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平成21年度町政執行方針

はじめに

平成21年第1回斜里町議会定例会にあたり、町政執行について私の所信と基本的な姿勢を申し上げ、町議会の皆様をはじめ、町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 
私が斜里町の町長としての重責を担わせていただいてから、はや二年を迎え任期の折り返し地点になっています。この間、町民皆様からいただきました温かいご支援と議会議員皆様のご指導に心より深く感謝を申し上げます。

さて、我が国の経済・景気は急激に冷え込み落ち込んでおります。米国金融危機をきっかけに世界経済は混乱期にはいり、わが国の輸出企業だけではなく地場中小企業にも大きな影響が出ており、百年に一度という不況に見舞われております。突然のように多くの人が職を失い、経済や人心に大きな影を落とし社会問題化しております。地域の景気もかつて経験したことのない厳しい状況に置かれております。また若者が平気でお年寄りを騙す「振り込め詐欺」や、汚染米の不正転売に代表される企業モラルの欠如など、いずれも「お金」を簡単に手に入れたいという拝金主義が蔓延する、人間性喪失の社会環境になりつつあります。

国では雇用対策など景気下支え対策を行っておりますが、地方自治体を取り巻く政治・経済・社会の環境は不透明で、閉塞感が漂い、多くの課題が山積しております。財政環境はいぜん厳しい状況の中でありますが、20年度の決算から適用される財政健全化判断指標を念頭に、行政の役割を再確認しながら限られた財源の効率的・効果的配分に取り組んできたところであります。

町民と行政が一体となり、グローバル化の中、まず地域のことは地域で、さらに地域から日本、世界を見つめるという「地域主権」の視点が今後ますます重要性を増しております。「共に考え・共に語り合い・共に行動」の協働精神でまちづくりに取り組んで行きたいと思います。

まちづくりに臨む基本姿勢

(1)町民と協働のまちづくり
行政を取り巻く環境は大きく変化しており、住民との積極的な情報の共有を図り、住民が主体的にまちづくりに参加できる環境整備をおこない住民・行政がそれぞれの役割や特性に応じて協働する地方分権にふさわしい住民主体の魅力あるまちづくりの推進、さらに「まちづくり基本条例」の制定を進め、町民皆様のまちづくり参加の仕組みづくりに取り組んで行きます。

(2)3つの宝物振興と基幹産業の連携
斜里町には三つの宝物があります。「世界自然遺産登録の知床国立公園を抱えたまち」「農業・漁業・観光の足腰の強い3本柱基幹産業を抱えるまち」「お互い様と隣近所が助け合う手と心を持った町民が住むまち」の自然・産業・福祉の増進を図ると共に、農業・漁業・観光商工が連携した新しい6次産業(1次×2次×3次産業)の創設に力を注ぎます。
  
(3)行財政改革と職員の活性化
今年度から新たに第4次斜里町行政改革がスタートします。平成25年度までの5年間の期間ですが、これまでの行政経費の削減を重点とした行政改革に加え、住民サービスの向上につながる組織や機構の構築、住民との協働の構築、柔軟で健全な行財政の確立など、「行政は常に町民のために」を念頭において、さらなるサービスの向上を目指しながら、緊張感と使命を持ち、職務にあたる職員づくりに全力を尽くします。
  
この3つの軸を中心に、マニフェストや第5次総合計画を見据えながら、安全・安心・快適で豊かな生活を求めて行きたいと考えております。引き続き新年度の事業展開を申し上げます。

平成21年度の事業展開

1 世界に誇る自然との共生をめざして

知床の世界自然遺産登録は、「みどりと人間の調和」という町是の下で取り組んできた町政理念の延長線上に位置づけられるものです。しかし、自然との共生は自然遺産登録によってなしえるものではなく、登録を契機として、これまで以上に地元産業や住民生活と一体となった自然保護活動を推進することが、環境自治体である斜里町の使命であります。

(自然保護)
知床の自然環境を守るための重要な視点は、次世代を担う若者を始めとする町民が、こぞって、知床の価値を理解することであると認識しております。住民や関係機関による自然保護活動を支援するとともに、学校における教育活動との連携や、知床博物館、民間事業者等による野外活動の取り組みを通して、学習機会の提供に努めてまいります。

知床財団の活動につきましては、学術的な側面に加えて、国立公園の保護管理をになう役割が益々重要となっております。また、知床半島を一体的な活動領域とする現地法人としての充実した活動が期待されておりますことから、公益財団法人への移行を含めて、設立者として活動への支援を継続いたします。

知床自然センターをはじめとする国立公園関連施設は、知床財団を指定管理者とした運営を行っておりますが、引き続き、効率的な運営をめざしてまいります。また、老朽化が進んでいる知床自然センターの設備や外構の修繕を行い、利用者サービスの向上に努めてまいります。さらに、ダイナビジョンの映像につきましては集客力の向上に向けた検討に着手いたします。

野生動物対策といたしましては、人とヒグマの共存をめざした保護管理対策を推進するとともに、農作物や地元住民の生活域で被害をもたらすエゾシカについては、知床半島エゾシカ保護管理計画と連携した対策を、関係機関とともに進めてまいります。国立公園内における野生動物対策につきましては、環境省による積極的な対応を求めてまいります。

(世界自然遺産)
世界遺産である知床の自然環境を保全し適正な利用を進めるため、「世界自然遺産・知床の保全と管理に関する連絡調整協議会」をとおして、羅臼町と連携した取り組みに努めてまいります。
また、自然環境の保全を優先した利用のあり方を明確にするために、環境省が進める国立公園の利用適正化の検討に参画することにより、関係機関や団体と連携して適正な利用に誘導する施策を進めてまいります。

環境省による、知床五湖高架木道の延長と地上歩道利用のルールが、地元合意の下で策定されたことから、今後は、平成22年度からの制度導入に向けて具体的内容や運用、管理手法、「認定ガイド」の講習等について、新たに設置された「知床五湖利用適正化協議会」による関係機関や地元団体との協議にもとづいて取り組んでまいります。

知床の世界遺産としての価値を維持するため、知床世界遺産科学委員会等の検討に継続して関わるとともに、策定された各種の計画が実効性を持って運用されるよう、地元自治体としての役割を果たしてまいります。

