知床半島沿岸・油汚染海鳥漂着の経過について(斜里町)


3月29日以降の動き

<記事一覧>
*3月29日(水)第3回油汚染漂着海鳥回収作業について

*4月4日(火)3月29日回収オオワシの死因は油による二次被害と断定。累計総数5,339羽に
*4月10日(月)小清水町内で漂着したドラム缶に関連して
*4月13日(木)斜里町内の漂着ドラム缶について
*4月13日(木)知床岬地区現地調査を14日実施
*4月14日(金)知床岬地区現地調査
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■3月29日(金) 第3回目の油汚染漂着鳥類の回収作業を実施しました。前回回収後から今回の回収までの総数は1,340羽で、これまでの累計総数は5,338羽になりました。

本日、午前9時から、油汚染漂着海鳥類の回収を、地域の協力団体の皆様と関係行政機関と合同計85名で実施しました。

*実施主体 環境省釧路自然環境事務所・北海道網走支庁・網走土木現業所・斜里町・網走海上保安署・斜里警察署(50名)

協力団体 ウトロ漁組・斜里第一漁組・知床森林センター・自然公園財団知床支部・日本野鳥の会オホーツク支部・猛禽類医学研究所・知床野鳥の会・知床財団・知床ガイド協議会・ウトロ自治会・知床の海岸をきれいにし隊・東オホーツクシーニックバイウェイ推進協議会(35名)

*回収範囲:斜里町峰浜〜イワウベツ川までの海岸

*回収状況:融雪がゆっくりと進んでおり、隠れていた漂着死体が新たに回収されました。回収した個体は斜里町役場環境保全課の車庫に集められ、専門家(猛禽類医学研究所、日本野鳥の会オホーツク支部、知床野鳥の会等)による同定・分類作業を実施しました。回収内訳は写真下に示した表の通りです。

  
回収作業には地域の団体の皆様にご協力いただきました。誠にありがとうございました。
回収分類作業風景

*今後について:回収作業終了後に降り始めた雪が激しくなっており、本日19時半現在で20cm程度の積雪となっています。再び融雪を待って回収を行う予定です


*斜里町内・油汚染鳥類回収内訳(区間1〜3地図区間4〜10地図区間11〜地図
平成18年3月29日現在・斜里町内
区 間 河川名 回収作業
16日までの
回収個体
17〜29日の
回収個体
合計
1 イワウベツ川河口 イワウベツ川 74 182 256
2 A:プユニ先端科〜ホロベツ川右岸 ホロベツ川 151 14 165
B:ホロベツ川左岸〜ウトロ港 1,275 84 1,359
3 ウトロ港周辺〜亀岩 ペレケ川 267 61 328
4 亀岩〜弁財覆道 フンベ川 324 154 478
5 弁財覆道〜オシンコシントンネルウトロ出口 オショコマナイ川 439 244 683
6 オシンコシン滝〜オンネベツ川右岸 チャラッセナイ川、オペケプ川、シャリキ川 793 321 1,114
7 オンネベツ川左岸〜金山川右岸 オンネベツ川 330 201 531
8 金山川左岸〜知布泊港 金山川、オショバオマブ川、オタモイ川、オチカバケ川 151 52 203
9 知布泊港〜糠真布川右岸
155 23 178
10 糠真布川左岸〜峰浜ドライブイン 糠真布川
シマトッカリ川
4 0 4
11 峰浜ドライブイン〜奥蘂別川
29 - 29
12 奥蘂別川右岸〜以久科原生花園
6 4 10
13 以久科原生花園〜斜里川右岸 斜里川 0 - 0
14 斜里川左岸〜ウエンベツ川右岸 ウエンベツ川 0 - 0
合   計 3,998 1,340 5,338

*斜里町内種別内訳

平成18年3月29日現在・斜里町内

16日までの
回収数
17〜29日の
回収数
合計 割合
総 合 計 3,998 1,340 5,338 -
内 訳 ウミスズメ科 3,949 1,330 5,279 98.9%
(上記のうちウミガラス) (89) (17) (106)
カモメ科 28 7 35 0.7%
その他・種不明 21 3 24 0.4%

*オオワシの死体回収について
今回の回収作業では、オオワシの死体1羽も回収されましたが、外観上油の付着は見られず、油汚染との関係が不明であったため、
上記カウントには含めていません。現在、専門機関で死因の解明をしています。
 


