森林再生専門委員会議を開催しました。


100平方メートル運動・トラストの森林再生事業に関して、専門家の意見を聞く森林再生専門委員会議が、

11月26日、27日に開催されました。今年度は、石城謙吉座長、梶光一委員が退任され、北大苫小牧研究林の

日浦勉林長、北海道環境科学研究センター道東地区野生生物室の宇野裕之室長が後任に、また、

石川幸男委員が新しい座長として選出されました。今回は新体制で初の会議でした。

26日は雪がうっすらと積もった運動地で現地調査を実施し、27日は役場で会議を行いました。


◆幌別地域のカエル池:今年8月に自然教室に参加した子どもたちによって、池周辺の木を守る防鹿柵が設置された場所です。
 

◆天然林プロット:運動地に隣接する天然林内に設置されたプロットの様子を視察しました。防鹿柵の内部には、柵外では見られない1m以上に育った広葉樹の苗がありました。柵外ではシカの影響がたいへん強いことがわかります。

 

◆岩尾別地区の大規模柵:イオン環境財団の協力によって設置された大規模柵内です。これまで5年間の共同植樹によって5,000本以上の苗が植栽されてきました。

 
◆平成14年度に実施した100平方メートル運動25周年記念事業の際の植樹地です。順調に生育しています。
 

◆役場大会議室で9時から16時まで長時間にわたって、今年度の作業結果や次年度以降の方針などについて活発な議論が交わされました。

◎会議内容◎

<平成18年度の作業結果と平成19年度の作業方針について>

・森林再生作業が始まった頃に立てた防鹿柵が老朽化しつつあります。これらの初期柵は緊急的に作ったことで

 耐久性が不十分だったためです。順次新しいものへと取り替えてゆくことが提案されました。

・一部地域でカラマツへのシカ樹皮はぎが生じており、まのままでは枯れてしまうことが報告されました。

 カラマツは外来種で将来は減らす必要があります。しかし、防風効果が大きいことから、再生作業上

 必要不可欠な場所に限って当面は保護への配慮を行うことが決まりました。

・サクラマスの資源再生について、今年度も溯上率がたいへん低かったことが報告されました。

 釣りや河川改修の影響などが考えられます。これら色々な要因を含めて総括した上で、さらなる導入を

 するかなど今後の方針を決めることとなります。

・苗畑での広葉樹苗の育成を積極的に行ってきましたが、苗を植えることに力を入れ、苗畑の規模縮小化を

 進めていくことが提案されました。

 

<エゾシカの扱いに関する中間方針の見直しについて>

・中間方針の中に「急増したエゾシカへの対応には、生態系の調整能力を活用し、人為的な調整は行わない」

 という項目があり、これまではフェンスや樹皮保護ネットでシカ対策をしてきました。しかし、現在の方法だけでは

 対応が困難となっています。このことについて、人為的調整も含めて方針を見直すことが提案されました。

 

<第3次回帰期間中における各事業の方向性について>

・第2次会帰作業と第3次回帰作業で現在のところ大きな変更点はない見込みですが、シカ対策の方向性に

 よっては大きな変更が生じることがあります。また、これまでに試みてきたさまざまな作業内容のうちから、

 成果によって取捨選択することも必要です。

 

<生物相復元の方向性について>

・生物相復元については、第1次、第2次の生物ともこれまでに復元の可能性を検討してきました。 

 第1次対象種のサクラマスについては実際に復元の取り組みも始めましたが、実現には多くの

 課題があることがわかってきました。そのため、当面はサクラマス復元を優先し、課題に取り組んで

 ゆくことが合意されました。

 

<運動地の公開について>

・公開試行プログラムについては参加者が見込みより少なく、原因として広報スタートが遅れたこと、

 気軽に参加できるレベル(2時間程度)のプログラムがなかったことなどが指摘されました。

 参加者アンケートでは概ね満足していただいたことがわかりましたが、今年度の結果及び、

 出された意見をふまえて次年度の取り組み内容を検討することになりました。

 

<その他>

・運動地の作業状況についてデータベースを整備すること、ガイド事業や観光関係者を対象に運動地の

 作業内容を伝えるイラストマップの作成、ウトロ地区でのシカ侵入防止柵設置、来年予定されている

 100平方メートル30周年事業案について報告がありました。