本年4月下旬に開館する知床世界遺産センターにつきましては、ウトロ地域の新たな拠点施設としての役割を期待するだけでなく、来訪者に対する知床のルールやマナーの啓発施設としての機能が十分発揮されるよう、環境省、北海道、知床財団、自然公園財団等と連携して事業展開に参画してまいります。

(100平方メートル運動の森・トラスト)
しれとこ100平方メートル運動は、斜里町の自然保護施策を行うにあたっての根幹となる精神であることから、町民はもとより運動参加者の方々の思いを受け止め、関東支部や関西支部とともに運動の更なる展開を図ってまいります。
運動地の保全につきましては、未買収地の完全取得にむけて、誠意を持って取り組んでまいります。

森林再生事業につきましては、昨年度から5年単位の回帰作業の3巡目に入っていることから、これまでの森づくりの中で効果が確認された事業を選択的に取り組むことによって、作業を効率的に推進し、運動参加者の夢の実現に向けて着実に事業を推進してまいります。

「運動地の公開」については、運動の精神をふまえた形での利用ルール作りを具体化するとともに、公開にあたっては、運動への賛同者の拡大、運動精神の普及・啓発を念頭に、昨年修繕した旧開拓農家を活用した取り組みに努めてまいります。

運動推進に関わる公文書等の資料の整理・編纂を昨年から行っておりますが、本年はこれらの結果を「報告集」として取りまとめるとともに、運動の歩んできた道のりを一般に広く伝える「書籍」を出版することにより、30年を画期としたまとめの作業を行うこととしております。

(みどりの環境)
みどりの環境づくりの推進につきましては、海岸林などの身近な森林や良好な水環境の保全に努めるとともに、景観形成のための取り組みを関係機関と連携して進めてまいります。

2 活力に満ちた産業の振興をめざして

本町の経済は農業、漁業の基幹産業と、世界自然遺産知床を背景に発展する観光産業、さらに、商工業によって支えられており、活力ある地域づくりのため、各産業の振興、産業間の連携は極めて重要であります。

(農業)
斜里町の農業は町の基幹産業の一つとして、地域の経済の発展に大きく寄与しているところであり、農業の持続的発展を支える取り組みをしっかりと進めていくことが必要です。

WTO農業交渉や日豪EPA交渉は、いつ急激な動きがあるか分からない危険水域にあり、地域経済にとって壊滅的な打撃を受けかねない厳しい事態となることが懸念されるところです。一方では、世界の穀物需給が逼迫の様相を呈する中での、過去に例を見ない肥料など農業生産資材の価格急騰は、農家経営を直撃しています。また、内外の食の安全・安心に対する信頼が大きく揺らぎ、一気に食への不安が広まっています。

「いったい、日本の食料はどうなるのか」、食料自給率への関心が高まっており、食料自給率50%目標達成への政策課題が、いま最も重要となっております。また、平成19年度から導入されました「水田・畑作経営所得安定対策」は施行後3年で見直しがされることになっており、これらの情勢変化や制度改正への着実な対応を図るとともに、政策課題の実現に向けては、これら混迷した農政改革の原点を再確認する中で、関係機関と一体となり要請行動をしていくこととします。

生産基盤の整備では、斜里地区における畑かん事業をはじめ、暗渠など面事業含め4地区の道営事業を継続実施してまいりますが、道の土地基盤整備事業予算の大幅な縮減により、事業進捗の遅れが懸念される状況となっています。一日も早い事業完了に向けた対応を、期成会と連携しながら取り組んでまいります。
また、既に完了した畑地かんがい施設の維持・管理につきましては、1市4町で組織する斜網維持管理協議会で適切な管理を行うとともに、末端施設の地元における維持管理体制の機能化について支援してまいります。

農業者から要望の強いシカ柵の再整備につきましては、国の「鳥獣被害防止総合支援事業」を活用し、平成21年度から当面3年間実施する予定であり、これを支援してまいります。

肥料価格高騰対策としては、国・道が実施する「肥料・燃油高騰対応緊急対策事業」への着実な対応を図ることが必要となっております。斜里町においては、従来から土づくり対策として、土壌診断を奨励し、クリーン農業の推進施策として、緑肥種子代の助成措置を行ってきており、時下ますますこれら諸施策が重要性を増しているところであります。地域で進める肥料使用量の削減と施肥体系転換のため、土壌分析装置の更新に対する支援や、土づくり事業の拡充による対策を講じてまいります。

「担い手育成総合支援協議会」については、今年度から、斜網・美津地域の広域組織を斜里町単独の組織に移行することとなりました。町・農協・農業委員会・農業改良普及センターの構成四団体が密接に連携して、地域農業の担い手の育成・経営改善・円滑なる農用地の利用集積促進などを図るための各種の事業に取り組んでまいります。

また、みどり工房しゃりの運営管理については、今年度から一部を指定管理者による管理に移行することと致しました。農業に精通した農業団体による効果的・効率的な管理執行体制により、より高い利用者サービスの向上が図られることを期待しているところです。

畜産の振興では、食品の安全安心に対する消費者意識が高まる中、衛生管理を徹底した生産を重視する、良質原料確保の要請が強まっています。農場における疾病予防を図るなど、関係機関と連携した防疫体制の確立に向けての活動を支援してまいります。また引き続き、飼料基盤条件整備事業の実施により自給粗飼料の確保を図り、酪農ヘルパー団体の活動についての支援を継続してまいります。

(林業)
森林は、木材資源であることはもとより、地球温暖化防止対策の二酸化炭素吸収源として大きな役割を担い、多種多様な公益的機能が十分発揮できる森づくりが求められているところであります。このため、林業振興は重要であり森林の整備促進とともに労働力確保のため関係団体と連携し、各種制度の活用を図り担い手対策を支援してまいります。

一般民有林の整備につきましては、昨年新たに制定された既存の補助事業では対象外とされる手入れの遅れている高齢級の間伐などが施業対象となる「美しい森林(もり)づくり基盤整備交付金事業」と、引き続き各種補助事業等を活用し、森林所有者の森づくりへの意欲増進と施業の負担軽減を図るため、支援をしてまいります。
町有林につきましても、森林機能向上のため補助事業を活用し適正施業と管理に努めてまいります。

