点目の「地域が輝くつながりのあるまちの実現」についてでありますが、
 情報公開と情報共有の推進については、行政情報をわかりやすく適切に伝えるためにも、広報広聴活動は重要であり、本年度は、広報「しゃり」の増頁により情報量の拡充に取り組むとともに、ホームページやSNS等による積極的な情報発信に努めてまいります。
 また、出前講座や「あ~ったか移動町長室」等をとおして、住民との情報共有を図り、意見公募手続(パブリックコメント)により、町政に町民の意見や要望を反映させる機会を設け、町民との協働による開かれたまちづくりを推進してまいります。

 町民参加と協働の推進についてでありますが、自治基本条例が求める「協働」によるまちづくりを進めるためには、情報の提供とともに町民の協働意識の向上と、参加機会の拡大を図っていくことが重要であります。
 自治基本条例の考え方などについて、継続的な普及啓発に努めるとともに、町民の行政への参画を幅広く求め、参加意識を醸成する環境整備の取組として、審議会委員等への「無作為抽出による公募委員登録制度」の本格導入に向け、昨年度からの試行を実践してまいります。

 魅力ある地域活動の推進については、町民が主役となり、自治会をはじめ関係団体の主体的な活動が必要であります。
 特に自治会活動は住民自治の原点であるとともに、まちづくりには必要不可欠な存在であります。自治会の主体的な取り組みに対し各種支援を継続するとともに、情報提供だけでなく共有しながら、自治会連合会及び各自治会と連携強化を図ってまいります。
 また、元気で活力のある、賑わいの感じられる地域づくりのための自治会が行うソフト事業を、「協働によるまちづくり推進事業」により支援します。

 多様な交流の展開については、姉妹町・友好都市との交流をはじめとした物産交流などを通じて、歴史や自然・文化・芸能など相互理解を深めるとともに、各地のふるさと斜里会との交流を推進してまいります。
 国際交流については、民間での幅広い交流研修活動を引き続き支援をしてまいります。

 2点目の「社会変化に対応できる健康なまちの実現」についてでありますが、
 効果的・効率的な行政運営につきましては、時代の変化や多様化・複雑化する行政課題への対応や、最小の経費で最大の効果をあげ、住民が求めるサービスを最良の形で提供していくため、行政改革を一層推進していく必要があります。
 第5次行政改革については、実施項目の計画的な進行管理に務めるとともに、人材育成の取組においては、「人事評価制度」の運用により、職員の意欲・能力及び組織力の向上に向け取り組んでまいります。
 少子高齢化及び人口減対策につきましては、「斜里町まち・ひと・しごと創生総合戦略」に掲げる「雇用・就労環境の充実」ほか9つの基本施策に基づき、国の交付金を活用するなど、地方創生の実現に向けた効果的な施策を展開してまいります。
 「テレワーク推進事業」につきましては、人材確保・誘致につながる必要な施策として、「地域おこし協力隊制度」の活用など、取り組みを強化するほか、若者の定住と地元への就職を促進するため、本年度から斜里町奨学金の一部免除制度を導入し、奨学生のUターンを支援してまいります。
 さらに、公共施設等の総合的かつ計画的な基本方針を定めた「公共施設等総合管理計画」に掲げる「施設用途別のマネジメント方針」に基づき、施設ごとの実施計画の検討を進めるほか、本年度においては旧大栄小学校と旧赤木体育館の除却を実施いたします。

