知床は全域がヒグマの生息地です

   知床はヒグマの生息密度が高い地域です。クマはどこでもいると思ってまちがいありません。クマはむやみに人を襲うことはなく、むしろ人を避けて行動します。しかし、強力な力を秘めた野生動物であることも忘れてはなりません。人間側がいろいろなルールを守ることで、ほとんどの問題は回避できます。

出会わないようにすること、引き寄せないことが、最も大切
クマに出会ったら
もし、近付いてきたら
万が一、襲われたら
安全なキャンプを

出会わないようにすること、引き寄せないことが、最も大切

自分の存在を知らせてやって下さい

   人の接近に気付くと普通はクマの方で避けてくれますが、気付かぬまま至近距離で出会うと危険です。鈴や笛で物音を立てながら歩くと、ほとんどの遭遇を避けることができます。クマは嗅覚や聴覚に頼って生活しています。風が強いときや風上に向かって歩く時、水音が騒々しい沢沿いでは特に注意が必要です。

危険なクマを作らない

   人間の食物の味をしめたクマは、人によって来るようになり、たいへん危険です。ゴミを捨てたり埋めたりするのは絶対にやめて下さい。あなたの後からそこに訪れる人たちまで、危険に陥れることになります。

犬を連れ歩くのはやめましょう

   人に気付いたクマは、すぐそばに潜んでやり過ごそうとすることがよくあります。そんな時、敏感にクマに気付いた犬が吠えかかると、クマを興奮させ無用の危険を招きます。特に犬を放して歩くのは危険です。

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クマに出会ったら

まず冷静に

   落ち着いてクマを驚かせないこと。ほとんどの場合、クマの方で逃げていきます。遠くに見えたら、そのまま静かに立ち去りましょう。

近づかないで

   特に仔グマに近付くのは自殺行為です。近くに必ず母グマがいます。

車から降りないで

   車で走行中にクマを見ても、決して車から降りてはなりません。

騒がない、走らない

   興奮して追いかけてくる可能性があります。クマはあなたよりもはるかに早く走れます。立ち上がって鼻をヒクヒクさせて周りを見回していたら、あなたが何者かを確認しようとしているのです。両手を上げて大きくゆっくり振って静かに声をかけ、人がいることを知らせてやって下さい。

絶対に餌を与えてはいけません

   人を付け回したり、人家を襲うような極めて危険なヒグマを作り出してしまいます。絶対にやめて下さい。

空き缶投げ捨てもダメ

   ジュースなどの匂いがついたものをかじって、学習してしまい、封を切っていない、つまり、匂いが一切しない缶までねらうクマがいます。これは、投げ捨てられた空き缶で学習したものと考えられます。空き缶の投げ捨ては重大な結果を引き起こします。

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もし、近付いてきたら

それでも、騒がない、走らない

   かえって興奮させる可能性があります。相手の動きをよく見ながら、ゆっくり後退しましょう。気付かずに近づいているのかもしれません。落ち着いて声をかけてやりましょう。

クマが手を付けたものを、取り返そうとするのは危険です

クマスプレーを持っていたら

   アメリカで開発されたクマ撃退用のスプレーが、登山用品店などで入手できます。もし持っていたら、発射可能な状態に用意しましょう。有効射程は4〜5mです。離れているときに使っても無意味です。有効射程内に入り、さらに接近してくる時だけ使いましょう。
   アメリカでの例では、攻撃的な行動を90%以上の確率で停止できるとされています。しかし、100%ではありません。あくまで最後の手段として用いるべきです。クマの顔をねらって一気に全量を噴射させます。

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万が一、襲われたら

威嚇行動に注意

   突進と後退を繰り返して威嚇するだけのことがよくあります。ここで大騒ぎすると本当の攻撃を誘発します。極力冷静さを保ちましょう。万一本当の攻撃であれば、クマスプレーが有効です。

本当に襲われたら

   確実な対処法はありませんが、アメリカでの研究では抵抗してさらに激しい攻撃を招くよりは、じっと抵抗しない方がはるかに助かる確率が高いとされています。ほとんどの攻撃行動は防衛的なもので、短時間で去っていくからです。その時は体を丸めて地面に伏せ、両手を首の後ろで組んで顔面やのどや腹部を守ります。リュックを背負っていたら、それは背中を守るプロテクターになります。

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安全なキャンプを

場所選びは慎重に

   キャンプ場や指定地以外でキャンプするのはやめましょう。クマを見たり新しい足跡や糞などがある場所は避けましょう。

食事の匂いに要注意

   テント内に食料を保管したりテント内で調理や食事をするのは厳禁です。テントにクマを引き寄せてしまいます。テントから十分に離れた場所(100m位)で調理し、ゴミや食べ残しを放置しないこと。
   食料やゴミ、鍋や食器はビニール袋などで密閉して匂いがもれないようにし、車のトランクに入れるか、あるいはリュックに入れてテントから充分離れた高い木に吊しておくのが安全です。

登山道のキャンプでは

   高い木がない高山帯のキャンプでは、木に吊すこともできません。アメリカでクマ対策用に開発された携帯用コンテナ(ベアーレジスタントコンテナ)が利用できます。
   まず、食料やゴミなどクマを誘引するものをビニールでパックして匂いが漏れにくいようにしてコンテナに詰めます。寝るときには、テントから十分に離して地面においておきます。食料目当てにクマがテントに来ることを防ぐことができます。

ベアーレジスタントコンテナ・・・・・円筒型の強化プラスチックで、クマに破壊されないことが保証済み。アタックザックなどに詰めることができるサイズ。クマが多く生息しているアラスカの国立公園では、携帯が義務づけられているところもある。米国REIの通信販売や、アウトバック社(クマスプレーの輸入元、TEL 019-696-4647 )で購入できる。

知床連山縦走路には、クマ対策食料庫があります

   知床連山を縦走する際のキャンプ指定地は、羅臼平・三ッ峰コル・二ッ池・第一火口です。各キャンプ指定地には日本初のクマ対策食料庫(フードロッカー)が設置されています。

三ッ峰      1998年7月
二ッ池      1999年6月
第一火口  2000年7月
羅臼平 2002年6月

   食料庫は丈夫な金属製で、クマに壊されない構造になっています。テントで寝るときには、食料・ゴミを匂いが出ないようにビニルなどでパックして、保管庫に入れて下さい。テント内に食料などを保管しないで下さい。
   クマが生息する北米の国立公園のキャンプ地では、食料庫の設置が常識ですが、日本ではまだ普及していません。

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(財)自然トピアしれとこ管理財団
0152-24-2114

※このページは斜里町環境保全課の資料を基に一部加筆して作成しました