(漁業)
水産業の振興につきましては、基幹漁業である「さけます定置網漁業」の安定した漁獲生産が最も望まれているところであります。そのためには「ふ化放流事業」による永続的で安定した資源づくりが重要であるため、本年度秋の川におきまして新たなふ化場整備が進められるところであります。「さけ」の漁獲量も市町村別で6年連続日本一となり、3年連続100億円を超える漁業生産額となっております。
今後もこの高水準を維持するためには、河川等環境の保全に努めるとともに地場資源の増大を図るため、ふ化事業への支援を継続してまいります。

さけます以外の資源対策は、漁協が実施する浅海域における各種増養殖調査事業に引き続き支援を行い、関係機関と協力し資源管理型漁業の推進に努めてまいります。
漁業生産基盤としての漁港整備でありますが、ウトロ漁港のペレケ新港におきましては、安全で快適な漁業活動の展開と漁獲物の陸揚げから出荷までの衛生管理体制の強化を目指した「衛生管理型漁港」として人工地盤の整備が進められ、斜里漁港につきましても入出港の安全確保と漂砂対策として外郭施設の整備が行われていますことから、漁港整備の促進につきまして関係機関へ引き続き要請をしてまいります。

(商工業)
国内経済は、かってない景気の急降下に直面しており「戦後最大の経済危機」と言われております。特に、昨年来からの原油、原材料等の価格高騰や、米国の証券会社の破綻を契機とした金融不安は、町内の経済活動、更には町民の暮らしにも大きな影響を及ぼし、町内経済は大変厳しい情勢下にあります。

このようなことから、商工業者を対象とした金融対策については、景気後退の長期化が予測されることから、国・道の融資制度や、町の中小企業融資制度などの活用を、商工会と連携して推進するほか、迅速な対応に努めてまいります。

また、商工業者への経営指導の強化や、本年1月に「いってみたい商店街準大賞」を受賞した「ふらっとナイト事業」をはじめとした各種の地域振興事業に対しても引き続き、支援を行ってまいります。

中心市街地活性化事業は、駅前周辺整備が20年度に完了し、道道整備等の早期完成が待たれるところでありますが、「道の駅しゃり」を中心に、各種イベントの開催に取り組むほか、テナントミックス施設と合わせて活力ある商店街形成に努めてまいります。

ウトロ地域における再開発事業は、「道の駅うとろ・シリエトク」を中心に、今年4月に開設される予定の「世界遺産センター」を新たに核施設に加えることで、更なる集客が期待されることから、関係団体等と連携し、魅力ある地域づくりに努めてまいります。

(産業間連携)
町内経済の活性化を図るためには、商工業と足腰の強い基幹産業である農業・漁業や、観光などとの産業間連携が必要であります。そのためには、業種を超えた協力による地場産品の研究開発や、新分野への起業などが求められております。

このために、今年度はワンランクアップ事業などの支援制度を見直し、更なる付加価値向上に向けた事業や、知床しゃりブランドの開発事業を支援する「地場産業活性化チャレンジ事業」を創設するほか、新たに担当部署を設けるなど地域における産業間連携について、積極的な支援に努めてまいります。

(観光)
観光は、農業、漁業とともに重要な基幹産業のひとつであります。観光客の入込は、平成17年度以降大きく落ち込み、特に、昨年は燃料の高騰や、北京オリンピックの開催による出控えなどが影響し、過去10年間で最も少ない状況となっており、町内における新たな観光資源の開発や、魅力ある観光地づくりが急務となっております。

これらの課題を解消するためには、国や道のほか、観光関係諸団体の連携を図ることが重要であり、昨年の観光庁発足に合わせて今年1月に設立された羅臼町など周辺4町の行政、観光協会などを母体とした知床観光圏協議会は大きな意味を持つものと考えております。
このようなことから、広域観光の推進をはじめ、これまでの参加体験型観光の取組みに加え、冬季の五湖利用やエコツーリズムの推進などを図り、通年観光をめざした各種観光振興策について支援してまいります。

また、集客対策として実施してきている国内外における観光キャンペーンや、各種イベント事業、外国人観光客の誘致活動事業についても引き続き、支援をしてまいります。

特に、知床観光の情報提供につきましては、これまでのパンフレット、ポスター、ホームページの活用のほか、知床斜里観光案内センターや、両「道の駅」、観光協会との連携による広域的な観光情報の提供と、市街地、ウトロの町内各所の観光宣伝に努めてまいります。

(労働) 
世界的な金融不安を端に広がった急激な経済情勢の悪化は、地方にまで影響を及ぼし、雇用状況を一段と厳しいものとしております。昨年末の完全失業率は全国で前年比較で0.6%増の4.4%、北海道で4.3%となっております。また、網走公共職業安定所管内の有効求人倍率は昨年同期と比較して、マイナス0.18ポイントの0.39倍であり、求人率においてもその影響が顕著であります。 
このようなことから、公共職業安定所など関係機関と連携をはかるとともに、国の緊急雇用対策予算などを活用しながら雇用の創出に努めてまいります。

季節労働者対策としては、「斜網地域通年雇用促進協議会」が実施する求人開拓、相談・情報提供等の各種事業への支援を行うとともに、生活資金貸付制度を継続し、雇用の安定や、通年雇用の促進に向け取り組んでまいります。

3 安心して暮らせる快適な生活環境をめざして

快適で住みよい生活環境を維持するためには、地域の安全が保障され、環境と社会の健全な関係を、なお一層、強固なものに築き上げなければなりません。

(河川・海岸保全・治水・治山)
まず、洪水対策につきましては、北海道が策定した斜里川水系河川整備計画を基に、農業・漁業の生産活動や自然環境を十分考慮し、斜里川・猿間川等の斜里川水系河川改修事業の促進に努めてまいります。
また、近年、海岸浸食が著しい美咲海岸から峰浜海岸にかけての海岸保全対策を、森林管理局や北海道に対し引き続き要請してまいります。
さらに、ウトロ地区の急傾斜地における落石防止対策や、砂防施設への魚道設置等、住民の安全な暮らしを守り、優しい河川環境をめざした治山・治水事業を要請してまいります。

(道路・公園・住宅)
国道334号線ウトロ~斜里間及び斜里~美幌間の道路改良につきましては、狭隘な急カーブ路線や大雨時の交通止め規制の解消など、景観にも十分配慮した、安全な交通が確保される道路整備を、沿線の市や町と連携のうえ引き続き国に要請してまいります。特に、川上地域にあります「新拓橋」につきましては、予備設計に着手したことから、早期の工事着手を強く要請してまいります。
 