 地方自治体にとって最も大きな比重を占める地方交付税は、基準財政需要額及び基準財政収入額の動向により交付額が決定され、町税収入の増減に伴い、普通交付税においても同様に増減するものであります。
 平成29年度の普通交付税は、国の地方財政計画を勘案し、前年度交付実績及び町税収入を加味した中で、前年度交付実績比で4.0%の減額となる予算を計上しています。
 町税収入は、経済情勢が依然として厳しい状況にありますが、給与所得や営業所得、農業所得などは落ち込むものの、漁業所得の伸びが見込まれることから、個人町民税では増収を想定しており、法人町民税、軽自動車税、たばこ税についても前年実績を踏まえ、増収を見込んでいます。
 固定資産税では、家屋の新増分を加味しつつも、償却資産の減価の影響が大きいと見込まれることから減収を想定しており、都市計画税、入湯税についても前年実績を踏まえ、それぞれ減収を見込んでいます。結果として、町税全体では、前年当初予算と同程度(対前年比0.2%増)の予算を計上しています。
 税・料の収納対策につきましては、現年度収入額の確保はもちろんのこと、納期内納税者との公平性の観点から、これまで同様に不動産や給与、預金などの差押及び換価などの滞納処分を迅速に取り組み、滞納額の圧縮により収納率の向上に努めてまいります。
 また、住民への利便性の向上を図るため、本年度から休日や夜間でも身近なコンビニで町税等を支払えるコンビニ収納サービスを実施します。中期財政収支試算において推計しておりますとおり、今後の財政運営においては、行財政改革を進めるとともに歳入に見合った歳出の計上に努め、引き続き長期的視点に立った健全な財政運営をめざしてまいります。

4.平成29年度の予算規模

 本年度の一般会計予算は、80億4,912万6千円で、前年度当初予算比較では、6,035万9千円、率では0.8%の増額予算となりました。
 本年度の主な事業につきましては、昭和52年にスタートした「しれとこ100平方メートル運動」の40周年記念事業の331万6千円をはじめ、災害時の避難場所での情報伝達手段の充実を図るため、庁舎、ぽると21、さらに各町立学校への「無線LAN整備事業」で、1,007万7千円、平成27年度からの継続事業としての「知床自然センター改修事業」で、1億2,293万5千円、人工透析患者の方の町外医療機関への「送迎支援事業」で、672万3千円、「多面的機能支払支援事業」で、1億4,275万7千円、伐採期を迎えている町有林の適期施業を図るための現況調査としての「町有林管理調査事業」で、130万円、漁港整備では、「斜里漁港及び知布泊漁港」で、5,895万円、「斜里町商工会助成事業」では、継続事業の消費拡大事業をはじめ、地域ブランドの向上を図るための「商品デザイン等リニューアル支援事業」で、510万円、昨年度から実施している「学校ICT整備事業」では、知床ウトロ学校と斜里中学校分で、1,715万3千円、「斜里高等学校間口維持対策事業」では、町内や町外生徒への通学費等の助成及び振興会助成をそれぞれ拡大しての実施で、901万2千円、「ウトロスキー場の整備事業」としての圧雪車の更新で、2,800万円などとなっております。
 また、昨年度に引き続き、将来的な人口減少に対応し、人口減少克服に向けた施策の充実、強化を図るため、国の「地方創生推進交付金」を活用しての「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の事業展開を図ることとしており、3月補正においての「地方創生拠点整備交付金」を活用しての「つなげる・つながる子育て拠点整備事業((仮称)生涯アクティビティセンター(児童館)増改築工事)」を含めての事業費としては、18事業で、2億2,491万6千円となっております。
 特別会計では、国民健康保険事業特別会計他4特別会計で、42億217万4千円、前年度比較では2,010万5千円、率では0.5%の減額予算となったところであります。企業会計では、病院事業会計と水道事業会計で、23億9万8千円で、前年度比較580万2千円、率では0.3%の増額予算となったところであります。

5.むすびに

 以上、平成29年度の町政執行方針を述べさせていただきましたが、これからのまちづくり、斜里町づくりは、役場だけでできるものではありません。町民の皆さまの知恵と力が必要です。
 斜里町自治基本条例の趣旨にこだわって、町民の皆さまとともに計画づくりをした「第6次斜里町総合計画」を堅実な中にも確実に実行してまいります。
 平成29年度は、その総合計画4年次目となりますが、引き続き斜里町のメリットを生かした持続可能な斜里町づくりを、町民の皆さまとの対話を大切にする中で、確実に進めてまいります。

 町民と町議会の皆さまのご理解とご協力を心からお願い申し上げ、私の執行方針といたします。

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