■4月4日(火) 3月29日に斜里町内で発見回収されたオオワシの死因について

本日環境省釧路自然環境事務所より、29日の一斉回収の際に発見されたオオワシについて、油に汚染された海鳥を摂食したことに起因する循環器不全により死亡と診断されました。これにより、このオオワシが二次被害による犠牲であることが確定、今回の油による回収総数は1羽増えて、5,339羽となりました。

回収されたオオワシに関する情報)
・性別・年齢 不明・成鳥 
・発見日時  平成18年3月29日 午前10時頃
・発見場所  斜里郡斜里町字日ノ出 幌泊海岸
・発見時の状況 油汚染海鳥類の一斉回収時に死体を発見した。死体は海岸の波打ち 際近くにうつ伏せ状態にあり、砂を被っておらず食害もされていなかった。
・処理状況  外貌からは傷等の異常は認められず


(以下環境省報道発表原文のまま)

収容日  平成18年3月29日(水)午前10時

収容場所 斜里町日の出(幌泊海岸)

解剖の概要
・外傷、感染症などの所見は認められなかった。
・胃内より黒褐色の油に汚染された多量の未消化物(海鳥)が検出された。海鳥の種類はウミスズメ類及びウミガラス類と考えられた。
・重度の消化管障害が認められ、心臓、肝臓、腎臓等の臓器においても異常が見られ、これらは重油の経口摂取時に認められる所見に合致していた。
・個体の状況から既往症は認められず、比較的早い経過で死に至ったと考えられた。
・本個体は油に汚染された海鳥を摂食したことにより、急性かつ重度の消化管障害及び全身性多臓器不全を発症し循環器不全により死亡したと考えられる。

その他
 胃内より検出された油に汚染された海鳥は、種類及び油の性状から2月末より斜里町沿岸を中心とするオホーツク海沿岸に多数漂着している油汚染海鳥である可能性が高いと考えられる。



解剖の為釧路に移送される直前のオオワシ3月29日

■4月10日(月) 小清水町に漂着したドラム缶に関連して

 小清水町内でハングル文字の入ったドラム缶が2本漂着したことを受けて、斜里町内海岸についても、監視しています。これまでに4本のドラム缶が発見されましたが、小清水町で発見されたものとは異なり、いずれも古くかなり以前に漂着したもので、今回の件とは関連はないようです。

■4月13日(木) 斜里町内の漂着ドラム缶について
 次々と発見連絡が寄せられるドラム缶の確認作業に終われ、情報提供が遅れたことをお詫びします。
 斜里町内の漂着ドラム缶について、現地確認を進めてきましたが、内容物の入ったドラム缶が少なくとも4本あることがわかりました。このうち3本は日本製で船舶用ディーゼルエンジン潤滑油のラベルがありました。一本については錆びがひどく、不明です。いずれも内容物の漏出などはありません。
 これらのドラム缶は回収の予定ですが、斜里町の場合、岩礁地帯など車輌等の乗り入れが困難な場所に漂着しているドラム缶もあるため、内容物が漏出しないよう回収方法等を慎重に検討しています。
 海鳥との関連は別として、ドラム缶も含め漂着するゴミは地元にとっても大きな課題です。

■4月13日 知床岬地区現地調査を14日実施

 網走海上保安署、網走支庁、斜里町、環境省、ウトロ漁協、斜里第一漁協等、関係機関による知床岬地区の現地調査を実施しました。巡視船ゆうばりにより、知床半島先端の知床岬文吉湾へ上陸し、海岸部を踏査、油の付着した海鳥の有無を確認し、漂着の確認は、時間の許す限り回収作業は行われました。


■4月14日 知床岬地区現地調査

 4月14日に網走海上保安署の巡視船ゆうばりにより、知床岬地区の海鳥漂着状況調査を実施しました。
 しかし、上陸予定の文吉湾内は蓮葉氷がはりつめ、上陸用の警備救難艇が港内を進むことができないため調査は海上からの観察だけとなりました。
 したがって、知床半島先端部の海鳥死体の漂着確認はできませんでした。
 オホーツク海沿岸は、13日夕方からの降雪のために斜里市街でもあらたに10cmほどの積雪があり、気温は氷点下になりました。再び冬景色となりました。

 写真のとおり、文吉湾の番屋も知床岬周辺も白一色の雪世界でしたが、先端部の台地上にはエゾシカの群れが確認できました。 行き帰りの航海中も、薄いシャーベット状の流氷帯(新たに沿岸で生成された薄氷?)も見られました。

○調査参加機関
網走海上保安署
環境省
北海道
斜里第一漁業協同組合
ウトロ漁業協同組合
斜里町
報道機関同行代表取材(NHK・北海道新聞)


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斜里町役場環境保全課 自然保護係 0152-23-3131