災害防除対象のカムイワッカ周辺の道道知床公園線は、平成17年度から5カ年計画で、交通規制を伴う大規模な落石防止対策工事が行なわれておりますが、工期が1年間延長となることもあり、マイカー規制を実施している自動車利用適正協議会や観光業者等とも十分調整を図り、完成後の安全確保等について、土木現業所に対し要請してまいります。
 
町道の整備では、緊急度、優先度を十分勘案しつつ、道路網の整備をすすめてまいりますが、ホクレン基線道路につきましても、重要な基幹作物でありますビートの運搬道路であることから、産業振興の面からも、本年度から3カ年計画で整備事業に着手します。
また、落石の危険性のあるオシンコシン道路につきましては、網走開発建設部と連携して道路の安全対策を講じてまいります。
 
福祉施設や教育ゾーン周辺の道路につきましては、歩道のバリアフリー化を優先してすすめるとともに、都市公園の緑化や遊具の安全点検に努め、利用者に優しい公園整備に努めてまいります。

町道の維持、除排雪業務は、民間の斜里道路整備事業協同組合に、引き続き委託いたしますが、効率性を高め、安全で快適な路面の確保に努めてまいります。
また、この委託業務につきましては、平成22年度から「指定管理者制度」へ移行する計画であることから、斜里道路整備事業協同組合と具体的に協議を進めてまいります。

次に、住宅対策でありますが、引き続き町営住宅ストック総合活用計画に基づいた、町営住宅の適正な維持保全や建て替え準備をすすめてまいります。
また、国の「耐震改修促進法」に基づき、町内における地震被害の軽減に向け住宅・建築物の耐震化をすすめるため、「斜里町耐震改修促進計画」 の策定を実施いたします。

(上下水道)
水道事業につきましては、独立採算制を堅持し、安全で安定した飲料水の供給を行うため、一層の経営安定に努めてまいります。
上水道、ウトロ簡易水道につきましては、引き続き、配水本管の布設工事などを実施するとともに、昨年度からの継続事業として、ウトロ浄水場の改良工事をすすめます。

また、新たに来運配水池の増設に着手し、安定供給を図ってまいります。
公共下水道整備につきましても、国・道道改良工事との事業調整を図りながら、整備区域内の水洗化を高めるため、計画的に管渠整備を実施してまいります。

(市街地再開発)
中心市街地の活性化事業につきましては、今年度も北海道と連携し、市街地区域内の権利調整や、物件補償業務をすすめ、道道斜里停車場線の街路整備を促進してまいります。
 
また、「まちなみ協力金」を活用し、中心市街地の活性化を図るため、「まちなみ景観づくり」や「賑わい創出」への取り組みを推進してまいります。
 
ウトロ市街地再開発事業は、国道334号改良事業、ペレケ漁港整備事業と連携して推進してまいりましたが、再開発用地内で予定しておりました「道の駅」などの建設が完成し、分譲地にも新たな商業施設の建設もすすめられており、さらに、国による「知床世界遺産センター」も整備されたところであります。
このことから、周辺の環境整備として着手しておりました「ペレケ河岸公園」の整備を完成させ、地域住民や観光客等の賑わいの場としての活用を図ってまいります。

(交通安全・防犯・消費者保護)
交通事故の防止、犯罪の防止、消費者生活の安定はみんなの願いであります。
交通安全啓発のために、地域の皆さんや交通安全協会、交通安全推進委員会、交通安全指導員などの連携を図り、飲酒運転の撲滅など交通事故を起こさない、事故に遭わないために必要な活動を継続してまいります。
防犯活動については、特に児童生徒の下校時の見守りや監視の強化を進める必要があるため、関係機関や団体をはじめ、地域の皆さんとの協力を求めながら、その対策強化を進めてまいります。
また、振り込め詐欺など、消費者に対する違法行為が依然として後を絶たないことから、消費者協会に対する支援を続けるとともに、消費生活相談員による消費者からの相談や苦情等への適切な対応により、被害の防止、損害の回復などに努めます。
配偶者に対する暴力行為の事案が続いています。的確な相談体制の整備と関係機関との連携により、暴力被害者の安全確保に努めます。

(情報基盤の整備)
行政情報をはじめとする、さまざまな情報の提供や取得、共有のため、インターネットの活用は有効な手段であり、そのために必要なブロードバンド環境の基盤整備を推進します。
町内の現状としては、斜里市街地では、すでに光回線の使用が可能となっております。また、本年3月中旬からは、ウトロ地区においてもADSL回線の使用が可能となる予定であり、今後、これら以外の地域についても、順次ブロードバンド環境が整備されるよう関係機関との協議を進めてまいります。

(防災・消防)
災害による被害を最小限にするためには、町や関係行政機関の公助はもとより、住民や地域の防災活動を担う自主防災組織による自助、共助の役割が重要であります。そのため、3年毎に実施する総合防災訓練をはじめ各種講座等を通じて自主防災組織の結成支援及び育成、住民への防災意識啓発に引き続き努めるとともに、関係機関との連携や災害通信体制の一層充実を図り、緊急時の迅速な対応と協働による災害に強い地域づくりを目指します。
また、災害に備え防災備蓄品の整備や無線機器の整備により緊急時の体制を充実してまいります。
町民の生命、身体及び財産を守る消防については、消防組織法の改正による「市町村消防の広域化」と「消防通信体制」の取組につきましては近隣市町村、関係機関等からの情報収集等を行いながら、斜里町及び斜里地区消防組合の考えを整理し、消防体制の強化を図ってまいります。

(環境衛生)
環境施策の推進は、斜里町の町政執行の基本であるとの認識の下で施策を展開するとともに、引き続き、町民が健康で文化的な生活を営むうえで指針となる環境基本計画の策定に努めてまいります。また、斜里町ポイ捨て禁止条例の制定により、知床の自然景観の保全と環境美化の推進に取り組んでまいります。

公害対策については、悪臭や汚水、不法投棄等への監視体制を強化するとともに、住民生活への悪影響を及ぼす恐れがある場合には、原因の究明に努めるとともに、警察をはじめとする関係機関と連携して発生源に対する改善を求めるなど、再発防止を図ります。
犬などのペット飼育マナー向上のための取り組みは、登録や狂犬病予防接種の機会だけでなく、広報紙などによる啓発活動を引き続き進めてまいります。

(一般廃棄物)
新たな中間処理施設及び最終処分場等の整備が最重要課題となっております。これらについては、現在、一般ごみ資源化施設と生ごみ堆肥化施設の基本設計を進めておりますが、平成23年度に想定される町外処理の課題や、高温高圧処理という新たな処理方式によって交付金を受けるにあたっての課題などについて、一つ一つ、着実に解決していかなければならないと認識しております。さらに、施設の整備場所については、地元理解を得るために私自身が先頭に立ってご説明するとともに、地域住民と十分な意思疎通を図りながら取り進めてまいります。
新処分場の整備事業は、町内のどこかに必ず必要な施設であるばかりでなく、町民生活に直結する極めて重要な施策であることから、早急に課題を解決するよう引き続き取り組んでまいります。

(循環型社会形成)
省資源・リサイクル事業は、斜里町が環境自治体として自治会や住民団体との協働により、これまで取り組みを進めてまいりました。また、「新処分場問題」を契機に、これまで顧みられることが少なかった分別の徹底や、省資源・リサイクル意識の向上などについても、全町民の継続的な取り組みに繋がるよう啓発をすすめてまいります。
廃食油の燃料化につきましては、本年1月から本格的に民間事業者による燃料利用の取り組みが始められましたが、家庭から排出される廃食油のステーション回収などについて引き続き事業に参画してまいります。

(地球温暖化対策)
急速に進行する地球温暖化対策に取り組むため、生活と密着した身近な課題を見直すとともに、自治会や住民団体との協働や企業等と連携した実現可能な取り組みを進めます。また、環境基本計画の策定と合わせて、行政による地球温暖化防止実行計画の策定をめざします。
バイオマスの活用をはじめとする地球温暖化対策への取り組みを、地元産業との連携により継続してまいります。

(墓地・火葬場)
墓地・霊園の適正管理に努めてまいります。経年劣化が著しいオホーツク斎場のドアを修繕いたします。
オホーツク霊園の通路部分に砂利を敷くことにより利用者の利便性の向上を図るとともに、エゾシカの食害によって景観が損なわれたウトロ霊園の樹木について、植栽を行うことといたします。

4 健やかで思いやりのある福祉社会をめざして

我が国の経済状況は、世界的な金融危機による景気の低迷が続いておりますが、地方においても物価が上昇し、高齢者、障がい者、母子世帯、低所得者などの生活上の支援を必要とする人にとっては、より一層厳しい状況となっております。
少子高齢化が急速に進んでいく中で、町民が健やかに住み慣れた地域の中で、いつまでも安心して暮らせるまちづくりは、私に課せられた最大の責務であります。

(一般福祉)
地域福祉の推進に当たって、「心かよう福祉のまちをめざして」という、斜里町地域福祉計画の基本理念に基づき、すべての町民が地域社会の一員として触れ合い、家族や地域のなかで生涯にわたり、健やかに暮らし、
自立した生活を送ることができるよう、社会福祉協議会や地域自治会・各福祉団体とのネットワークを強化し、人にやさしい福祉のまちづくりを目指してまいります。

(児童福祉)
次代を担う子ども一人ひとりの権利が尊重され、社会の一員として成長していくことができるよう、子育ての環境を整え、子供を産み育てることの意義や喜びが実感できるよう、すべての子どもと子育て家庭への支援を行い、子どもが健やかに成長できる環境づくりを目指してまいります。

「次世代育成支援行動計画」に基づき、地域の子育て家庭を支援するため、子育て支援ネットワ-クの活動や相談窓口の充実など、包括的に子育て支援サービスを提供し、子育て支援センター運営事業の充実を図ります。

少子化による児童数が減少する中で、発達障害と思われる児童数の割合が増えてきております。子ども通園センターによる早期療育事業を推進するため、関係機関と連携を図りながら療育事業を取り組みます。
また、支援が必要な児童と家庭への取り組みとして、要保護児童対策地域協議会を構成する関係機関との連携強化を進め、児童の虐待予防を図ります。

常設保育園については、一般保育とともに乳児保育、一時保育、障がい児保育など特別保育事業を継続して推進します。さらに、保護者との連携を密にし、子育ての悩み相談、食育の推進など、少子化対策の観点からも保育サービスの充実を図ります。また、へき地保育所については、少子化傾向をふまえ入所基準についても弾力的に運用を図りながら運営してまいります。

保育料等の第3子無料化については、子育て負担の軽減化を図り、子どもを安心して生み育てやすい環境づくりを推進するために、平成21年度から実施してまいります。

(障がい者福祉)
身体障がい者、知的障がい者及び精神障がい者の基本的施策や障害福祉サービス等については、「障害者自立支援法」や平成21年度からスタートする「斜里町障害者計画・第2期障害福祉計画」を基本に進めてまいります。また、障がい者が地域で自立した日常生活を送るため、施設から地域への移行や、就労支援といった様々な課題につきましても、地域自立支援協議会などで協議を重ねながら、サービス提供体制の確保や相談支援体制の充実を図ってまいります。

(母子・父子福祉)
ひとり親世帯については、国において母子家庭に対する就業支援策を設けているところですが、地方においては雇用情勢が悪化していることから、再就職など就労実態は厳しく、本町においても効果が得られていない状況にあります。  
このため、当面は支援の実態については国が行っている扶助制度に頼らざるを得ない状況にありますので、子育て支援の環境づくりや、相談体制の充実など、側面的に自立を助長する方向で支援を図ってまいります。

(健康・予防)
心身ともに健康であり続けることは町民の願いであり、社会の活力の基盤となり、人生を左右する力ともなるものであります。健康の維持には、自らが健康をコントロールするという意識の醸成が重要であり、「健康増進計画」に基づき行政としても積極的に健康づくり意識を高める必要があると考えております。
健康増進計画の推進にあたっては、「栄養・食生活」「運動」「たばこ」の3項目を重点項目として掲げ、生活習慣の改善と生活習慣病の予防を最重点課題として推進し健康寿命の延伸を図ってまいります。

検診事業については、平成20年度から「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づき、各医療保険者がメタボリックシンドロームに着目した生活習慣を改善するために、国保の被保険者を基本にした、特定健康診査、特定保健指導を実施しておりますが、さらに受診率の向上を図ってまいります。また、従来からの生活習慣病健診・各種がん検診の実施や、保健指導の機会を捉えて、病気にならない、病気にさせない視点で疾病予防を推進するとともに、健康づくりの意識を広く町民に浸透させるため、関係団体への周知など啓蒙活動を進めてまいります。

感染症の予防についても、10代、20代の麻しん流行と妊婦の風しん罹患による先天性風しん症候群の発病を防止するため、中学1年生及び高校3年生に相当する対象者に追加の麻しん・風しん予防接種を行い、抗体を定着させる機会つくります。
また、ノロウイルスによる感染性胃腸炎や新型インフルエンザの発生予兆など、感染症の集団発生に対する蔓延防止対策及び予防対策が重要となっているため、広報誌や啓発パンフレットなどによる啓蒙活動を進めてまいります。

母子保健事業では、妊娠中の母胎の異常を早期に発見し、治療するためこれまでの5回の妊婦健康診査の公費負担を14回に拡充し、負担の軽減と母胎や胎児の安全確保に努めてまいります。また、子育てに不安を抱えた母親や乳幼児虐待の増加、核家族による孤立など、母子を取り巻く育児環境が大きく変化していることから、乳幼児健診に合わせ、民生児童委員の方々の協力を得て、「お誕生学級」など子育て支援事業を実施し、総合的な母子保健対策を推進してまいります。
 新生児の全戸訪問を実施し、子育てに関する情報提供や養育環境等の把握や助言を行い、支援を要する家庭に対する育児不安の解消に努めます。

(高齢者福祉)
平成21年度から第4期の「高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」がスタートしますが、すべての高齢者が主体性をもち、社会の一員としてあらゆる分野の活動に参加する機会が保障され、自立した日常生活を営むため、自らの選択により介護サービスや福祉サービスが利用できる環境づくりなど、地域や関係機関と緊密に連携し、高齢者に配慮した施策を推進してまいります。
また、一人暮らしの高齢者世帯が増加する中、様々な課題も発生しておりますので、地域自治会や関係機関とのネットワークの強化に努めてまいります。

介護予防事業についても、支援が必要になる恐れのある特定高齢者を生活機能評価健診等で早期に把握し、機能低下の予防又は維持を図り、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らすことが出来る環境づくりが重要であります。
そのための、健康講座や斜希っと教室など介護予防事業の充実に努めてまいります。

(国民健康保険及び後期高齢者(長寿)医療)
国民健康保険、後期高齢者(長寿)医療制度それぞれがあいまって医療に係わる質の向上と安心・安全な医療提供が果され、国民皆保険を持続可能なものにしていくことが求められています。このため、国民健康保険の保険者としての立場で、国民健康保険制度の円滑な運用を促進するとともに、被保険者に対しては、特定健康診査の実施や生活習慣病対策としての各種健診の受診を促し、医療費の抑制や疾病の予防を進めてまいります。
併せて、後期高齢者(長寿)医療制度については、法令に基づき、斜里町が行うべき事務に関して「斜里町後期高齢者医療に関する条例」により、制度の普及や町民の窓口として、円滑な制度の実施に努めることにより、医療保険制度の円滑な運用と被保険者の利便性向上を図ってまいります。

(国保病院)
国保病院の運営については、町民の「健康」と「いのち」を守ることを最優先の課題ととらえ、安心して利用できる病院の存続充実を図るため、医師の安定確保に全力を注いでまいります。
医師確保のための方策としては、将来的な対策として制定した「医学生修学資金貸付条例」のPRに努め、貸付対象者の確保に努めます。また、引き続きインターネット活用による採用情報の発信や医師紹介事業者を通じての確保にも努めてまいります。
また、在職する医師が地域医療にやりがいをもって働きつづけられる環境づくりと十分な意思疎通に一層努めてまいります。
病院経営につきましては、引き続き指定管理者制度の可能性について検討してまいりますが、今年度からは新たに「斜里町国民健康保険病院改革プラン」に基づいて、経営の効率化に努め、公立病院の持続可能な経営を目指してまいります。

5 明日を拓く心豊かな人づくりをめざして

斜里町の教育に関する当面の課題と致しましては、児童生徒の基礎学力の向上に関すること、斜里高校への支援に関すること、町内小学校の適正配置に関することなどが、その主なものであると認識しているところですが、これらに対応する具体的な教育施策につきましては、教育長から「教育行政執行方針」が示されますので、私は財政措置を通じて教育行政を支援する立場から、主要なポイントについて申し上げることと致します。

(学校教育)
町立小中学校の教育を推進する上で、現在、基礎学力の向上対策が大きな課題となっていることから、少人数教育を進め、教職員の研修を促進し、さらに学校図書を増加することに対する予算措置を行いました。
また障がいを持つ児童への対応として、特別支援員を1名増員し、対象児童が増加している斜里小学校に配置することとしております。
また、斜里高校の間口維持に対する支援として、町外からの通学生に対する交通費助成を行うこととし、町民の諸活動とともに斜里高校に対する支援を一層高めて参ります。
教育環境の整備につきましては、雨漏りが続いている川上小学校の屋根の部分補修等を行います。

(学校給食)
学校給食につきましては、備品類及び機械類の計画的な整備、修繕等を行い、衛生管理を徹底して参ります。
また、可能な限り国産品や地場産品食材を活用し、食の安全・安心の徹底に努め、また、町民の方々との連携のもと、道産小麦やシカ肉等を活用した給食を供給して地産地消の取り組みを行い、あわせて食育の推進に努めてまいります。

(公民館)
公民館活動では、公民館の機能を生かした各種講座、教室等を実施し、町民の学習意欲を高め、学習活動を支援いたします。
また芸術文化活動では、芸術文化講座のほか、町民の文化活動の一層の充実のため、鑑賞機会の提供や発表機会の支援等を引き続き実施いたします。
公民館施設整備については、ゆめホール知床の改修計画に基づき実施して、引き続き、施設及び備品の適切な維持管理に努めてまいります。

(体育振興)
体育振興では、施設整備におきましては、スポーツ施設等整備基金の活用計画に基づき、昨年工事を行ったシーサイドパークゴルフ場の備品整備をはかり、またウトロのスキー場・パークゴルフ場のトイレの整備を行なうことと致します。
また、幅広い年齢層の町民がスポーツを楽しむ機会の提供に引き続き努めるとともに、各種スポーツ大会の実施支援や参加助成を行い、スポーツ合宿誘致への支援を継続してまいります。

(博物館)
博物館事業につきましては、特別展や各種講座・講演会の開催のほか、博物館研究報告書などを刊行します。
また、老朽化した施設の改善について公共施設整備基金を活用して実施します。
文化財保護事業では、国道334号線道路改良工事に伴うチャシコツ岬地区と峰浜地区の埋蔵文化財緊急発掘調査を国の委託事業として実施します。さらに、道営畑総事業に伴う朱円地区など6遺跡の緊急発掘調査を、北海道の委託事業として実施します。

(図書館)
図書館事業につきましては、引き続き多くの町民が図書に親しむ環境づくりに努め、世界自然遺産「知床」をキーワードにした、知床に関連する図書資料の収集充実を進めます。
さらに、ボランティアサ-クルの読み聞かせ会の活動などの活動支援を進め、町民の方々とともに、町民の生涯学習の拠点施設としての充実に引き続き努めてまいります。

6 住民参加と協動による行政運営をめざして

行政を取り巻く環境は大きく変化しており、行政のサービス水準を行政だけで維持することは、年々困難な状況になってきております。住民との積極的な情報の共有を図り、住民が主体的にまちづくりに参加できる環境整備を行い、住民、行政がそれぞれの役割や特性に応じて協働する、地方分権にふさわしい住民主体の魅力あるまちづくりを推進してまいります。

(自治会活動、協働の促進)
自治会活動は住民自治の原点であり、行政との良好なパートナーとしての自治会活動を、引き続き支援します。
住民と行政がまちづくりの理念について共通の認識を持ち、お互いの役割や責務を明確にした上で、まちづくりに関する住民参画を制度的に保障し、町民と行政との協働のまちづくりを推進するための基本的ルールを定めた、「(仮)斜里町まちづくり基本条例」の制定をめざします。今年度は、町民を対象とした講演会の開催や住民参加型の策定委員会の設置などにより、条例制定の必要性が充分理解される環境づくりに取り組んでまいります。

(男女共同参画)
社会活動への住民参画は、男女が社会の対等な構成員として、自らの意思により社会のあらゆる分野における活動に参画することができる社会意識の確立が必要であります。
その取り組みの一つとして、町の各種委員会などへの女性の参画機会を高め、社会生活における対等なパートナーとして認めあう、男女共同参画社会の実現を図ってまいります。

(行政情報の提供)
協働の理念を広めるには、地域コミュニティの活力をより高め、「住民自治」の確立に向けて、行政情報の共有を進め、住民が日常的に自治体運営に参加する機会を拡充していく必要があります。そのためには、住民要望を適切に把握するための広報・広聴活動が重要であり、広報「しゃり」の紙面改革や、見やすく使いやすいホームページとするなど情報提供体制の充実に努めてまいります。また、出前講座やまちづくり懇談会、移動町長室の実施を通して情報の共有を図ってまいります。

(地域間交流・国際交流)
姉妹町・友好都市との交流につきましては、本年度も物産交流などを通して、更なる相互理解を深めてまいります。
また、ふるさと斜里会との交流推進を継続してまいります。
国際交流につきましては、海外からの観光客誘致などによる地域の国際化が促進されることやこれまでの交流で培ってきた成果を踏まえ、民間における幅広い交流研修活動等に対し、引き続き支援してまいります。

(広域行政)
市町村合併については、来年3月で失効する合併新法の動向を見守り、当面は自主・自立を目指す行政運営に努めてまいります。
また、行政改革の効率化を高め、自治体間の事務補完を図るため、国民健康保険事務の広域化などについての可能性について検討してまいります。

(行政執行・行政改革)
時代の変化や多様化・複雑化する行政課題に的確に対応するため、健全な財政運営を念頭に置いた自治体経営が重要であり、最小の経費で最大の効果をあげ、住民が求めるサービスを最良の形で提供するため行政改革を一層推進する必要があります。
このため、現在進行中の行財政の構造的改革が平成20年度で最終年度となることから、本年度を初年度とする第4次行政改革をすすめます。
第4次行政改革では「協働によるまちづくり」「職場の活性化と意識改革」「経営の視点に立った行財政運営」を基本目標として、5項目の改革項目を設定してすすめます。
「協働によるまちづくり」では、まちづくり基本条例の制定に取り組むことをはじめ、住民が主体的なまちづくりに参加できる環境整備をすすめます。
「職場の活性化と意識改革」では、現行の組織を大課大係制に再編し、農業・漁業・観光・商工業が連携して産業振興が図られる組織づくりをすすめ、また職員研修の充実による職員の意識改革に努めます。
「経営の視点に立った行財政運営」では、施策の重点化や事務事業の効率性を高めるための評価システムの改善を図り、中長期財政収支試算の策定や財政健全化法に基づく財政指標の分析等による計画的な財政運営をすすめます。
これらの、基本目標にそって推進すべき項目を定め、計画期間内に順次具体的な改革を進めることとしております。

(職員の意識改革)
第4次行政改革基本方針において、行政経費の削減はもとより、組織・機構や人事管理制度を見直し、職場の活性化と職員の能力開発を図り、住民の高い信頼を得られる役場づくりを進めることとしております。
職員一人ひとりが、住民の立場立ち、住民が求めている行政サービスの提供に創造性をもって対応できる職員としてのレベルアップと柔軟な思考と行動力をもって、住民ニーズに的確に対応できる体制を整えたいと考えております。
具体的には、職員人材育成基本方針に基づき、目指す方向性を示すことにより、自己変革が出来る職員となるような意識改革を図ってまいります。

(税財源の確保)
地方自治体にとって最も大きな比重を占める地方交付税は、平成21年度地方財政対策の中では、対前年比2.7%の増の見通しであり、基準財政需要額に新たに地域雇用創出推進費が盛り込まれることや、昨年に引き続き地方再生対策費や頑張る地方応援プログラム分も継続されることとなっていますが、個別係数の見直しなどを考慮すると昨年実績を下回るものと見込んでおり、地方にとっては厳しい財源対策が求められております。
したがって、行財政改革をすすめるとともに財源に見合うよう歳出の抑制に努めることとし、平成20年度決算からの連結決算を見据えた長期的視点に立った、健全な財政運営を目指してまいります。
町税については、全体的に減少傾向でありますが、固定資産税は評価替えの年であり、一部で地価の下落傾向は見られますが税額は前年よりわずかに増加すると見込まれています。町民税や軽自動車税、たばこ税などでは減少が見られ、町税全体でも減額計上となっております。

税の滞納額については、引き続き迅速な滞納処分を行い収納率の向上や滞納額の圧縮を図ってまいりますが、滞納予防の観点から申告指導の徹底や各種減免等制度の活用支援などに取り組み、公平な負担の維持に努めてまいります。

平成21年度の予算規模

昨年12月に示された地方財政対策においては、景気後退等に伴い地方税収や地方交付税の原資となる国税収入が急激に落ち込む中で、社会保障関係経費の自然増や公債費が高い水準で推移する等、財源不足が大幅に拡大するものと見込まれております。
このため安定的な財政運営に必要な地方交付税及び一般財源の総額を確保することを基本に「基本方針2006」等に沿って、国の歳出予算と歩を一にして、給与関係経費の抑制や地方単独事業費の抑制に努めることとしておりますが、極めて厳しい財政運営を強いられている地方の切実な声を踏まえ、地方財政計画の歳入歳出の適切な積み上げに取り組むこととし、地方交付税1兆円を増額し、地域雇用創出推進費を創設するなど、地方財源の充実を図ることが示されたところです。

したがいまして、地方財政計画の規模は対前年比では減率でありますが、地方交付税においては生活防衛のための緊急対策に基づく1兆円が増額され、15兆8千億円程度とし、実質では対前年度比4,000億円程度の増となったところです。しかし、不交付団体から交付団体に転換する自治体が増えることも想定される厳しい状況であります。
また、地方の大幅な財源不足を補うため、臨時財政対策債は対前年度比2兆3,000億円の増、5兆1,000億円としたところであります。

こうした国が示した2008年度の地方財政対策を受け、平成21年度の予算編成にあたっては、その基本方針として昨年に引き続き事業選択型予算編成とし、身の丈にあった歳出予算とすることを第一として、事業評価や経常経費の削減に加え事業の集中・集約や財源の集約化に取り組むとともに、投資的予算においても第5次総合計画や中長期の財政収支試算との整合性を求め政策評価委員会における事業選択を行いながら予算編成を行ったところであります。

平成20年度後期は、世界的な景気の減退が起こり日本においても緊急経済対策や緊急生活安心対策など緊急対策が相次いで打ち出され、このことに伴い本来平成21年度予算に組み入れる事業を補正予算により一部前倒しで措置したところであります。
このような状況のもと、引き続き景気対策に意を用いつつ、一般会計の予算総額は70億6,641万2千円とし、前年当初比5億6,493万円、7.4%減としたところです。
歳入において、個人町民税は、漁業の好調に支えられ対前年当初比では増額見込みですが、法人町民税については、対前年当初比76.9%と大幅な減額になると見込んだところです。            
固定資産税は、新築家屋や償却資産の増分と評価替えの影響を加味し、前年とほぼ同額とし、その他の税については減額と見込み、税全体では、前年度対比0.7%減としたところです。
地方交付税は、基準財政需要額及び基準財政収入額とも減少するものの、地域雇用創出推進費が新たに見込めることなどから、30億5千万円を見込み額として計上しております。

歳出においては、ふるさと雇用創出事業や緊急雇用創出事業の計上や中心市街地整備事業予算の確保をはじめホクレン基線道路の改良事業の着手、地方道路整備事業(旧臨時地方道路整備事業)の増額など地元経済に波及する事業の予算化を図ると共に、新たに第3子以降の保育料等の無料化、妊婦健康診査の拡充、基礎学力向上対策や斜里高校間口維持対策通学費助成事業なども予算化したところであります。また、平成20年度に公共施設整備基金を設けたところですが、この基金を活用し公共施設の改修についても事業化を図ったところであります。

特別会計では、昨年から後期高齢者医療特別会計を設けたところですが、老人保健特別会計はその役割をほぼ終えたことから94%の大幅な減額となったところであります。
特別会計全体では、3億4,052万9千円の減となり公共下水道事業特別会計もウトロ特定環境下水道事業が地区全体の供用となり工事費の減少から10%減の予算計上となっております。

企業会計では、昨年度ウトロ簡易水道における浄水場建設費が計上されていたことから、21年度予算額が、12.5%減の計上額となったところであります。

全会計の予算規模は、133億9,489万8千円となり、前年度当初比10億3,043万円、7.1%の減額計上となったところであります。

むすびに

以上、平成21年度の町政執行に臨むに当たり、私の所信の一端と主要な施策について述べさせていただきました。

冒頭にも申し上げましたが、現下の経済情勢は、昨年10月に米国に発した企業破綻が発端となり、過去に例を見ない経済不安が世界中に蔓延しております。
当初、日本経済への影響は軽微と受け止められていましたが、我が国もその例外では無く、企業活動をはじめ雇用不安など、国民生活に大きな不安を招いている状況にあります。
当町においても、今後は農業・漁業・観光などの基幹産業に対する影響、町財政や町民生活に対する影響などを慎重に見極める必要があると考えております。
地域に暮らす人々が、互いに助け合い、生きがいを持って働くことができ、安全かつ安心して暮らすことができる環境を整えることが行政の役割であり、その実現のためには、行政と住民とが互いにその役割を果たし、協働してまちづくりを進めることが重要となります。
このため、本年度から、町民参加による、「(仮)斜里町まちづくり基本条例」の策定に着手し、住民が町政に参画する権利を明確にすることとしたところであります。
また、喫緊の課題として、一昨年から議員の皆様にもご理解とご助力を賜りながら取り組んでおります、新たな一般廃棄物処理施設の整備でありますが、この事業は、他の公共事業とは性質を異にする事業であり一刻の猶予も許されない事業であると認識し、地域の皆様と十分な対話の下に深いご理解を頂くことを前提に、私に課せられた最大の課題として、精力的に解決に向けて取り組んで参る覚悟であります。
平成21年度の行政運営も、様々な課題を抱え厳しい年となることが予測されますが、斜里町の三つの宝物を大切に、住民と行政が互いに協働し、魅力的で暮らしやすいまちづくりの実現に向け、リーダシップを発揮し取り組んで参ります。
町議会の皆さん、そして町民の皆さんの暖かいご支援とご理解を賜りますよう心からお願いを申し上げ、私の町政執行方針といたします。

平成21年3月4日 斜里町長 村 田 均

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